二年前の日記 5/31

2017/05/31

 毎日ネットを漁っていろんなニュースを取り上げて、イロイロ小理屈を捏ねていると、自分は結構物知りなんじゃないかと思えてきたりすることもあるのだが、実のところ見落としていることの方が多い。何かの拍子に気づいて、ああ、言われてみればその通り、まったく気づかなかった、これは恥ずかしい、ということがままあるのだ。ノリエガ氏のこともその一つである。

 29日、パナマの病院で、マヌエル・ノリエガ氏が死亡した。83歳だったという。パナマの反米独裁者ノリエガ将軍と言えば覚えている人も多かろうが、1983年から1989年までパナマ共和国を支配した人物である。ちなみにパナマは中米と南米をつなぐ、あの一番細い部分にある国だ。

 自分は彼はとっくに亡くなっているものだと思い込んでいた。だが頭の中を探ってみると、言われてみればノリエガ氏の死亡のニュースに触れた記憶がない。リビアのカダフィ氏は確かに死んだはずだし、ベネズエラのチャベス氏も死んだ。キューバのカストロ氏はこないだ死んだばかりだ。金正恩委員長はまだ生きているが、果たしてあとどれくらい生きられるだろう。とにかくアメリカの敵はどんどん死んでいる。だからノリエガ氏もとうに死んでいるものだとばかり思い込んでいたのだ。怖い怖い。自分の老化を認めるのは大変に怖いものである。

 ノリエガ氏は脳腫瘍で亡くなったそうだが、年齢を考えると大往生であろう。アメリカとしては面白くないかもしれないが、まあこれは仕方ない。パナマ国民としてはどうだろう。お悔やみ申し上げた方がいいのだろうか。この辺がよくわからないところである。


 今年の1月5日、青森県三沢市内のビニールハウスの中に、丸刈りの女子高生がいるのが見つかった。通報を受けた警察が事情を聞くと、「前夜から闇の中をみる修行で公園にいた。寒いので暖をとっていた」という。女子高生は警察に保護され、今月30日、44歳の母親と、35歳の自称霊能者の女が逮捕された。逮捕された2人が容疑を認めているのかどうかについては、報道機関によって違いがあるので言及しないが、とりあえず「修行の一環だった」とは言っているようである。

 自分は霊能力や超能力の存在を否定するものではない。あって欲しいな、とは思っているし、どこかに本物はいるかもしれないとも思っている。だが、同時にこうも考えている。「我々が人生の中で出会う霊能力者・超能力者の99%以上は偽物である」と。

 本物の霊能力者や超能力者がいたとして、自らがそうであると名乗る者はいない。人間とは社会を構成して生きる動物である。周囲と協調しなければ生きていけない。他人と違うという事実は、それだけでストレッサーになるのだ。

 もちろんバビル二世や超人ロックのレベルの超能力でも持っていれば、自ら名乗り出たくもなるだろう。だがスプーンを曲げたり、サイコロを転がしたり、タバコの吸い殻をテレポートさせる程度のことしかできないのなら、黙っていた方が利口であろう。

 自分は過去に自称超能力者や自称霊能力者に会ったことがあるが、みな喋りが達者だった。良く言えば自己表現能力が非常に高かった。だから偽物と言うつもりはない。しかし口に長けていれば、相手は信じやすくなる。そもそも霊能力者・超能力者に会おうなどとする者は、たいてい信じたいという気持ちを持っているのだ。そこをくすぐられれば、簡単に信じ込んでしまったりもするのである。霊能力者、超能力者、予言者、占い師の類いにはそういう人物が多いのではないか。

 繰り返すが、自分は霊能力・超能力を否定する気はない。だが信じるに足る霊能力者・超能力者などこの世に存在しない。そんな異能の存在を受け入れられるほど、この世界は包容力に満ちていないからである。


 高安関が大関になった。照ノ富士関以来2年ぶりの大関誕生である。自分は相撲に関してはテレビで見るだけのまったくのド素人であるが、それでも高安関は威風堂々として見えるし、成績も安定している。いままで大関じゃなかったのが不思議なくらいの相撲を取っていると思う。高安関には安定して数字の残せる強い大関に、そしてできればいつかは綱取りに挑んでいただきたいと願うところである。

 ところでちょっと前に全勝優勝して、綱取り挑戦か、と一時期騒がれた豪栄道豪太郎さんはすっかり影を潜めてしまったが、どうしたのだろう。先場所は横綱日馬富士関を破って9勝したというのに、存在感ゼロになってしまった。やっぱり大関なら最低でも二桁は勝たないといかんのじゃないか。応援してるんだよ、頼むよ。

※ ノリエガ将軍が亡くなったのが2年前ですか。覚えてないものですねえ。いま中南米でアメリカの敵といえばベネズエラのマドゥロ大統領でしょうか。現状何とか踏ん張ってはいますが、早晩失脚しても不思議はないです。ノリエガ氏やカストロ氏やチャベス氏に比べると、小物感が漂っていますし。

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