二年前の日記 3/31

2017/03/31

 WHO(世界保健機関)の発表によれば、うつ病患者の数は、世界中で3億2200万人を超えているという。その中の一人には、おそらく自分も入っている。

 うつ病による生産性の低下は世界で年間1兆ドルの経済損失を生んでいるそうな。一方、うつ病治療の受診機会の向上に1ドル投資すると、健康と生産性の向上によって4ドル相当の見返りがあるらしい。ならばうつ病関連は成長市場なのではないだろうか。世界の人口の絶対数は増えていく。うつ病患者の数も滅多なことで減るものではあるまい。うつ病の特効薬でも開発されれば話は別だが。

 うつ病は自殺とも関連が深い。高所得国の自殺者の70~80%と低所得国の自殺者の約半数には精神疾患がみられ、なかでもうつ病が最も多いとのこと。一見低所得国ではうつ病が少ないかのようにも見える数字であるが、低所得国ではうつ病以外にも自殺する理由が多岐に渡っているということなのだろう。

 まあ結局のところ、国が動かねばどうしようもないのである。WHOがいくら笛を吹こうが旗を振ろうが、各国政府がことの深刻さを理解しなければ、どんどん社会の生産性は低下し、それによって社会は歪み、一部の人間に負荷がかかり、そこからまたうつ病患者が発生し、その分生産性が低下する、という悪循環が続くだけなのだ。

 それを避けるためにはどうしたら良いか、それはまず、労働者を法によってガチガチに守ることから始めねばなるまい。精神科医の数を増やそうと、薬の承認数を増やそうと、労働者がいつまでも奴隷のままでは、悪循環からは絶対に抜け出ることはできない。

 まず労働者を守る。罰則を強化して、企業の自助努力に任せるのではなく、国が主導して労働者を国家の宝として守らなければならない。すべてはそこに始まる。もはや「生かさず殺さず」の時代ではないのだ。うつ病の問題も、内需の縮小も、少子高齢化も、すべては国家が労働者をどう扱うかにかかっていると言っていい。決断が求められているのである。


「バストUPとスリムUPを同時にかなえる」という言葉でGoogle検索をすると、とある企業の広告が一番上に出る。どうやら「プエラリア」という成分を含んだサプリの広告らしい。

 これとはまったく関係ないのだろうとは思うのだが、「バストUPとスリムUPを同時にかなえる」という表示は根拠がないとして、「プエラリア」サプリを販売していた会社に、消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出した。

 まあ、楽をして結果だけを求めるというのは、誰の心にもある隙間である。それがあること自体は責められるべきものではないと思う。楽をしたいという需要があったからこそ、様々な技術が発展したのだ。つまり人間にとって、楽をしたいという気持ちは、ある意味最大の武器である。使いようによっては。

 しかしこの、使いようによっては、という部分を自分で認識しておかないと、それはただの隙になる。サプリのカプセルを飲んだだけで、肉体の一部が発達したり、さらにはその一部を除いた部分がやせ細ったり、そんな都合の良いものがあるはずはなかろう。

 男性向けには「飲めばチンコが大きくなるサプリ」というのもよく見かけるが、これも同様である。なぜこんなものに騙されるのかとも思うのだが、騙される人間がいなければ、昔々から延々と続いているはずもない。この手の詐欺は今に始まったものではないのだ。人間の根源的な欲望なのだろう。チョロイな、と思わなくもない。

※ うつ病患者はいま現在、何人くらい居るんでしょうね。おそらく2年前よりは増えてるんじゃないかと思いますが。自分自身のうつ病を疑う機会も増えているでしょうから、早い段階で医療機関にかかる人も増えているはずです。そう考えれば、数が増える事それ自体は悲観する必要はないのかも知れません。
「バストUPとスリムUPを同時にかなえる」サプリの広告は、もう見当たりません。プエラリアを含んだ商品はまだ細々と販売されているようですが(DHCも出してるんですね)。効果が出て高い評価を得られていたのなら、こんな事にはならないでしょうから、結局ただの詐欺サプリだった訳です。でも男性向けのサプリの広告はたまに見かけますね。なお、どこで見かけるのかは秘密です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?