二年前の日記 8/20

 インタファクス通信によると、ロシアの西シベリアにある都市スルグトの路上で、刃物を持った覆面の男が通行人に襲いかかり、7人が負傷したという。この事件に対し、ISは系列のニュースサイト(アマーク通信じゃないのかな)を通じて犯行声明を出したらしい。スペイン、フィンランドときて今度はロシアか。と思いきや、ロシアの内務省は首を傾げているのだそうな。

 逮捕されたこの男、1994年生まれの地元出身者で、名前は明らかにされていないが、精神疾患を抱えていた可能性があるとのことである。もちろん、ロシア人だからといってイスラム過激主義に感化されないという訳ではない。精神疾患があっても同じことである。そうなのであるが……うーむ、やはりどうもこれはISがやっちまった感がある。

 あまりにタイミングが良かった(もしくは悪かった)からであろう、うっかり自分たちの扇動に乗った者がテロに及んだと勘違いしてしまったのではないか。まあISも人の子だということなのだろう。人が怪我している事件で笑うなどというのは不謹慎かもしれないが、それでもちょっと笑えてくる。

 殺伐としたニュースばかりの昨今、こういうネタは大事である。もしかしたらIS内の担当者は今頃天に召されているのかもしれないが、それはそれ、これはこれ。


 スペインで起きたテロの全容が、少しずつわかってきた。犯人たちはまずバルセロナで車によるテロを実行、そこから逃走した後、南西に120キロ離れたカンブリスに移動、再び車によるテロを実行し、1人を死亡、6人を負傷させたが、車が横転し、そこに警官隊が発砲、犯人たちのうち4人が死亡した。その死亡した4人のうち、3人はモロッコ出身だった。残る1人はバルセロナで車を運転していた男で、スペインのカタルーニャ地方出身で17歳だったという。死んだメンバーは他にも18歳とか24歳とか、非常に若いのが特徴である。

 あと逃走していると思われる22歳の容疑者がいるようだが、それが捕まれば更なる全容が判明することだろう。解明を待ちたい。


 ところでバルセロナでテロがあった直後、フィンランドでナイフを振り回す事件があったが、あれはやはりテロであると当局が認定した。逮捕されたのは18歳の男、モロッコ国籍であることが判明している。またモロッコの若者だ。この間はバルセロナのテロとは直接関係はないだろうと書いたが、案外関係あるのかも知れない。

 貧困が拡大するモロッコ国内では、若者の失業率が25%に達しているという。生きる術のない彼らは当然の如く体制を批判し、過激思想に傾倒する。モロッコ出身の若者がISの尖兵としてヨーロッパ各地に散らばっているのは、故無きことではないのだ。

 ISを壊滅させるために、ミサイルを撃ち込むことも重要かも知れない。だがここに手を入れれば、ヨーロッパのIS絡みのテロを減らせる可能性がある。モロッコの若者に仕事を与えることはできないか。アメリカとEUが協力すれば、さほど難しくはないような気もするのだが。


 有名人が癌で死ぬと、必ずと言って良いほど話題に出るのが、いわゆる「代替医療」である。標準的な癌治療では治すことの出来ない癌を完治させるとか、癌細胞が消えて無くなるなどの効果を謳っていたりする。もしかすると全てではないのかもしれないが、患者や家族の弱り切った心の隙間に入り込んで暴利を貪る悪質な詐欺医療であるとの印象が強い。

 その癌の代替医療であるが、標準治療と比べると、最大で5倍程度死亡率が高いという研究結果が発表された。さもありなん。普通に考えればわかることだが、癌を必ず治すことができるのなら、その医師には富と名声が集まる。ならば誰だって癌を治したい。それが代替医療であろうと、本当に効果があるのなら、標準治療に取り入れられるはずである。取り入れられないのは何故か。効果がないからであろう。

 無論、医療の世界にも利権はある。効果があるからといって取り入れられない場合もあるのかもしれない。丸山ワクチンなどいまだに真偽不明である。だが医療も営利を求める行為である以上、本当に効果が高い治療があるのなら、そこに群がるのを止められない。医者だって金は欲しいのだ。なのに多くの医者が代替医療を無視しているからには、それなりの理由があると考えた方がいい。

「自分だけは大丈夫」「この先生は人間的に信頼出来るから」などと言いながら、人は騙されていくものである。詐欺師は常に善良な仮面をかぶっているのだ。


 昨日は水難の日だったのかも知れない。栃木県日光市の鬼怒川では橋から落ちた2歳児を助けようと飛び込んだ父親が行方不明になっているし、岐阜県加茂郡の黒川では川遊びをしていた高2の男子が流され死亡している。ゲリラ豪雨も頻発しているし、穏やかな川が突然氾濫することもあるだろう。暑さの続く中、水場に行くことも多いとは思うが、注意をされたい。


※ 代替医療にすがりたい人の気持ちは良くわかるのですが、そもそも医療というのは、「治療効果」と「運」の両方が必要です。代替医療はその「治療効果」を捨てて「運」に全振りしている訳ですから、運が良ければ病気が治ったように見える人もいるでしょう。でもそんなに運の良い人ばかりなはずがないのです。冷静に考えればわかると思うのですが、まあ人間冷静じゃいられないときが結構ありますからね、仕方ない側面もあります。

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