二年前の日記 8/16

2017/08/16

 フランスのマクロン大統領の就任100日目の節目が近づいている。しかし、その支持率は落ち続けているらしい。大統領に就任した頃の支持率は60%を越えていたのだが、最近のある世論調査では36%だったという。まだこれといって目立った仕事をしていない割には結構高いよな、と自分などは思うものの、フランスの日刊紙「フィガロ」には、「気持ちは冷めた」と書かれたそうだ。

 まあ問題は支持率36%の内訳である。「マクロンは良くやっている。満足だ」と思う人々が36%居るのなら、この先支持率を巻き返すこともあるだろう。逆に「まだ3か月ちょっとだし、判断するのはちょっと早いのでは」という消極的支持者が36%居るのなら、今後もどんどん支持率は下がるだろう。まあ、どちらか一方しか居ないというはずはない訳で、双方の割合がどんなものかによって今後出て来る数字の意味が変わってくるのではないか。

 この3か月の間に有力閣僚が次々に辞任したり、選挙中の言葉を翻して妻をファーストレディー扱いにしたりと、失点ばかりが目立つ格好になってしまったが、それでもまだ3割を超える支持率があるのは立派ではないか。何だかんだ言っても、フランスはEUの主要メンバーであるし、EUはアメリカやロシアや中国といった大国に比肩する大きな勢力である。難民問題で弱体化が避けられないとはいえ、まだまだ頑張ってもらわねばならない。捲土重来を期待している。


 そのフランスでは最近、子供のマリファナ中毒者が増えているという。このCNNの記事を読んで、ん? と思った。フランスではマリファナは違法のはずだからだ。

 ヨーロッパではオランダのようにマリファナが吸えるところもあるが(厳密にはオランダでも違法だったはず)、フランスは日本と同様に、吸うことはもちろん、所持や栽培も禁じられている、非常にマリファナに対して厳しい国であると以前調べたときに思ったのだが、調べ直してみるとそうでもなかった。何か日本人がタバコを吸うような感覚で、早いヤツは中学生くらいから吸い始め、それを警察に見つかっても厳重注意くらいで済むのだという。

 一応法律上は禁錮とか罰金何千ユーロとか決まっているのだが、どうもその法律が現実から乖離し形骸化してしまっている現状らしい。要はフランスでは、その気さえあればマリファナくらいどこでも吸えるものなのだそうな。そりゃそんな状態なら、子供の手にも届くだろう。

 その結果、2004年から2014年までの期間において、マリファナの吸引で重篤な中毒症状を起こし緊急治療室に搬送された6歳未満の子供が235人に上ったという。うーん。微妙な数字である。滅茶苦茶少ないとは言えない数字だが、とんでもなく多い訳でもないような。とは言え増加傾向にあるのは間違いないようなので、対策は必要だろう。

 と、そこで出て来るのが、マリファナを合法化した上で規制しようという声である。その方が合理的だと言うのであるな。だが現在でも法は禁じているのであろう。ならば全面禁止にしてしまえばいいと思うのだが、何故それができないのか不思議だ。まあ日本でもヤクザを全面禁止に出来ないのだから、同じようなものなのかも知れないが。


 ティファニーとは元々薄い紗の織物という意味の名詞であるらしいが、いま主に使われるのは人名か、もしくは宝飾品のブランド名である。まあ、いまどき「ティファニーの指輪」と聞いて紗で出来た指輪や、ティファニー氏がしている指輪と解釈する者は滅多に居まい。

 会員制量販店として有名なコストコがティファニーという言葉を使って婚約指輪を販売していたのは消費者に誤認を与える行為だったとして、2013年にティファニー社がニューヨーク連邦地裁に提訴、地裁は14日、コストコ側に総額1930万ドル(約21億円)を超える損害賠償をティファニー社に支払うよう命じる判決を下した。

 さすがアメリカ、賠償額がもの凄い。しかしその金額を別にすれば、ティファニー側が勝訴したのは妥当な感じがする。

 もちろん、コストコでティファニーの指輪を売っている、と本当に誤認した客がいたかどうかは疑わしい。うちの近所にコストコはないのでイメージでしか語れないが、要は規模のデカいコーナンみたいなものだろう。え、違う? でもでっかい量販店なのだろう、だったらコーナンだ、コーナン。コメリでもケーヨーD2でもいいけど。

 とにかくそんな所でティファニーという言葉を使って指輪を売っていたからといって、あのティファニーの指輪であると思うのは、普通に考えれば思う方に問題がある。だから実際に誤認して指輪を購入した客はごく少数だったろう。とは言えブランドにはブランドイメージというものがある。量販店でティファニーの名前を使われることによって、そのイメージが毀損されたと考えれば、ティファニーが怒るのももっともであろう。それでも21億円というのは凄いと思うが。

 なお判決では賠償金の他に、今後コストコは商品に「ティファニー」という単語を単独で使ってはならないという命令も出たのだが、「ティファニースタイル」などのように複数の単語をくっつければ使っても良いらしい。これは融通が利くと言って良いのだろうか。


 お菊さん、と言えば怪談番町皿屋敷である。夜になると井戸の中からお菊さんの幽霊が出て来て一枚、二枚、と皿を数えるのだ。で、十八枚まで数えて「明日はお休み」と言うのであるな。

 まあそれはともかく、その幽霊のお菊さんを描いた掛け軸が見つかったのだそうな。作者は鏑木清方、自分でも名前くらいは聞いたことのある有名な画家である。関東大震災で焼失したと思われていた作品が、ネットオークションで見つかったのだという。見つけた方はさぞ驚いたろう。さすが幽霊、神出鬼没と言える。

 しかし映像を見たが、雰囲気のある良い絵である。加えて高名な画家が描いたとなれば、お菊さんの絵でなくとも評判になったろう。いや、敢えてお菊さんを描いたからより良い絵だと感じるのだろうか。何とも不思議な感じの、実物を見てみたいと思う絵であった。

 いまこの絵は東京都台東区の寺院「全生庵」で展示されているという。近隣の方は見に行ってみてはどうだろうか。

※ コストコは近くにあったら行ってみたいですよねえ。アメリカンサイズの食品があるそうなので、上手く買えば節約になるかも知れません。でも近くにないので諦めて業務スーパーで満足しています。

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