二年前の日記 3/28

2017/03/28

 自分は無駄にいろんな業界で働いた経験があるのだが、旅行業界はほとんどない。だから、件の「てるみくらぶ」の破産については何とも言いにくい。

 ただ一昨年から経営状態が悪くなっているのに、ついこないだまで入金を受け付けていたというあたりの感覚が、どうもよくわからない。代金99億円を受け取っておきながら、その大半が返金できないというのは、ずっと自転車操業状態にあったという事ではないのか。そこまで酷くなる前に、手の打ちようはあったろう。

 明らかに返せないし旅行にも行けないことがわかっていながら金を受け取っているのであり、詐欺をするつもりなどなかったと口では言っても、やってることは詐欺同然である。資金繰りに奔走したのだが駄目だった、ってそりゃ東芝や三菱自動車ではないのだから、ただの格安旅行会社に何十億円も融資してくれる銀行などある訳がない。だいたいその融資をどうやって返すのだ。踏み倒すこと前提の融資が受けられるのが当たり前だと思っているのか。

 しかし海外に既に出ている2500人に自力で何とかしろというのは怒るのを通り越して呆れ返ってしまう。帰りの航空チケットについては政府がなんとかしたようだが、その便に乗るまでの間のことはどうすれば良いのか。どこまで本当か不明だが、ホテルから放り出されたという話も流れているし、何かあったら謝罪だけでは済まないことになる。まあ何もなくとも謝罪だけでは済まないだろうけど。

 さて、どうやって収拾をつけるのだろうか。とりあえず自分は海外旅行になど行く可能性は無いに等しいので、高みの見物である。


 アメリカ・アイダホ州の高速道路で、女性の運転する車がシカとぶつかった。これだけならよくある話である。日本では電車がシカを轢いて運行が遅れることがときどきある。だが、女性は警察にこう供述した。自分が事故を起こしたのは、シカを追っていたサスカッチに気を取られていたからだと。

 サスカッチはアメリカにいると言われるUMA(未確認生物)で、大型の類人猿とされる。ビッグフットとほぼ同一と考えても良いらしい。そのサスカッチがシカを追っている姿をみかけたものだから、ついミラーで確認しようとしたら、シカにぶつかってしまった、女性はそう言ったのだそうな。

 しかし警察は取り合わなかったのだとか。まあ、警察の気持ちもわかる。サスカッチだのビッグフットだの、いちいち信用していたらキリがない。だいたいこれだけ文明が発達して、入るな、とわざわざ警告されている場所にまで人が入り込んで問題になる時代に、サスカッチもビッグフットもモスマンもジャージーデビルも見つかっていないのである。そんなものはいないと考えるのが普通ではなかろうか。

 ただそれでも、もしかして、何かの間違いで、そんな生き物がどこかに生き残ってはいないだろうか、そう考えるだけで何か優しくなれるような気がする。UMAは永遠にUMAのままでいてくれた方が、それを信じる人々の精神衛生上良いのではあるまいか。

 なお、車両損壊事故の原因がサスカッチだとした場合、保険の等級が変わったり、支払われる金額が増減したりするのかは知らない。

※ ありましたねえ、てるみくらぶ。この頃だったんですね。結局海外で放り出された人たちは、みんな無事に帰ってきたんでしたっけ。昨年の7月に社長が懲役6年の実刑判決をくらったのは知っているのですが。お金を騙し取られた人たちは、まあ泣き寝入りでしょうか。酷い話でした。
 それに比べれば、アメリカのサスカッチはほのぼのニュースですよね。警察の人は「知らんがな」と言いたいでしょうけれど。

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