二年前の日記 3/18

2017/03/18

 アメリカのティラーソン国務長官は韓国のユン・ビョンセ外相と訪問中のソウルで共同記者会見を開き、「北朝鮮に対する戦略的忍耐の政策は終わった」と述べた。

 そうか、戦略的忍耐だったのか。面倒臭くて放り出してるだけかと思っていたのだが、ちゃんと考えていたのだな。いやあ失敬失敬。しかし、いまこのタイミングでそれを口にするというのは、どういう思惑があってのことなのだろう。

 韓国では5月に新政権が誕生する。おそらくは現野党の側から、北朝鮮に対して融和的な政策を取る大統領が就任するだろう。それを見越して釘を刺しているのだろうか。しかしそれなら、もっとハッキリ言うべきではないか。「アメリカは自国の安全保障の為なら韓国抜きでも北朝鮮を排除する」くらい言わないと伝わらない気がする。

 同盟国である韓国の面子を立てるのも良いが、おそらく韓国の次期政権では米韓で共同戦線など張れまい。それどころか、またぞろ「統帥権を返せ」と言い出すかもしれない。北朝鮮も中国もそれくらいは織り込み済みだろう。アメリカは北朝鮮のICBMをどの程度の脅威と考えているのか知らないが、それを武力で叩くつもりなら、あまり時間は残されていないのかもしれない。

 とはいえ中国とは話をつけておく必要はあるだろうし、動くとしたら米中首脳会談のある来月以降か。それまで北朝鮮が大人しくしていればの話だが。


 核絡みでひとつ。アメリカのローレンス・リバモア国立研究所は、アメリカが1945年から1962までに行った核実験のうち一部の映像を、YouTubeに公開した。興味のある方はCNNの「米核実験の記録映像が機密解除、ネットで公開」という記事を見て頂きたい。

 なお映像を公開した責任者はCNNの取材に対し「こうした歴史と兵器の威力を目の当たりにし、どれほどの惨状をもたらすかを見せつけられれば、恐らく使用を躊躇するだろう」と答えたらしいが、それは純真過ぎないか。世の中そんな人間ばかりではない。そうでない人間の方が多いかもしれない。どこかの馬鹿を刺激しなければ良いのだが。

※ 2年前はまだアメリカのティラーソン国務長官が健在でした。韓国はまだ文大統領になる前でしたね。この頃を思い出しながら現状を見ると、何かイロイロあったなあ、という感じです。一周回って元に戻りそうな気もしないではないのですが。

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