二年前の日記 10/30

2017/10/30

 NNN(日本テレビ系)の世論調査で、内閣の支持率が低下し、支持を不支持が上回ったことがわかったという。まあ、さもありなん。みんないい加減自公政権には飽きているのだ。飽きてはいるが、実際的なことを考えると与党に投票せざるを得ない。経験のあるクズと経験も実績も能力もないバカのどちらに国の運営を任せるのかと問われたら、考えるまでもあるまい。

 よく安倍首相の批判者はヒトラーという言葉を使いたがるが、ここがヒトラーとの大きな違いである。ヒトラーは国民から熱狂的な支持を得て政治の実権を握った。しかし安倍首相にはそんな熱狂はない。安倍首相を無批判に支持している人間など、国民のごくごく一部である。大多数は仕方ないから自民党に投票しているのだ。票は入れるが支持はしないという人間がたくさんいても何も不思議はない。

 なお今回の調査結果を受けて、普段NNNの調査など「御用マスコミの調査はあてにならない」と取り上げようとしない人々が、手のひらを返すことは必然だ。そういうのを眺めて楽しむのもまた、政治に関心を持つことの一つである。あまり難しく考える必要はないと思う。


 最近日本は先進国か発展途上国かという議論を時折目にするようになった。そんなもんどっちでもいいんじゃねえの、と自分などは思うのだが、一部の人にとっては重要なことらしい。

 さて、イギリスのテリーザ・メイ首相は29日、国会議員の行動に関するルールを厳格にするよう、議会に申し入れたという。きっかけは、ある保守党下院議員である。この議員が2010年、自らの女性秘書に金を渡し、ポルノショップでバイブレーターを買わせたことを、英紙デイリーメールにすっぱ抜かれたのだ。

 何というか、オッサンの考えることは洋の東西を問わないのだな、と思う。買ってきたバイブレーターを受け取ったときの、この議員のニヤニヤ顔が目に浮かぶようである。

 おそらくこの手の問題は、日本でもあることなのではなかろうか。しかし日本ではなかなか話題にならない。批判的な人はそういう点を指摘して、日本の後進性を糾弾するのであろう。だが今回のようにマスコミが議員をセクハラで吊るし上げる文化を持つにも関わらずセクハラがなくならない英国は、果たして先進国と呼べるのだろうか。見え方が違うだけで日本と大差はないのではないだろうか。

 まあセクハラにしてもいじめにしても差別にしても同じことだが、人間の根源的な部分に関わる行為は、無くそうと思っても無くならない。大事なのは無くそうとする努力を継続することであって、見えなくなることではない。そう考えると、努力の継続ができる国が先進国なのかもしれない。

 もっともそれなら、努力だけ続けて結果が全く伴わなくても良いのかという疑問が出てくるだろう。だが結果だけを追い求めると、今度は数字上は減少するものの、程度がより深刻かつ悪質になったりする。イタチごっこである。

 だから思うのだ。先進国かどうかなど、どうでも良いことではないのかと。皆がいがみ合わなくても笑って暮らせる社会が作れれば、定義上発展途上国でも問題あるまい。世界のリーダーである必要などない。何ならもう一度鎖国したって構わない。もちろんそれは鎖国して国が守れればの話であるが。

 こういうことを考えていると、結局アメリカのトランプ大統領の言う「アメリカファースト」に行き着く。日本とアメリカでは国際社会における立場が違うから、アメリカに孤立主義に走ってもらうのは実際のところ迷惑なのだが、気持ち的には理解できる話である。短絡的のそしりは免れないのだろうけれど、それで平和で安全な社会が実現できるのであれば、純血主義で多様性に欠けていても良いではないか。

 だが現実は複雑である。多様性とは「認めた方が良いもの」ではなく、「受け入れざるを得ないもの」だろう。こんな極東の島国に、1億人以上の人間がひしめき合っているのだ。多様性を無視して暮らすなど、すでに無理な状況だと理解するしかあるまい。いつまでも世界の片田舎であり続けることはできないのだ。ならば、結局先進国になるしかないのだろうか。とりあえず、なろうとする努力は続けざるを得ないのだろう。本当になれるかどうかは別として。


 フランス領ギアナは南米大陸北東部に位置するフランスの海外県である。なお西隣にはスリナムがあるが、そのさらに西隣にはガイアナ共和国がある。ちょっとややこしい。そのギアナに、フランス本国からマクロン大統領が訪れた。そこで地元住民との写真撮影に応じたとき、マクロン大統領は大麻の匂いに気が付いたのだそうな。

 以前にも書いたが、フランスにおいて大麻の使用は本来違法である。しかしその罰則は形骸化し、フランスの街角のあちこちでは大麻の匂いがプンプンしているという。だから当然マクロン大統領も大麻の匂いを知っていたのだろう。もしかしたら過去に吸っていた経験もあるのかもしれないが、それは言っても仕方のないことだ。ただ今回のことを笑い話か何かのように報じるのはどうかと思う。明らかな違法行為がなされているのを、国のリーダーが目の当たりにしながら放置しているというのは、あまり褒められたことではない。

 とはいえ、フランスにも事情はあるのだろう。ギアナではフランス本国との格差が酷く、住民の間に不満が溜まっているとの話もある。フラストレーションの捌け口として、大麻の使用くらいは黙認しないと危険だという判断があるのかもしれない。それもまた褒められたことではないのだろうが、現実的な対応とも言える。

 日本ではこうは行くまい。それが良いことなのか悪いことなのかは別として、日本人はどこでも日本式を通そうとする。郷に入っては郷に従えという言葉もあるにはあるのだが、大日本帝国軍の時代からそれはあまり重視されていない。

 もう少し柔軟性を持っても良いように思うのだけれど、いつでもどこでも真面目に愚直にしっかりかっちり自己犠牲を求めてしまう。しかしその結果が今の日産や神戸製鋼であると考えると、やはりこれも褒められたことではないのだろう。もう少し全体的に融通を利かせても良いのではないかと日本社会には思うところである。


※ 安倍内閣の支持率は、この頃に比べて上がっているのではないでしょうか。ため息は出ますが、「そんなはずはない!」と叫ぶつもりもありません。いまの日本は、あらゆるところで人材が不足している感があります。いろんな意味で教育に失敗したのでしょう。これを取り戻すのは、生半可な事ではないと思います。

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