二年前の日記 12/20

2017/12/20

 世の中には話を混ぜるのが好きな人々がいる。「それはそれ、これはこれ」が通じないのだ。面倒臭いことこの上ない。

 河野太郎外務大臣が、来年度予算での外相専用機の導入の必要性を訴えたのだが、その発言を報じる際、産経新聞は「おねだり」と書いた。また時事通信はその理由について「夜の空港待ち、耐えられぬ」とタイトルにした。非常に悪意があると感じる。河野外相はマスコミに嫌われているのだろうか。仮にそうだとしても、こうも恣意的に事実をねじ曲げるのはどうかと思う。年間に外国を訪問する回数が中国に比べて極端に少ないことに危機感を覚えているという話なのに、なぜ外務大臣の個人的なことに話をまとめたがるのか。

 また、これらの報道を真に受けてしまったのか、河野外相を批判する声もある。twitterで散見されたのは、「生活保護を切り下げて飛行機を買うのか」といったものだった。生活保護費の切り下げは確かに問題だ。真面目に働いた給料より生活保護費の方が多い、というなら、真面目に働いてる人の給料を上げることが先決であり、生活保護費を切り下げたって何の解決にもならないのは明白であるからだ。ただ、それと外相専用機の必要性の問題を一緒くたにして何か意味があるのだろうか。

 河野外相が「生活保護をもっと切り下げて飛行機を買え」と言っているのなら、批判されるのは当然だ。だがそんなことは言っていない。外相専用機の必要性と、生活保護費の切り下げは、まったく別の問題だ。それはそれ、これはこれの典型である。何故これがわからないのかがわからない。twitterは所詮その程度のもの、と言ってしまえばそれまでだが、書き込む前にもう少し考えてみても良いのではないかと感じる。関係のない話を混ぜても、誰も幸せにはならないのだから。


 アメリカの国防総省がUFO(未確認飛行物体)について2012年まで極秘裏に調査していたことがわかった。しかしこのプログラムが2012年で完全消滅してしまったのか、その後も形を変えて継続されているのかは、『謎』であるという。

 この秘密プログラムが開始されたのは2007年――意外と最近である――からで、民主党のハリー・リード元上院議員の要請によって始動し、年間2200万ドル(約25億円)の予算が投じられたという。

 このプログラムでは脅威の見極めを目標として、軍のパイロットが飛行中に遭遇した出来事を記録した音声や映像、未確認物体、およびそうした物体と物理的に遭遇したという人物の体験談について研究していたとニューヨークタイムズが報じた、とCNNが報じている。又聞きか。

 まあお金のあるところは良いな、というのが素直な感想である。そのUFO予算が裏で何に使われているのかは知らないが、そんな建前でお金を使えるのは羨ましい限りである。

 自分は異星人はいると思っている。しかし同時に地球には来ないだろうとも考えている。来たって仕方ないし、来たなら来たで姿を隠す理由がないからだ。

 しかしCNNの報道によれば、このUFO研究プログラムの責任者を務めていた政府の元高官ルイス・エリゾンド氏は、

「私の個人的な確信として、宇宙にいるのが我々だけではない可能性を裏付ける、極めて説得力の高い証拠がある」
「そうした(我々が呼ぶところの)航空機は、現時点で米国のものでも外国のものでもない特徴を有している」
「一見した限りでは航空局からのフライトサービスもなければ推進形態もなく、人間のような生物が感じる健全な重力を超越した驚異的な操縦を行っていた」

 などと語っているらしい。ホンマかいな。そんな証拠があるのなら是非公開してもらいたい。そうすれば喜んで手のひらを返させてもらうのだが。

 とは言え、夢のある話であることは間違いない。もうこの話はこれ以上突っ込まずに、このままフェードアウトした方が八方丸く収まって皆幸せなのではないだろうか。そんな気がする冬の午後である。


 自分は車に乗っているが、車に興味を失ってから随分経つ。基本的に天井の高い軽自動車ならもうそれで充分だ。燃費は多少気になるが、もはや加速もレスポンスもどうでも良くなっている。年老いたものである。

 まあそんな感じなので、車の見た目も全くどうでも良い。基本的に洗わないし、ワックスもかけない。傷がついていたって気にしない。完全に道具、いわゆる下駄代わりになっている。

 さてレニュマックスという商品があるという。全く知らなかったのだが、通販番組などで大々的に売り出しているらしい。何をする商品かと言えば、車の傷を目立たなくするもので、塗るだけで簡単に傷が消えると謳っているのだそうな。しかし使ってみても全く傷が消えなかったと消費生活センターに苦情が殺到し、消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)として通販会社に再発防止を求める措置命令を出すに至った。

 まあハッキリ言って詐欺である。傷のリペアを自分でやったことのある人ならわかるだろうが、塗るだけで簡単に傷が消えるような物などない。車体の傷を消したいのなら、ヤスリで削って、上から塗料を塗って、最後にコンパウンドで磨く、ここまでが基本的に最低限のワンセットだ。傷の深さによってはパテも盛らなくてはならない。

 ボディカラーに合わせたクレヨンのような物を塗り込むという手もあるが、あくまで一時しのぎである。恒久的に傷を消したいのなら、基本通りにやるしかない。これ以上楽な方法などないのだ。

 それを塗っただけで傷が隠れるなど、騙される方も悪いとまでは言わないが、手品でもあるまいに、あり得ないであろうことは冷静に考えればわかると思うのだが。まあコーティング効果のあるシャンプーで洗えば、ボディ表面のうっすらとした擦り傷が目立たなくなるというくらいならあるかも知れない。言い換えればその程度が限界なのだ。あまり基本を無視して楽をしようとすると、この手の詐欺に引っかかることになる。注意をされたい。


※ レニュマックスはいまでも売られています。品質が改善されたのかは知りませんが、Amazonでは低評価ですね。まあ、手を出すのはやめといた方が無難だと思います。

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