二年前の日記 5/29

2017/05/29

 フェミニストという言葉は知っているが、内実にはまったく疎い自分である。だから初めて見た「黒人フェミニスト」という言葉は単にフェミニストで、人種が黒人である、というだけの意味だと思ってしまった。しかし実際はフェミニズムと人種問題を絡めて問題を提起する人々らしい。

 その黒人フェミニストたちが、7月にパリでフェスティバルを開催する予定になっていたのだが、パリ市長がその中止を求めた。反差別団体も非難しているという。何故ならそのフェスティバルは、会場のおよそ8割が黒人女性のみが利用できることになっており、黒人男性も入れる場所と、全ての人種に解放されている場所とで残り2割を占めるという。つまり事実上「黒人以外お断り」なのである。AFPはこれを「白人お断り」と記事タイトルにしているが、これは問題がある。東洋人の存在を考慮していないからだ。「黒人以外お断り」と「白人お断り」では意味が違う。いずれ訂正されるかもしれない。

 まあともかく、黒人オンリーのフェスを開くのは、それ以外の人種に対する差別であり、認められないというのがパリ市長や反差別団体の言い分だ。理屈としてはわかる。わかるのだが、これ難しい問題じゃないかな。黒人に限らず、全ての人種には「同じ人種同士で集まる自由」はあるのではないか。自由と平等はどちらが優先されるべきなのか。もちろん、公共の施設を使わなければ勝手にすれば良い、という意見もあるだろう。だが公共の施設を使わなくても反差別団体は文句をつけてくるような気がする。そしてその文句にも正当性はあるだろう。差別は社会から排除されるべきものだ。できるかどうかは別として、方向性としてはそれしかあるまい。しかしその差別排除の行動が自由を侵害するのであれば、それは果たして認められるべき行為なのだろうか。

 まあ落としどころとしては、フェスの主催者側が譲歩して、「黒人以外も参加可能(でも居心地が悪い)」くらいで開催されるのではないかとは思うが、そこに至るまでに一悶着あるだろう。胸に止めておきたいと思う。


 そのフランスで、先般バゲットコンクールが開かれたそうな。何じゃそれ、と思って少し調べてみたのだが、結構有名らしい。文字通りバゲット、つまりあの長いフランスパンのコンクールであり、日本国内で「バゲットコンクール優勝の店のパンが食べられる」ことを謳い文句にした店もあるようだ。とは言っても今年で4回目ということなので、歴史という点ではあまりない。

 そのバゲットコンクールで、今年は日本人女性が優勝した。フランス東部グラン・テスト地域圏のメルツヴィラーのベーカリーで働く成澤芽衣さんで、日本人として、というよりフランス人以外で、さらには女性で、初の優勝となった。

 どこの世界にも頑張っている人は居るものである。こういうニュースを見聞きすると素直に応援したくなる、というのはちゃんとした人である。己の駄目さ加減を思い知らされてすねてしまうのは、自分と同類になってしまうので注意されたい。


 スリランカの洪水は、死者151人、行方不明者111人となり、被害は拡大中の模様。現地ではまた大雨が降る予報が出ているのだそうな。いまはとにかく早く天候が落ち着いてくれることを祈る。


 27日、秋田県仙北市の山林でタケノコ採りをしていた女性が熊に襲われ死亡したが、この女性は熊よけの鈴を複数身につけていたのだそうな。秋田県内では鈴を身につけていても熊に襲われるケースが相次いでいるという。さもありなん、である。熊だって学習する。音の鳴るのが楽に襲える獲物だと気づいたということではないか。

 動物生態学者は熊よけの鈴は逆効果になると、そろそろ大きな声を出すべきではなかろうか。少なくとも秋田県にいる人食い熊には効果はないのだ。熊よけの鈴を作っている業界からは反発があるかもしれないが、人の命の方が大事である。あといい加減、熊を駆除するまで山林への立ち入りは禁止すべきだろう。なぜ行政がのんびりしているのかわからない。優先順位がつけられないのか。仮に山林への立ち入りを禁止できる直接的な法律がないのだとしても、他のあらゆる法律やら条令を駆使して、何としても事実上の立ち入り禁止にすべきだ。これは行政の責任である。

 熊とて生き物である。殺すのは忍びない。だが人間が人間の命を最優先に考えられなくなれば、人間社会は崩壊する。それがエゴであっても、生き残るためにはそうするしかないのだ。これは生存競争である。勝ち残らねばならない。自然保護も動物愛護も、人間が生き残ることが前提なのだから。

※ 自然環境保護にとってもっとも有効な手段は人類を滅亡させること、というのは昔から言われ続けていますが、いまだこれを上回る解決策は提示されていません。結局の所、人間には次善の策しか取れないのです。クマの問題もそうですし、それ以外の問題も同様です。クマを殺すな、という人たちはベストを求めますが、本当にベストなのはあなたが死ぬ事なのですよ、という点を理解すべきだと思います。

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