なぜ、マロオケが船橋で公演することになったのか?
ちょうどあと一週間で、マロオケ船橋公演です。4月28日(土)がその日ですから。
サントリーホールで東京初公演をやって、その2年後に船橋で公演することになったのは、何よりも運がよかったと言わねばなりません。
コンサートを開催するのはとても大変なことで、それは莫大な金がかかるという震えあがるほどのリスクたっぷりな理由に加え、コンサートホールを確保するのも簡単でなく、さらにマロオケの場合はメンバーにそれぞれに所属のオーケストラがあり、スケジュールをまとめるのが難しいからです。
そういった事情を考えると、やはり数年は時間がないと、ということになります。
昨年の今頃、つまり東京初公演から一年後でした。船橋市民文化ホールから、「開館40周年記念のため、マロオケでコンサートをやってもらえないか」と依頼が来ました。
実はホールはこの記念コンサートをいくつかの在京プロオーケストラに打診したようですが、どうやらうまくまとまらなかったようです。
そして、マロオケに依頼することになったのですが、如何せん、マロオケはメンバーがゴージャスで、バイオリン奏者のほとんどはプロオケのコンサートマスターだし、その他のパートも各プロオケのトップ奏者ばかり。
在京プロオケでまとまらなかったのに、そのトップ奏者が集まるマロオケなどもってのほかで、間違いなく断られるとホールの担当者は思いながら、ダメ元でわたしのところに連絡をしてきたとのことでした。
わたしはすぐにやりたいと思い、気持ちは高ぶりましたが、マロさんがやると言わないとこればかりは実現しません。その頃、ちょうど熊本で5回目のマロオケ公演があったので、熊本県立劇場の楽屋でマロさんに船橋からの依頼の話をしたのです。
マロさんは「やるよ」と即答でした。
実は、曲目は船橋から話が来たその晩、興奮していたわたしはこの3曲で決まりだ!と勝手に決めていて、それがモーツァルトのハフナー、メンデルスゾーンのイタリア、そしてベートーヴェンの7番だったのです。
シューベルトの未完成かグレイトもいいと思いつつも、ほとんど迷いなく3曲で演奏会のイメージができあがりました。
モーツァルト、メンデルスゾーン、ベートーヴェンはマロオケの最も得意とする作曲家。コンサートは開館40周年記念というお祝いだから、オープニングはド派手に行きたい。ハフナーの出だしはそれに相応しいと思いました。それにハフナーは、東京初公演のモーツァルト6大交響曲のときに第25番を優先したために外した曲だったのです。
ですから、ハフナーに関しては少し未練があり、マロオケで実現したかったのです。それにハフナーはマロオケはまだ演奏したことがありません。
自分では完璧なプログラムだと一方的に思いつつも、これも演者のマロさんがオッケーでないといけない。熊本の楽屋でこの3曲で行きたい、と話すと、
「いいね!」
と、すぐに決まりました。
オッケーだと自信はありましたが、それでもマロさんが「いいね!」と言ってくださったときは安心しました。
やはりコンサートはプロデュースと演者の気持ちが合致していることが求められるからです。「これを聴きたい!」と「これを弾きたい!」がしっかりとつながっているのは大事なことです。
そういうわけで今回のプログラムは、マロオケの魅力をたっぷりと味わえるものになりました。サントリーのときは、ガチでモーツァルトだけに挑んだコンサートでしたが、今回はモーツァルトに加え、メンデルスゾーンの色っぽさ、ベートーヴェンの男臭さをマロオケが演奏すればどのようなものになるかを堪能いただけます。
さて、今回のコンサートですが、何よりも船橋市に感謝申し上げたいです。
先に述べましたようにコンサートをするのはとても大変なことで、そう容易にできるものではありません。
しかし、船橋市の市民文化ホールが申し出てくれたおかげで、マロオケ公演がまた実現することになりました。
本来であれば、1000席のホールでS席が8500円というのはマロオケを公演するには採算上、一般企業では不可能です。しかし、今回は開館40周年記念事業として、船橋市民をはじめ、できるだけマロオケの演奏をお楽しみいただきたいというホール側の思いで、この値段になりました。
通常のクラシックコンサートと同じくらいだと思われるかもしれませんが、最大でも1000人しか入れない上、マロオケというトップ奏者をそろえるための予算を考えると、これは破格です。
また高校生以下(未就学児童は入場不可)はS席でも2000円という通常では考えられないサービスで、船橋市のホールとしてできれば若いうちにいいものに接してほしいという気持ちでやっております。
船橋市の納税者でないわたしは、今後、船橋には足を向けて寝られないわけですが、次はいつできるかわからないマロオケを聴きに船橋にお越しいただきたいと思っております。
そうなんです。マロオケは常設されたオーケストラではないので、企画が立ち上がらないと公演されないので、公演そのものがとても貴重なのです。
船橋と縁ができたマロオケ。4月28日に聴いておかないと、今度いつになるのかわかりません。一生に一度くらいのチャンスですので、どうぞ船橋までお越しください。
チケットは、船橋市民文化ホール(047-434-5555)まで。月曜が休館なので、あと数日しかありません。
チケットぴあ、イープラスもご利用ください。これらはコンビニで発券できます。
結美堂マロオケ窓口(070-6477-6335)にご連絡いただいても構いません。
マロオケ船橋公演をどうぞよろしくお願い致します。感動は保証致します。わたしは来ないひとを後悔させたい意地悪な気持ちでおりますから。
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