二年前の日記 12/15

2017/12/15

 アメリカのボーイング社といえば、言わずと知れた航空機業界の巨人であるが、いまちょっとしたピンチに立っているという。

 ボーイングは数多くの戦闘機を作っている。FA18『スーパーホーネット』もその一つである。そのFA18を18機、金額にして52億3000万ドル(約5900億円)也をカナダに売る話があったのだが、カナダ側がそれを撤回した。カナダはその代わりに、オーストラリアから中古のFA18を購入することにしたらしい。どうせFA18を買うなら新品の方がいいんじゃないのとも思うのだが、カナダ政府としては引くに引けない事情があるようだ。

 カナダにはボンバルディアという航空機メーカーがあるのだが、この会社がアメリカの航空会社デルタ航空に、不当に安く旅客機を売っているとボーイングが申し立てた。ボンバルディアもデルタ航空も不当な貿易行為を否定しているにもかかわらず、アメリカ商務省はボンバルディアに300%の予備関税をかけている。カナダ政府はこの申し立てを取り下げない限りボーイングとの取引を停止するとトルドー首相自らが公言しており、今回それを実行した訳だ。

 そして今度はそのデルタ航空が、ボーイング社と『737MAX10』約100機の購入に向けて話し合いを続けていたのを撤回、エアバス社から『A321ネオ』を約100機購入する方針に切り替えたという。デルタ航空は理由を明言してはいないが、普通に考えてボーイングの申し立てに腹を立てているのであろう。ボーイングとしては一度の申し立てで2つのビッグビジネスを失ったことになる。これは大失敗ではないか。
 もちろんこれだけのことでボーイングが潰れたりすることはないのだろうが、社員の給料くらいは目減りするかもしれない。口は災いの元ということだろうか。


 インドのビハール州に住む夫婦に子供が産まれた。健康な赤ん坊だったが、お腹が日に日に膨らんでくる。病気を疑った夫婦が複数の病院に診せたところ、ある医師は膀胱肥大と言い、別の医師は腫瘍だと言ったという。そこでウッタル・プラデーシュ州のバラナス・ヒンドゥー医科大学病院で診断を仰いだところ、腎臓肥大と判断され、手術を受けることになった。そして執刀医が開腹したところ、何と赤ん坊の腹の中に、別の赤ん坊がいた。人間マトリョーシカか。

 これは胎児内胎児という現象で、本来双子の兄弟として生まれるはずだった細胞を片方が取り込み、体内に寄生させる形で育ったものだという。世界で200例ほどが報告されているのだそうな。

 赤ん坊の中から生まれた赤ん坊は900グラム、目や皮膚も正常であり、母胎となった赤ん坊(ややこしいな)とともに、いまは集中治療室にいるそうだ。何かブラックジャックで見たような話だ。というか、こういうときに例えとしてすぐ出てくるブラックジャックって凄いよなあ、と改めて思うところである。


※ この後ボーイングの737MAX8型機がインドネシアとエチオピアで墜落する事になる訳ですが、型番の違いはあるにせよ、デルタ航空はエアバスにしておいて良かったと考えたかも知れません。何が幸いするか世の中わかりませんね。

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