二年前の日記 5/27

2017/05/27

 組織犯罪対策5課は警視庁における銃器・薬物対策部署であるが、その組織犯罪対策5課が、モデルガンを改造したリボルバー8丁を所持していたとして、神奈川県厚木市の51歳の男を逮捕した。銃刀法違反の複数拳銃所持の疑いであるという。

 男は調べに対し、こう述べているらしい。

「買ったモデルガンは美しくない。改造はしたが、ぎりぎり違法ではない」

 言いたいことはわからないでもない。確かに、モデルガンは美しくない。金属製のモデルガンは銃弾が発射できないように、銃口や回転弾倉の前の部分に、いわゆる「インサート」と呼ばれる金属部品をはめ込んでいるため、どれだけ実銃に正確な寸法で作られていても、美しさに関しては本物の銃より一段劣るのだ。

 美しさだけを求めるなら、今はガスガンの方が美しいだろう。ガスガンにはインサートがないのだから。だったらモデルガンを買わずにガスガンを収集すれば良かろうものを、わざわざ金属製のモデルガンを購入して、それを改造してしまうというのが、マニアのマニアたる所以なのだろうか。

 今回はそれをネットで売ろうとしたことから事態が発覚して逮捕された訳であるが、この男には違法な改造拳銃を売ったという感覚は、本当にないのかも知れない。あくまでも自分の作品を売った、どれほど評価されるのか知りたかった、そんな感じではなかったか。その気持ちは何かを作っている者には誰にもあるものだろう。自分にもよくわかる。が、それでもダメなものはやはり売っても作ってもダメなのだ。マニアックもほどほどに、という話である。


 25日、ベルギーの首都ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議の写真撮影時、アメリカのトランプ大統領は、モンテネグロのマルコビッチ首相を押しのけて前列に並んだ。その様子を撮影した動画が、ネットで拡散されているらしい。

 まあアメリカ人としては顔から火が出る思いなのかも知れない。しかしトランプ大統領の行動を、そうそう責めてばかりで良いのだろうか。彼はアメリカの大統領である。つまりアメリカ人を代表して、国際社会におけるアメリカという国の有り様を自らが体現して見せただけなのかも知れないではないか。

 何事も自国が一番であり、自国が中心であり、その実現のためには実力行使も厭わない、アメリカはそんな国であろう。もちろんアメリカだけではないが。

 世界には最低でもそんな国が他に2つほどある。我々周辺国は、その影響力にあるときは風下に立ち、またあるときは距離を取る。状況を見、風を読みながらも翻弄され、右往左往する。モンテネグロもそんな国の一つだろう。そんな国の国民から見れば、トランプ大統領の行動も驚くには当たらない。品がないとは思うが、品格が政治をする訳ではない。つまりはまあ、今はしょうがないんじゃないの、ということである。トランプ大統領の政治的命脈もいつか尽きよう。それまでの我慢である。


 そんなトランプ政権の窓口の一つとして、報道に接しているのがスパイサー報道官であるが、彼は敬虔なカトリック教徒であるという。故にローマ法王がトランプ大統領と接見する際、自分も法王に謁見できるものだと思い、楽しみにしていたのだそうな。

 しかし実際にはトランプ大統領とローマ法王の会談に際して、彼は随行を許されなかった。これは直前になって判明し、スパイサー報道官は激怒したとCNNは伝えている。少々子供っぽい話のようにも思えるが、カトリックの人にはそれだけの重大事なのであろう。「蟻の穴から堤の崩れ」ということわざもあるが、小さなほころびが大きな惨事を呼ばないよう、遠くから祈ることとしよう。


 少し前に、「アイスバケツ・チャレンジ」という動画が流行った。バケツ一杯の氷水をかぶる様子を動画に撮影し、それをYouTubeに投稿する。そして動画の中で次にチャレンジする者を指名するのだ。指名された者は氷水をかぶるか、ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会に寄付するかを選ぶ。まあたいていは水をかぶりながら寄付もしていたようであるが。有名人も随分やっていたので、覚えている人も多いかも知れない。そこから派生して、液体窒素をかぶるとか、もうALSとか関係ない方向に走っていった者も多かった。

 そのアイスバケツ・チャレンジを発案したピート・フレーツ氏が、現在苦境に立たされているという。ALSが進行したために生命維持装置を装着し、寝たきりの状態にあるのだそうな。

 毎月の療養費は8万5000~9万5000ドル。円ではない、ドルである。日本円に直すと約950万~1060万円。1か月でだ。悪名高いアメリカの医療制度の犠牲者であるとも言えよう。オバマケアがあってもこういう例が出てくる。なくなったらどんな惨状が待っているか知れたものではない。

 アメリカの保守派は国民皆保険を「大きな政府」だの「社会主義的」だのと言って否定しようとするが、医療保険制度は国家運営の根幹であろう。自己責任にも限度がある。国民を護ろうとしない国家は長生きできまい。

 まあ、我らが日本が国民を護ろうとしているかどうかは、また別の話のような気もするのだが、とりあえず現状はアメリカよりはマシなのかも知れない。

※ 2年前の今日はトランプ大統領ネタが満載でした。折しも昨日からトランプ大統領が日本を訪れています。何かえらい楽しそうなんですが、まあそれはそれ、話すべきことを話して決めるべき事を決めて頂きたいと思います。
 モデルガンについては、強度的に脆い合金、つまり弾丸なんて撃ったらバラバラに壊れてしまうような合金でのみ作る事を認めれば、リアルで美しい銃が作れるようにも思うのですけど、ダメなのですかねえ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?