二年前の日記 3/20

2017/03/20

 18日、フランスはパリのオルリ空港で、警備にあたっていた女性兵士から銃を奪った39歳の男が射殺された。AFPの報道によれば、男はその際、「銃を下ろし、手を頭の後ろに回せ。俺はアラーのために死ぬためここに来た。どのみち、みんな死ぬんだ」と話したという。

 はて。イスラムの神は創造神であったと思ったが、自分の勘違いか。宇宙をも創造した偉大な存在ではなかったのか。その数多ある創造物のうちの小さな一つが死んだだけで何故神の為になるのだ。人間如きが生きようが死のうが微動だにしないのが偉大なる神であろうと思うのだが、イスラムのテロリストは神をそれほど偉大だとは思っていないようだ。アラーも麻原彰晃も変わらんな。

 ……などと言ってはいるが。本当はもっと他にも言いたいことはある。バーカバーカとか言ってやりたい。言ってやりたいところだが、ここはぐっと我慢をしよう。何せいまどきイスラムのテロリストなど、どこにいるか知れたものではない。『悪魔の詩』を翻訳した人みたいに殺されてもかなわん。自分たちの行動が神の名を汚していることにすら気づかぬ狂信者たちである。自分の身は自分で守らねば。だから口を閉じよう。勝手に神の名を貶めて喜んでいろ、などとは決して言うまい。自分は気が小さいのである。


 しかし狂った奴はイスラムの専売特許ではない。イスラムのテロを非難している側だって負けてはいない。

 アメリカ司法省の発表によると、トランプ大統領を批判していたニューズウィーク誌の記者に、ストロボ光を発するアニメーション――俗に言うポケモンショックである――をメッセージで送り付けた男がメリーランド州で逮捕された。このメッセージを開いてしまった記者は発作を起こし、床に倒れていたところを妻に発見されたという(記者はてんかん患者であり、そのことを公表していた)。そして数日の間動けなくなり、片手の感覚をなくし、数週間にわたり会話困難が継続したのだそうな。ほぼ殺人未遂に等しい。男は有罪になれば最大で10年の懲役だと言われているが、何とも軽い気がする。

 何を信じるのか、誰を好きになるのかは個人の自由である。イロイロ言われているトランプ大統領ではあるが、その政策に全面的に賛同しても、自分は構わないと思う。ただ。だからといってそれに反対する人々を暴力で排除しようとするなら、話は別だ。そんな狂信者は非難を受けてしかるべきであるし、法によって排除されるべき存在である。

 アメリカだけの話ではない。日本国内でも同じだ。暴力を是とする狂信者は、いかなる理由においても、どんな手段を使ってでも社会から排除されねばならない。耳を傾ける必要はない。三分の理など存在しない。全力を挙げて思う存分叩き潰せば良い。暴力主義などフィクションの中だけで充分なのだ。

※ 地下鉄サリン事件から、この日で22年でした。日記の内容も、それに引っ張られた感じがあります。何にせよ、狂信者によるテロがこの世界からなくなってくれる事を祈ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?