二年前の日記 9/16

2017/09/16

 今年も岸和田だんじり祭が始まった。雨の中の開催となったが、岸和田祭の日に雨が降るのは珍しいことではない。しょっちゅう降っている気がする。本日は宵宮であり、そして明日は本宮なのであるが、言うまでもなく明日は台風18号が関西を直撃する。しかし関係者は「可能な限り祭を行いたい」と言っているそうだ。まあそうだろう。岸和田の人間ならそう言う。岸和田において、祭が出来ない状況などというものは、ほとんどない。それこそ核ミサイルでも落ちてこない限り、可能と判断するだろう。そういうものだ。

 もちろん台風が直撃すれば観光客は激減する。まして台風の中、祭を強行開催して死人でも出たら、祭のイメージが悪化してしまう。と、普通ならば考えるところなのだが、残念ながら岸和田は祭に関しては普通ではない。そういったことを気にせずに当たり前のように祭を行ってしまう危険性が極めて高い。

 またオーバーなことを、と思われる方もおられるかもしれないが、これがまったくオーバーな話ではないのだ。岸和田の人間にとって祭はエンターテイメントではない。血に刻まれた本能の発露なのである。よって明日の本宮も中止にはならない気がする。まったく因果なものだ。

 自分が今住んでいるのは岸和田市の隣の貝塚市であるが、貝塚市にもだんじり祭はある。と言うか、元々岸和田祭と貝塚祭は同じ一つの祭だった。江戸時代には岸和田市と貝塚市の大部分は岡部岸和田藩の領地であり、その農民たちが五穀豊穣を祝って米俵を積んだ大八車を岸和田城内の神社へ持ち込んだのがだんじり祭の起源なのである。

 自分が子供の頃は岸和田祭と貝塚祭は同じ日に行われ、岸和田のだんじりが貝塚市内を走り回ったりするのも普通だった。それが今のように別々に行われるようになった主な理由は警備面であったように思う。そんなこんなで貝塚市民の気風も岸和田市民に近い。が、しかし、だ。そんな貝塚市民から見ても、岸和田市民の祭にかける情熱というのは普通ではない。あいつらはちょっと違うと思わざるを得ない。岸和田とはそういう地域なのだ。

 そんな訳なので、明日は岸和田方面には近づかない。まあ台風が通過するまでは家からも出ないかも知れないけれど。自分のような祭が嫌いという少数派の存在にとっては、9月10月の秋祭りの季節は毎年辛い物がある訳だが、こればかりはもう仕方が無い。息を潜めて隅っこの方でおとなしくしているしかない。厄介な厄介な。


※ 今年の岸和田祭は14日宵宮、15日本宮でした。例年通り人的被害も出ていますが、例年通り行われた模様。まあそういうものなので仕方ないですね。貝塚祭は来月です。何日でしたっけか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?