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人生で一度は心で読みたい記事

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#小説

短編📕忘れられた自分

今、私の家では私に興味を持った人がいない。 嫌いとか、そういう事ではなくて。 一番辛いであろう『どうでも良い』という感情だ。 いつも大切な場面に自分は居ない。 周りが気付いていなくても私は分かっていた。 行事で残す記念写真、いつの間にか撮り終わっていた。 兄の小さい頃の写真のアルバムは6冊で、私は2冊。 これから先の事を決める話合いも、すでに行われた後に結果だけ知らされる。 引っ越す時は駅まで40分歩くところを15分と伝えられた。 それでも、ついて行くしか道は無い。 ご飯を

泣きたい時に読む小説「追憶の彼方」

オーディオノベル版は↓のYouTubeを見てね.ᐟ.ᐟ プロローグ私は今日も8時半に会社に到着し、いつものように自分のデスクに向かった。 転職してから半年、だいぶこの会社にも慣れてきたところである。 私は斎藤加奈子、27歳のOL。イラストデザイン関連の会社に勤めている。 パソコンを起動するとすぐにメールチェック。 主任からの返信はまだない。 ふと時計を見ると、もう9時を回っているというのに、主任である白川拓海の姿が見当たらない。 いつもなら30分前には出社して

自信がない 準備がすべて 手塩にかけ 腕によりをかけ 毎日コツコツ お金や物 誰かのせいじゃない 見る目を持つ やさしさを引き出す準備 すべてを和わせ ハーモニー 味は 見るもの、出るもの、感じるもの 何度も、何度も やがて我が家の味になる