二年前の日記 1/10

2018/01/10

 ペロッ「これは水銀!」と眼鏡の小学生が言ったかどうかは知らないが、加熱式タバコに水銀を注入し知人の男性を殺そうとした男が、滋賀県警捜査一課に殺人未遂の容疑で逮捕された。調べに対し容疑を認めているという。

 男性は男からもらった加熱式タバコを吸っていたところ、頭痛やろれつが回らなくなるなどの中毒症状を示し、病院に運ばれた。

 自分はタバコを吸わない。昔若い頃に吸ってみようかとチャレンジしたことはあるのだが、やはり合わなかったようで吸わないまま今日に至る。だから加熱式タバコにも興味はなかったし、その仕組みも知らなかった。ましてや殺人の道具に使えるなど思いも寄らなかったので、このニュースには驚いた。よくこんなアイデアを思いついたな。どこで仕入れたんだろう。自分で考えついたのだとしたら、かなり柔軟な頭の持ち主だと思われる。

 ただ水銀は毒物としてはかなりメジャーである。病院で調べれば苦もなく検出されるだろう。完全犯罪には向かない。しかしバレても構わない、対象に死の苦しみを味合わせられればそれで良い、もし可能なら死んでくれたらベスト、くらいが目的だとするのなら、これは効果的な方法である。

 問題は、致死量の水銀をいったいどこから入手できるのか、といったところか。普通の薬局では売っていないし、水銀使用の体温計もいまどきないだろう。専門の取扱業者にツテでもない限りこの手は使えない。今回捕まった容疑者の男は、いったいどこから水銀を手に入れたのか。その辺は警察は公表しないかも知れないが、気になるところである。


 マンドラゴラ、もしくはマンドレイクといえば、フィクションの世界ではお馴染みの魔法植物である。根が人間の形をしていて、引き抜くときに叫び声を上げる。これを聞いた者は死んでしまうので、マンドラゴラを引き抜くときには犬を使う。犬をマンドラゴラに紐で結びつけ、充分に距離をとってから、犬を呼ぶのだ。すると走り出した犬に引っ張られてマンドラゴラは抜ける。叫び声を聞いて死ぬのは犬だけだ。動物愛護精神豊かな現代人には許しがたい方法だが、そのように伝わっているのだから仕方ない。

 さて、兵庫県の南あわじ市(要は淡路島南部だ)にある「淡路ファームパーク イングランドの丘」では今、マンドラゴラの花が咲いているそうだ。え、マンドラゴラって実在するの、と思う人もいるだろうか。実在するのである。もちろん、引き抜いても叫び声など上げない。ただ強い毒性があるので、取扱は注意が必要である。

「そうか、マンドラゴラの汁を加熱式タバコに注入すれば!」

 と思った人、それは案外ありかも知れない。マンドラゴラの毒素はアルカロイドなので、モルヒネなどと同様、加熱することで吸引出来る可能性はある。ただ、致死量のマンドラゴラを集めようと思ったら、水銀と同様大変なのではないか。そこら辺の花屋ではマンドラゴラは売ってないし。世知辛いことを言うようだが、そんなことに労力を使うくらいなら、鉄パイプとか金属バットとか包丁とかを買いに行った方が安いし確実である。伝説の魔法植物だからといって、あまり多くは求めない方が良いと思う。


 成人式の当日、予約してあった振り袖を着ようと着付け会場に行ったら業者に連絡がつかずに大パニック、というのが「はれのひ」事件の簡単な顛末であるが、成人の日だけでは事は終わらず、現在進行形で日に日に問題が大きくなっている。

 横浜市や神奈川県警、警視庁などへの相談は450件にのぼるという。「はれのひ」には粉飾決算の疑いがあり、また京都などの着物問屋に7、8000万円の売掛金が残っているようであるし、メルカリに大量の振り袖が出品されていたという話も出ている。いずれ計画的詐欺の疑いも取り沙汰されよう。

 ただ、着物の世界というのは昔からアレであった。会社名など出すと問題があるだろうからその辺は言及しないが、営業社員が毎日朝礼でぶん殴られていたとか、客を騙してでもいいから契約を取ってこなかったら吊し上げられるとか、おかげで高額な給料で営業社員を募集してもどんどん人が辞めていくとか、そういう話がゴロゴロ転がっていた業界である。今更ちょっと大規模な詐欺をやったからといって業界全体の信用を心配するのはどうか。元々ないものを心配しても仕方あるまい。

 何にせよ、行方をくらましている社長を見つけ出す事が先決であろう。海外に逃亡しているという説も出ているが、早いとこ探し出して金を押さえないと全部使い切られてしまい、被害者救済どころではなくなってしまう。警察の迅速な対応が期待されるところである。まあ、正直もう金は戻ってこないだろうなとは思うのだが。


※ はれのひ事件が2年前でした。社長は逮捕され、裁判で実刑判決が出ましたが、去年1月に控訴しています。当然の如く、被害者にお金は戻って来ませんでした。

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