二年前の日記 11/19

2017/11/19

 企業が大きくなると、公共インフラのような扱いになることがある。Facebookやtwitter、Amazonなどがその代表例であるが、それは企業にとってありがたいのだろうか。ステータスではあると思うが、良い面ばかりとは言えまい。

 スマホのメッセージアプリで有名なLINEはいま、AIスピーカーというか、スマートスピーカーというか、要は音声認識装置を備えたイロイロ便利なスピーカーを販売している。それをAmazonでも販売していたのだが、突然その販売が取りやめとなった。Amazon側はその理由を明らかにしていないが、Amazon自体がいまAIスピーカーを販売していることが理由ではないかと憶測を呼んでいる。つまり競合商品を閉め出したという訳だ。これには独占禁止法違反の可能性があるのではないかという声が上がっているそうな。

 Amazonも大変だな、というのが個人的な感想である。確かにAmazonは巨大なインフラである。インターネットで商品を大量に販売しようとするとき、その販路を自社で用意しようとすれば、莫大な投資が必要になる。規模の小さな会社にはAmazonが事実上唯一の販路といっていい。それを使用禁止にするなどとは何たること、と批判するのも理解はできる。

 だが、店だ。Amazonは巨大ではあるが、所詮は物を売る店なのだ。何を売って何を売らないのか、それは店の側が勝手に決めていいことではないのか。売りたくない物を売らねばならん理由はない。うちの売りたい商品を仕入れてくれない、だからあの店は独禁法違反だ、などと普通の小売り店は言われたりしない。デカいのだから言われても仕方ないというのは、ちょっと可哀想ではないだろうか。

 そもそもAmazonにだって売ってない商品はいくらでもある。生活必需品とか日用品とかになると、ごく一部のブランドしか扱っていないことも珍しくない。それでもこれまで、それをいちいち取り上げて独禁法違反だ何だと吊し上げられてきた訳でもない。

 Amazonが気に入らなければ余所で買えば済む話だ。スーパーなりホームセンターなりで買ってくれば良い。AIスピーカーが欲しいのなら、電気屋を何軒か回って安い店で買えば良かろう。それすらAmazonが禁止しているというのなら酷い話だが、そうではあるまい。店には売り物を選ぶ権利があるし、卸元もどの店に卸すのかを選ぶ権利がある。イーブンの関係ではないかと思うのだが、どうだろう。

 LINEはすでに中小企業ではなかろう。Amazonで売れないのなら別の販路を開拓してみてはどうか。それくらいは出来る規模ではないのか。まあ自分はAIスピーカーなどまったく欲しくはないので、頑張ってくださいね、くらいの気持ちにしかならないのであるが。


 未来をイメージできるかできないか。それは人を選ぶときには結構大事なことである。どんなに正しいことを口から吐いても、それだけでは人心はつかめないのだ。

 東京都の武蔵野市にある成蹊大学といえば安倍首相の母校であるが、そこで18日、石破茂元大臣が講演を行った。そこで彼は、先般の衆議院議員選挙について、「消去法的に自民党が勝ったのが現実だ」と述べたという。まあ、言っていることは正論である。

 また、これはNHKの報道で、18日に東京都内の講演とあるから同じ成蹊大学での講演の中であろうが、「日本は核兵器を造るつもりは全くないが、いざとなったら造れるということがどれだけ抑止力になっているか、よく認識したほうがよい」とも述べたという。これもまた正論であると思う。

 どちらの言葉も目的は明確だ。安倍首相の支持層を切り崩したいとの思いだろう。ただどれだけ正しいことを言っていても、石破氏がリーダーとして日本を牽引しているイメージが湧かない。有能な人物であるのは確かだと思う。ただその有能さが空回りしている印象がある。

 有権者が消去法で自民党を選んでいるのはおそらく事実であり、安倍首相に対する支持もまた消去法なのではあろうが、その消去法で消されている方の中に、石破氏も入っているのではないか。多分ポスト安倍候補の筆頭は、今でも石破氏なのだろう。だがそんな石破氏に期待をするより、まだ安倍首相に期待した方がマシだと思う国民の方が多いんじゃないだろうか。

 石破氏は安倍首相の支持者を取り込もうとするより、自分の支持者を着実に増やすことを考えた方が良くないか。どうも石破氏はブレーンが無能なのではないかという気がしてならない。安倍首相が任期を終えるにはまだ時間がある。石破氏はもうちょっとよく考えて、作戦を練り直すべきだと思うのだが、果たして。


 クーデターっぽいことが起きて、大統領が軟禁されているアフリカの国ジンバブエで、ムガベ大統領の退陣を求めた人々の大規模なデモが行われているという。つまり多くの国民は軍の行動を支持しているということだ。

 また与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線も大統領に退陣要求を出している模様で、ついこの間までムガベ氏を支持していた者たちが、こぞって大統領の退陣を求めているらしい。手のひら返しと言うやつであるな。

 まあずっとムガベ大統領には誰も逆らえない状態が続いていたのである。大統領批判も公には許されなかったのであろう。そこに軍が風穴をあけてくれたのだから、国民のテンションもMAXになっているはずだ。だがここで大統領側が対応を誤れば、もう国民も黙ってはいないだろう。軍としても流血の事態は避けたいはずである。何とか平和裏に収まってくれると良いのだが。


※ LINEのスマートスピーカーは楽天やヨドバシなどで購入できます。Amazonで買えない事は大した問題ではない気がするのですけどね。
 2年前はまだ石破氏が頑張っていましたが、もうすっかり過去の人となりました。河野太郎氏がトドメを刺した感があります。そのうち小泉氏にも置いてけぼりを喰らうのでしょう。惜しい人物なのですが。

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