二年前の日記 11/21

2017/11/21

 アメリカは北朝鮮をテロ支援国家に指定した。9年ぶりの再指定である。ああ、言われてみれば指定を外してたんだっけな、という感じだ。アメリカはずっと北朝鮮に制裁を科し続けているから、テロ支援国家の指定から外れているという実感がなかった。NHKでも実質的な制裁強化というよりは、象徴的な指定、いわばイメージ戦略的な意味合いが強いと報じられている。

 ただ、これを北朝鮮がどう受け取るのかは不明である。もしかしたら静かに無視するかも知れないが、逆にもの凄い過剰反応を示すかも知れない。出方がわからないのはかなり怖い。どうかアメリカも北朝鮮も、そして日本も冷静な対応をしてもらいたいものだと思う。


 ドイツの政治は外から見るとわかりにくい。それは政党名をイニシャルで呼んでいることと無関係ではないのではないか。CDUとかSPDとかAfDとかFDPとか、どれがどれやらピンと来ない。やはり漢字は偉大だな、と思う。

 9月の選挙で与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は第一党となり、選挙には勝利した。しかし連立を組んでいたドイツ社会民主党(SPD)とは決別したため、自由民主党(FDP)と緑の党(ここはイニシャルじゃないのだ)との連立を模索していたのだが、19日、FDPが連立交渉から離脱した。CDU・CSUとしてこの先取るべき選択肢は、緑の党と連立して少数与党となり政権を樹立するか、再選挙を行うかの2つである。

 FDPが交渉から離脱した経緯は明らかになっていないが、難民問題の取り扱いによる混乱が大きな理由であったと言われている。難民の受入数に上限を設けたいCDU・CSUに対し、緑の党が反対したのだそうな。現実の見えていない政党というのはどこの国にもいるのだろう。

 だったら緑の党以外と連立を組んではどうか、と思う向きもあるだろうが、それなりの議席数を確保している政党であと残っているといえば、日本における日本共産党的立ち位置の左翼党か、移民・難民排斥を主張する右派ポピュリズム政党であるドイツのための選択肢(AfD)だけである。

 CDU・CSUとしては、どちらとも手は組めない。特にAfDは撲滅すべき敵だ。何せ移民や難民をドイツから追い出せという連中なのだから。これまでドイツの移民・難民政策を主導してきた与党としては、敵視する以外にない。したがって実際の所、緑の党以外に連立を組める相手がいないのだ。

 ではもう一つの選択肢、つまり再選挙を行うというのはどうだろう。これもできれば避けたいはずだ。何せついこの間選挙をやったばかりでイメージが悪い。しかも昨今の情勢を鑑みるに、右派のAfDが議席を伸ばす可能性が少なからずある。それは絶対に阻止しなければならない。現在すでにAfDは議席数で第3党である。もしこれ以上増えることがあったなら、その『国民の声』は無視できなくなる。

 つまりあれも駄目、これも駄目な八方塞がりな状態なのだ。果たしてどんな解決策があるのだろうか。アンゲラ・メルケル氏は4期目の政権を担えるのだろうか。EUの屋台骨であるドイツがどんな道を進むのか、予断を許さぬ状況である。


 オウム真理教の地下鉄サリン事件が1995年、今から22年前である。現在の、いわゆるオウム信者の中にはこの事件を知らない世代もいるだろう。事件そのものがでっち上げだ、陰謀だと主張する者もいるかも知れない。

 人間は一度信じてしまうと厄介なのだ。自分の信じていることを否定されるのは自身を否定されるのと同じだと感じてしまい、激しく拒絶する。住めば都ではないが、信じ込んでその世界に安住してしまうと、それがどんな突拍子もない教えでも、そこに平穏を見いだしてしまう。カルトにはまった人間をそこから救い出すのは、生半可なことではない。

 現在、元オウム真理教の信者は3つの団体に分かれている。「Aleph」「ひかりの輪」「山田らの集団」である。3つめはそんな感じの名前の政党があった気がしたが、まあそれはともかく、何ともしぶとい。20年ほどで3つになったということは、あと20年もたてば6つになっているかも知れない。信者数だってこれから増える可能性がある。将来に不安の多い時代だからこそ、宗教に頼る人も増える。アリジゴクのように大きな口を開けて待っているところに、不安を抱えた人が近づいてしまったら、ひとたまりもないだろう。

 公安調査庁は20日、上記3団体への団体規制法に基づく観察処分の更新を公安審査委員会に請求した。当然であろう。信者もある意味被害者であるとはいっても、その行動は監視されねばならない。いまの日本には神仏など山のようにいる。どうしても宗教に頼りたいのなら、オウム以外にすべきである。浅原彰晃こと松本智津夫は救世主でも何でもない。と言っても届かないのではあろうが。


 関連情報と言うのもおかしいかも知れないが、かつてアメリカでカルト教団を率い、無差別殺人を繰り返したチャールズ・マンソン被告が獄死した。83歳だったという。この男に関しては詳しく解説しているサイトも多かろうし、特にここでは触れないが、松本智津夫もいずれこうなる。何も起こさずただ死ぬのである。何故ならただの人間だからだ。


 量子コンピューター、という言葉を見るたび佐野量子を思い出す。浮気な亭主を持つと大変であるな。

 国立情報学研究所、NTT、東京大学などが参加した国のプロジェクトチームは、国産初の量子コンピューターを開発したと発表した。量子コンピューターの定義もよくわからないので、これが本当に量子コンピューターと呼べる物なのか、自分にはまったく答えられないのだが、まあ国がそう言ってるんならそうなんだろう。

 とりあえず理化学研究所のスーパーコンピューター『Shoubu(菖蒲)』の100倍くらいの計算速度であるという。何か雑な情報だなあ。NHKと産経新聞と朝日新聞の記事を読んだのだが、全体的に情報が雑である。NHKが比較的詳しいかな。たぶん担当記者も量子コンピューターが何なのか、よくわかっていないのだろう。ならばそれを呼んで日記を書いている自分になど理解できようはずもない。まあ仕方ない。

 とにかく、この量子コンピューターは世界中の研究者が利用できるよう今月27日から無料で公開されるらしい。常温で使えるということと、消費電力が極めて小さいということが売り物のようなので、従来のスパコンからの置き換え需要があるのではないか。家庭用のPCが量子コンピューターになる時代はまだまだ先だと思うけれど、当面はインターネットの遅滞がなくなってくれれば良いな、程度の期待はしている。て言うか、他に何を期待して良いのやらわからん。


※ ドイツはこの後シュタインマイヤー大統領が仲介に乗り出し、一度連立を離脱したドイツ社会民主党(SPD)が連立に復帰する事で翌年3月になんとか第4期メルケル政権を樹立しました。しかしメルケル氏の求心力は低下し、以後の地方選挙では与党の敗北が続いています。
 松本智津夫はご存じの通り、昨年の7月に何も起こす事なく処刑されました。まあ、当たり前なのですが。
 国産初の量子コンピューターは、量子コンピューターではなかった、という事で決着しました。何かもうグダグダです。とりあえず大手メディアが先端技術に関して報じるに当たって、専門家に確認を取らないというのは面倒臭いのかやる気がないのか。何ともはや。

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