二年前の日記 5/28

2017/05/28

 バーガーキングといえばアメリカの大手ハンバーガーチェーンであることくらいは、自分でも知っている。食べたことはないが。そもそも外食をする機会がないので、どこに店があるのかも知らない。知らなくても困らないので仕方ない。

 そんなバーガーキングが、ベルギーで話題であるという。ある広告をウェブに掲載したためであるが、その広告というのが、ベルギーのフィリップ国王とバーガーキングを並べて、どちらかを選べというものらしい。で、フィリップ国王を選ぶと、なんやかんやと理屈をつけて、バーガーキングを選ぶように促すのだ。どちらが本当のキングか、というジョークのつもりなのだろうが、果たしてベルギー人が笑えるのかどうか。知名度アップを図るための炎上商法的なものかもしれないが、正直、筋が悪いのではないか。日本やイギリスで同じことをしようものなら、どえらい反発を食らうだろうし、タイでやれば不敬罪で関係者が逮捕される。大統領とは訳が違うのだ。

 中東などでは事情が違うかも知れないが、ヨーロッパや日本では、王室や皇室は純粋に尊敬と崇拝の対象であり、国民統合の象徴である。個人的に好き嫌いはあるだろうが、立場的にはそういうものである。それを笑いものにするような行為は、国民の誇りを土足で踏みにじるが如き真似であると判断されてもやむを得まい。フランスならば「ジョークだから」で通じるかも知れない。しかし、それは世界標準ではないのだ。

 今回の広告は王室の許可を得ず無断で掲載されたとあって、ベルギー王室は怒っているらしい。国民はどう判断するだろう。結果的にバーガーキングがベルギーから追い出されることになったとしても、それはそれで自業自得という気がするが。


 今月23日のこと。アフガニスタンの首都カブールから、中部の都市バーミヤンに向かって飛行機が飛び立った。しかしこれに激怒した者がいた。飛行機に乗り遅れた2人の国会議員である。2人はすぐさまバーミヤンの空港にいる身内に電話をかけた。普通の感覚なら謝罪の電話なのだろうが、この2人は違った。バーミヤンの空港の滑走路に、岩を並べろと命令したのだ。

 命令する方も命令する方だが、実行する方も実行する方である。本当に岩を滑走路に並べてしまった。これにより、飛行機は着陸できなくなり、カブールへと引き返した。そして戻ってきた飛行機に、2人の議員は悠々と乗り込んだのだ。無茶苦茶な話である。一歩間違えば大惨事になるところだった。

 アフガニスタン内務省は27日、2議員の命令に従った空港の警備当局者を逮捕したと発表したが、議員に対してはまだ処分が発表されていない。おそらく処分などされず、このまま有耶無耶になるのではなかろうか。

 アフガニスタンはタリバン政権が打倒されてから現在、国家再建の途上にある。民主的な選挙制度などはまだ機能していないのだろう。故に国会議員は特権階級になる。一度議員になったら、暗殺でもしない限り排除できない。排除しようなどとすれば、己の部族を上げて反乱を起こすからだ。

 アフガニスタンは正規軍の規模もまだ大きくないし、そもそもタリバンやISなどのテロ対策で手一杯であろうから、部族の反乱など相手をする余裕がない。しかし反乱を鎮圧できなければ内戦になる。それは政府としては避けたい。結果国会議員の無法を許すことになる。曲がりなりにも選挙があるから国会議員という肩書きがあるが、実態としては「豪族」と言った方が近いのかも知れない。

 今回被害に遭った航空会社、カーム航空は、カブール=バーミヤン便を無期限運航停止にするとした。せめてもの抵抗であろう。アフガニスタンの一日も早い安定を祈らずには居られない。


 前門の虎後門の狼といえば、絶体絶命の状態を指す。ただし、いまの日本には虎も狼もいないので、現実的にはなかなかシュールな状況となるようだ。

 栃木県宇都宮市で3人の男が、75歳の女性ら2人に怪我をさせた上に、660万円相当の宝石類などが入った金庫を奪って逃走した。男らは警察の追跡を振り切るために、国道のトンネル内に車を乗り捨て、日光市の山林に逃げ込んだ。だがそこには先客がいた。野生の熊である。まあツキノワグマであろう。それ以外の熊がいたら、別の意味でえらいことになる。とにかく熊に出くわした3人の男はそれ以上先へ進めず、追いかけてきた警察に捕まることとなった。

 男らは北九州出身の、18歳から22歳の3人組だという。わざわざ北九州から栃木まで遠征してきて、強盗をした挙げ句、熊のせいで捕まるというのは、イロイロと持っていない連中なのだろう。地元でチンピラでもやっているのがお似合いだったのではないか。いや、それは北九州の人が迷惑なのか。何にせよ、警察に捕まってくれたのは、世の中のため的には良かった良かった。熊に感謝せねばなるまい。


 26日、エジプトではキリスト教の一派、コプト教徒の乗ったバスを3台の四輪駆動車に乗った武装集団が襲撃、少なくとも28人が死亡、23人が負傷した。イスラム過激派による犯行であるかはまだ不明だが、テロ攻撃であることは間違いない。

 また同じく26日、インドの南東の島国スリランカではモンスーンによる豪雨で洪水が発生し、少なくとも91人が死亡、100人以上が行方不明であるという。

 26日は厄日か何かか。まとまって人が死にすぎだ。死者を悼むにしても、どちらもまだ被害者数は増えるかもしれない。不穏である。そういう「流れ」になっていなければ良いのだが。

※ バーガーキングは生まれてこの方食べた事も見た事もありません。たぶん都会にしかないのでしょう。なので田舎の住民としては、どうでも良い存在であったりします。

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