二年前の日記 3/27

2017/03/27

 自分は社会の寄生虫である。社会のお情けで生かしていただいている身分であり、そのことは重々承知しているのだが、改めてそこをあげつらわれると、さすがに良い気分はしない。

 ベラルーシ共和国はかつてソヴィエト連邦を構成していた東欧の国であるが、この国では年間の労働日数が183日を下回る国民に対し「寄生者税」が課税される。金額は460ベラルーシ・ルーブル(28000円くらいか?)であり、払えない者は身柄を拘束され、社会奉仕活動などを強制されるという。「働かざる者食うべからず」の原則を、税制に当てはめた訳だ。

 ただ、それならベラルーシ国内に十分に仕事があるのかと言われると、そうではないらしい。つまり失業者は仕事にもつけず、政府から一方的に金をむしり取られるという状態であるそうな。さすがにこれにはベラルーシの市民も怒り、反政府デモが始まった。

 当初は拘束される者はほとんどいなかったのだが、デモが増えるにつれ拘束者も増え、25日にはデモが始まる前に機動隊が投入され、1000人余りを拘束、力尽くで解散させたという。

 非情に良くない傾向である。ネットの無かった昔ならともかく、今は情報など一瞬で拡散する。デモを潰しても潰しても、いわゆる「消すと増える」状態になるのは目に見えている。火に油を注いでいるだけなのだ。いずれ国の混乱は政府のコントロールが効かないレベルに達しよう。政権の退陣くらいで済めば良いのだが。


 フィリピンのマニラにある軍事施設「キャンプ・アギナルド」において、25日、1942年に起きた日本軍対フィリピン・アメリカ連合軍の戦いの再現イベントが行われたのだそうな。これは4月9日の「勇者の日」75周年を記念して行われたらしいが、日本国内の反応を見ていると、どうも不快に思っている者が結構いるようである。日本軍が敵役だからか。

 自分的には別に構わんと思うのだが。日本国内の祭でもあるだろう、たとえば地元の戦国武将を主役に見立てた「〇〇の合戦の再現」みたいなのは。あるいは毎年毎年、吉良上野介を悪者に仕立てた「忠臣蔵」をテレビや映画でやっているではないか。同じことだと思うのだが。

 まあ快不快は個人の感覚なので、「不快に思うな」とは言わないが、少なくともフィリピンを非難するようなことではない。あまりにも大人げないと思う。

※ 結局ベラルーシの寄生者税は2018年に廃止されたようです。それでも労働していない市民は行政サービスが割高になったり、個人データが収集されたりするそうで、住みにくそうな国だなあとは思います。世の中下を見てもキリがないのですけどね。

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