二年前の日記 6/28

2017/06/28

 中国人劉暁波氏は1989年の六四天安門事件のリーダーの一人であり、2010年のノーベル平和賞受賞者である。2010年2月に「国家政権転覆扇動罪」で懲役11年の刑に処され服役中であったが、末期の肝臓がんと診断され、このたび仮釈放となった。

 これには長年劉氏の釈放を中国に働きかけてきた欧米諸国が喜んだ。中国が少しだけ歩み寄ったかに思えたのだろう。ところがである。北京の病院は、劉氏の治療を拒否した。手術も放射線治療も化学療法もできないと言われたのだそうな。現在は遼寧省の病院に入院しているという。

 産経新聞は「政治的誅殺疑う声も」と見出しに書いているが、疑う声も、は要らない。政治的誅殺そのものである。まあ生きたまま犬の餌にされたり、高射砲で木っ端微塵にされたりしないだけ、北朝鮮よりは幾分文明国家的であるとも言えるが、本質的には大差ない。邪魔者は殺すのが当たり前の国なのである。

 一部の人に言わせると日本は既に独裁国家らしいのだが、本物はやはり格が違う。ノーベル賞など屁とも思っていない。独裁国家とはこうでなくては。人の命に重みのある独裁国家など恥ずかしくて独裁国家とは呼べない。日本を独裁国家と呼ぶ人々は、日本も早く中国のようになれるよう、安倍首相にお願いしてみてはどうだろう。安倍首相にそれだけの政治力があるというのなら、願いは叶うかもしれない。自分は無理だと思っているのだが。


 大阪サウスゲートビルディングはJR大阪駅に接続する地上27階の高層ビルであるが、昨日その16階から飛び降りた男がいた。何故16階だったのだろう。屋上よりも飛び降りやすい構造になっていたのだろうか。とにかく男は16階から飛び降りた。しかし、このビルの15階はテラス状に張り出しており、そこではビヤガーデンが開かれていた。16階から15階までの高さがどれくらいあったのかは不明だが、即死する高さではなかった。一旦落ちた男は再び立ち上がり、改めて15階から飛び降りて、今度は死亡した。

 一度失敗しても即座に死に直す、というのはよほど死に対する執着が強かったのだろう。言い換えればそれだけ辛いこと苦しいことがあったのやもと思うのだが、思いはするのだが、それでも一言で言い表すなら、やはり迷惑としか言いようがない。

 特に可哀想なのはビアガーデンの客だ。せっかく日頃の憂さを晴らそうとビアガーデンに繰り出したというのに、人が落ちてくるのを見て、そして更に落ちていくのを見せられたのだから。トラウマになってもやむを得まい。しばらくはビールを飲むのにも勇気が要ることだろう。飲んでも美味いとはもう二度と感じないかもしれない。はた迷惑な話である。

 しかし結局のところ自殺の原因は何なのだろう。遺書はまだ見つかっていないらしいが、やはり死ぬのなら遺書を書き記しておいてもらいたいものだ。遺された家族が誰に対して損害賠償を請求して良いのやら、遺書がなければ判断が難しい。場合によってはビアガーデンの客が慰謝料を請求することもできるかもしれない。やはり遺書は大事である。

 まあ自分もいままで生きてきて、一度や二度は自殺を考えたこともあるのだが、思えばそのときは遺書を書いていなかった。今度死ぬことがあったのなら、なるべく遺書は書いておこうと思う。


 かの改変コピペで有名なイエス・キリストの台詞、「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい」はヨハネによる福音書8章にある。この話はイエスの言葉に良心の呵責を感じた人々を描くことで、イエスの高潔さ、高邁さを語っているかのような印象があるが、実際にはイエスを陥れようとするユダヤの律法学者やパリサイ派の人々の策略を、イエスがとんちで打ち負かすという、一休さん的な話が主題である。言い負かされてぐうの音も出ない律法学者やパリサイ派の人々を想像し、当時のキリスト教徒が溜飲を下げていたのは間違いなかろう。

 さて、埼玉県の越谷市に幼稚園があるのだが、その近隣に住む53歳の男が、暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕された。幼稚園に包丁を持って侵入し、「楽器がうるさい」と脅迫したということらしい。

 確かに、幼稚園というのはうるさいものである。楽器も使うだろうし、それ以前に子供の声が大変にうるさい。ただ、それは誰でも通過してきたことではないか。「子供の頃に騒いだことのない者だけが、包丁を手に持ちなさい」と言われたら、この男はどう反応したのだろうか。

 そもそも、幼稚園がうるさいのは日中のことである。夜中の2時3時にうるさい幼稚園などというものはまずない。子供が騒ぐのは昼から夕方にかけての時間帯であろう。何でそんな時間に家にいるのだ。夜勤なのか。もしそうではないと言うのなら、世間様に向かって文句が言える立場ではないのではないか。ましてや包丁を持って脅迫などして許される立場では絶対になかろう。もう幼稚園児ではないのだ。いい歳こいたオッサンなのである。立場くらい理解しても良かったのではないか。まあそれが理解できないからこその事件なのかもしれないのだが。何故だろう、胸が痛い。

※ 安倍首相は自民党をまとめる事に関してはとても有能な方なのでしょうが、それ以外にこれといって何かずば抜けた能力があるとも思いません。大言壮語や公私混同の激しい傾向はありますが、独裁者になるにはイロイロ足りないんじゃないでしょうか。たまにヒトラーと比較する人がいますが、非常に無理があると思います。

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