二年前の日記 8/23

2017/08/23

 美容整形外科医の高須克弥氏が民進党の有田芳生参議院議員を告訴すると息巻いている。いわゆる「しばき隊」が高須クリニックのことを「ナチスクリニック」と喧伝していたそうで、そのしばき隊の頭目が有田議員であるという話があることから、有田議員を告訴するという事態に向かって進んでいるらしい。

 高須氏はついこないだまでナチスを礼賛していたとして各方面から叩かれていたはずであるが、それを逆手に取った形だ。反撃するなら一点突破と考えたのかも知れない。しかし良い所に目をつける。やはり地頭が良い人間は目端が利くのだろう。有田議員には、以前より交友関係に不審な点があるとの話が時折出ていた。それが裁判という形で白日の下にさらされるというのは、なかなかに興味深い。まあテレビは報じないであろうが。

 有田議員の存在は民進党にとってはアキレス腱ではないかと自分は考えているのだが、民進党はどう対応するつもりだろうか。ただ民進党のアキレス腱は他にも幾つもあるようなので、そのうちの1つなど簡単に切り捨ててしまうのかも知れない。

 高須氏は民進党の大西健介衆議院議員と蓮舫元代表を名誉毀損で訴えていたが、そちらの方はどうするのだろうか。二正面作戦で行くのか。

 それにしても高須氏の民進党への裁判攻撃は見ていて痛快でさえある。しかし同時に、危うさも感じる。裁判という国民の意思が国家をも裁く重要なシステムが、一人の金持ちの玩具にされてしまっているかの如き印象を持つ者も少なくなかろう。そうではない、というのであれば、高須氏はイメージ戦略を練り直す必要があると思う。市民団体や大学教授などが国を訴えたりするのは割とよくあることなので、医者が政党を訴えることもそれと同様である、といった抜け道などは模索できるだろう。

 などと自分がここで何を言ったところで高須氏に影響を与えるとは思わないが――Twitterでやれば多少は影響を与えるかもしれない――別段影響を与えたいとも思っていないので、特に問題はない。とりあえず野次馬としては、盛り上がってくれれば良いのである。


 さて一方の民進党であるが、22日、党首選挙の候補者である前原議員と枝野議員が日本記者クラブで公開討論会を開いたそうである。その際、枝野議員は、先般民進党を離党した国会議員に対し、次の選挙では対抗馬を立てるべきだと発言したという。

 これをマスコミは「刺客」と表現しているが、果たしてそこまで大層なものになるのかどうか。そもそも刺客となり得るような名の通って選挙に強い候補が、いまの民進党に何人いるのだろう。また、それを支える自民党のような大きな組織力がある訳でもあるまいに、人材の無駄遣いになるのではないか。それより比較的勝てそうな選挙区に集中して人員を配置して、党の規模がこれ以上小さくなることを何とかして食い止める方が現実的なのではあるまいか。

 その点、対抗馬について明言を避けた前原氏の方が賢明であると思う。まあ正直、どっちが党首になっても民進党が立ち直るとは思えないのだが、それでもさすがに「枝野党首」はないだろう。オウンゴールを繰り返して、どんどんドツボにはまっていく未来が見えてしまう。民進党員の方々は、くれぐれも冷静に判断していただきたいと願うところである。


 昨日は北米大陸を横断する形で皆既日食が見られた。全米各地ではお祭状態であったという。フィーバーという懐かしい言葉で報じていたマスコミもあった。

 そんな状態であったから、知らん顔もできなかったのだろう、トランプ大統領もホワイトハウスから表に出て、日食――ワシントンDCでは部分日食だったらしい――を眺めたのだが、その際裸眼で太陽を見ようとして周囲に止められたらしい。

 曲がりなりにもアメリカ合衆国の最高権力者である。真似をする馬鹿が現れてもいけない。周囲が慌てるのも無理はないのかもしれないが、逆にそのままやらせてみて、悪い見本として大々的に報じてはどうか。「太陽を裸眼で見るのは目を傷つけるので危険です」と言うよりも、「太陽を裸眼で見ようとするのはこの人くらいです」と書き立てた方が、いろんな意味で危険意識が広まるかも知れない。

 反面教師であれ何であれ、アメリカ国民の役に立てればトランプ氏も本望であろう。立ってる者は大統領でも使えばいいのである。


※ この後何やかんやあって、枝野氏は立憲民主党の党首となりました。それで一時は左派の希望の星だったのですが、その後またグダグダとしつつ現在に至っています。一方の前原氏はとんと噂を聞きませんね。結局どっちもどっちだったのでしょうか。

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