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サントリー美術館「名品ときたま迷品展」感想

Q.これはどちらのメイヒンでしょう。

展示会概要

サントリー美術館が所蔵しているたくさんの美術品の中から、特に素晴らしい名品と、ちょっと変わった「迷品」を集めた展示会。

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2024_2/index.html

名品
日本の歴史や文化にとって大事な美術品や工芸品。たとえば、昔の絵画や陶器、茶道具など。

迷品
ちょっと変わった作品や、普段あまり見ない珍しいもの。見る人に「なんだこれ?」と思わせるようなユニークなもの。

美術に詳しくなくても楽しめ、名品の美しさに感動したり、迷品の面白さに驚いたり、いろいろな視点から美術を楽しむことができる素敵な展示会になっていた。

展示会情報

■サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品
会期:2024年6月15日(土)~9月15日(日)
会場:サントリー美術館
開館時間:10:00~18:00、金曜日・土曜日は10:00~20:00(入室は閉室の30分前まで)
入場料:2,000円(一般)
アクセス:
・東京メトロ千代田線乃木坂駅「3番出口」より徒歩3分
・東京メトロ日比谷線六本木駅「4a出口」より徒歩8分
・都営大江戸線六本木駅「7番出口」より徒歩5分
展覧所要時間:1.5時間
※撮影禁止

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2024_2/index.html

メイヒンたち

現代蹴毬界の「スター」  ≪鞠・鞠挟≫

学芸員のささやき
このような毬挟の形式はほかに類例がなく、本作以上に状態が良く形の美しい物も、もう残っていないのではないかといわれています。これぞ、現代の鞠制作者が目指す理想の姿ともされ、実は人知れず羨望を集めている、現代蹴鞠界の「スター」といえる作品 です。

展示会より「学芸員のささやき」

これが現代蹴毬界の「スター」。そして今でも毬は作られているのか。
紙風船で昔遊んだ記憶はあるけど、違うのかな。

と思ったところで少し毬について調べてみたら
毬についてこの方が詳しく語っていてすごくわかりやすかった。

私も貴族のように蹴毬で遊んでみたい。


魔よけの椿 ≪椿彫木彩漆笈≫

笈・・・修験者(しゅげんじゃ)や行脚僧(あんぎゃそう)などが仏具・衣類・食器などを入れて背負う、あしつきの箱。きゅう。

学芸員のささやき
冬にも緑の葉や花をつける椿は、その生命力から魔除けとされてきました。そして笈は、修験道において、修行者を育む母胎としてイメージされたもの。本作では修行を経て仏として生まれ変わるその日まで、母なる笈が修行者の身を守るという願いを込めて、椿が彫り表されたものとみられます。

展示会より「学芸員のささやき」

アニメで昔の修行僧が旅をするときに背負っているものが「笈(きゅう)」と呼ばれるそう。デザインが素敵で、五分くらい立ち止まって見入ってしまったが、これは国宝なのだそう。お坊さんも、どうせ重たいのなら意味があり、愛着が持てるものを背負いたいだろうなと考えた。

若くして母の元を離れ、修行に出なければならなかったのであれば、とても辛かっただろう。お坊さんたちは本当に、笈が母となり、守り神となり、支えてくれるという気持ちで旅を乗り越えたのかもしれない。


尼の恋 ≪おようのあま絵巻≫

≪おようのあま絵巻≫
1人貧しく暮らす老法師の草案に日用品を商う「御用の尼」という老女が訪れ、身のまわりの世話をする若い女性を紹介しようと言う。しかし、結局は自分が老法師の妻になるという悲喜劇。絵は建物の遠近法が無視され、全てがアンバランス。このいびつさによって物語に滑稽味が増している。

作品解説

一番好きだったメイヒン。
構図が見事あべこべで、こんな作品は今まで美術展でみたことがなかった。老法師が若い女性を紹介するという老女に惑わされ、結局老女と結ばれてしまうという話なのだが、
「老女…そんなに好きだったのね!」。逞しく策士な老女に少し微笑ましい気持ちになった。だって好きなんだもんね。いいよね。

この見事に残念な絵がまた愛らしく、応援したくなってしまった。

(詳しい作品の解説はこちらにありました。)

https://www.suntory.co.jp/sma/collection/tobira/21/









さいきん骨董品をよくみるようになって、少しずつ良い悪いがわかってきてうれしい!

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