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「北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」感想

2024年03月23日(土)から06月09日(日)までSOMPO美術館で開催されていた北欧の神秘に行ってきた。


展示会情報

■北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画
会期:2024年3月23日(土)~9月9日(日)
会場:SOMPO美術館
開館時間:10:00 - 18:00(金曜日は20:00まで)
入場料:1,600円(一般)
アクセス:JR新宿駅西口から徒歩5分
展覧所要時間:1時間

sompo-museum.org/exhibitions/2023/magic-north/

好きだった作品たち

ヨーロッパの北部をおおまかに表す北欧という区分は、一般的にノルウェー、スウェーデン、フィンランド、 デンマーク、アイスランドの5か国を含みます。このうち最初に挙げた3か国はヨーロッパ大陸と地続きに ありながらも、北方の気候風土のもとで独特の文化を育みました。

https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/01/magic-north_pressrelease.pdf

北欧にもヨーロッパにも行ったことがないけど、絵画は見たことがあるから、違いを少しでも感じたい、という気持ちで全体を見るようにした。

I 自然 の力
19世紀後半、ヨーロッパで興隆した象徴主義は、北欧の絵画にもいち早く浸透した。 その背景にあった急速な工業化と都市開発は、やがて原始の状態への回帰、あるい は自然との調和という理想を人々の胸に呼び起こした。この自然への関心の高まりと 並行して、北欧独自の絵画を探求する画家たちは、母国の地理的、気象的特徴に注 目した。雄大な山岳や森、湖といった自然風景、そして北方の地に特徴的な現象であ る夏季の白夜、太陽が昇らない冬の極夜、そしてオーロラが多くの作品の題材となっ た。四季に応じた自然の変化は魅力的な主題となったが、特に冬の光景は北欧を特 徴づけるものとして好んで取り上げられた。

https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/01/magic-north_pressrelease.pdf

工業化と都市開発が進んできたことがきっかけで逆に原点回帰に向かうのは面白いと感じた。やっぱり皆、なくなってから有難さ、貴重さ、恵まれているものに気づくのだろうか。

水面がきれい。昔岐阜の山奥の川によく遊びに行っていたけど、あそこもこんな感じだったな。人が全く入り込んだ感じがしないという感じではなく、人が水を使用しつつ、大切にしている様子が伝わってくる。

日本ともヨーロッパとも違う風景。そこでしか描けない作品のよう。ジブリ作品のハウルの動く城でも同じような情景をみた記憶がある。そのときは夜で明かりが周りになくて本来なら真っ暗なのだけど、流れ星がたくさん飛んでいて、流れ星の明かりが氷に反射してきらきらとしていた。
いつか温暖化で溶けてなくなって、人が入れなくなってしまうのかと考えると、絵画に残すって大事なんだと思った。

女性の後ろ姿がきれいだった。柔らかくてしなやかな女性らしいラインが魅力的だった。足腰の骨格が少しヨーロッパとも違くて、面白かった。下半身の肉付きが違うのかな。左下のは半月かな。

II 魔力の宿る森
19世紀のヨーロッパでは国家的、民族的アイデンティティへの関心が高まる中、各地で 急速に失われていく土着の伝統文化が着目されるようになった。北欧の芸術家たち は、国際的な芸術的動向に目を向けると同時に、母国の文化的伝統に強い関心を抱 き、土地に伝わる民話や伝承から着想を得た。北欧の民話やおとぎ話は、北欧神話、 およびフィンランドの民族叙事詩『カレワラ』として知られる一連の物語から大きな影 響を受けている。これらの物語の多くが舞台とするのは深い森であり、そこは魔法 や呪いが効力をもち、人や動物ではない存在が住まう場所である。未知の冒険や神 秘体験へと誘う神話やおとぎ話の世界は、北欧絵画を特徴づける主題となった。

https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/01/magic-north_pressrelease.pdf

土地に伝わる民話や伝承を後世に残すためのツールとして絵画が残っている。昔は今よりもっと森が管理されていなくてどう猛な動物がたくさん歩き回っていただろうから、子どもが近づかないように恐ろしい造形で書いたのかな。

ノルウェーの画家テオドール・キッテルセン(1857-1914)は、自然 の神秘的な側面に着目し、動物やトロル、妖精の登場する物語をイ マジネーション豊かに描いた。本作は、トロルと囚われの姫を描い たもの。姫がトロルの体のシラミを取り、トロルは眠っている。そこ へ少年アスケラッドが、姫を救出しにやってくる。

https://www.sompo-museum.org/wp-content/uploads/2024/01/magic-north_pressrelease.pdf

トロルのおどろおどろしさと対象に、姫とその後ろの窓から刺さる光が美しかった。

暗闇の中の光が幻想的で、ぼやぼやとした森の背景と対比して馬の姿かたちがはっきりしていてよかった。静かにこっそりと移動している感じが伝わってくるのは、馬の歩幅が狭く落ち着いて移動しているのと、おじいさんが後ろから付いてこれるような速さなのと、石の上を移動していること(早く移動はできないはず)が伝わるから?

素敵な作品たちはまだまだあったけど、撮影ができたものだけピックアップしました。
北欧の絵画、見たことがなかったけど、すごくよかった♪♪


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