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SMAP「Can't Stop!!-LOVING-」1991.9.9


2020年9月9日は、SMAPデビュー29回目の記念日。
おめでとうございます。

長いようであっという間の29周年。色々と思うところはあるけれど、5人は芸能活動を続け、夢を叶えたレーサーもいまなお現役。まずは6人が元気な姿を見せてくれていることに「ありがとう」と「KANSHA」の気持ちを伝えたい。

“道の途中で手を離そうとしないでよ” “僕らずっと共に歩こう”
「STAY」で歌ったように、“楽しいだけでいれない時も”あるけれど、奮闘する彼らの姿に、たったの50年…それ以上、応援し続けるファンでいたいと思う。

来年は大きな節目を迎えることもあり、“あの頃の僕らを思い出せ出せ、勿体ぶんな” ということで、これまでにリリースされたSMAPの音楽作品を聞き、当時のメンバーのコメントなどをまとめながら振り返ってみたい。

2016年9月9日からエキサイトレビュー!でスタートした「SMAPのDVD年末までに全部レビュー」。同年12月末までの間に、ライブDVD計18作について書いた記事の続編として、CDシングル・アルバムを改めて全部聞いて書く、という自主企画。
不定期更新で先は長いですが、ゆるゆるとお付き合いくださいませ。

■1stシングル「Can't Stop!!-LOVING-」
作詞:森浩美 作曲:Jimmy Johnson 編曲:船山基紀

ビクター公式オンライン
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A002763/VIDL-10159.html

この曲は同年に初出場した「第42回NHK紅白歌合戦」でも披露した。
カップリングは「SMAP MEDLEY」。
SMAP、つれないよ、踊り明かせば、SMAP No.5、BANG-BANG-BANG。
デビュー前に歌っていた5曲を収録。

且行「初めて『Can't Stop!!-LOVING-』を聴いたときは、あせったよな。なんでキラキラ星が入ってるんだろうって思って」(PATATO/1991.10)

「焦った」という森に、「(キラキラ星は)大人から子どもまで知ってる」香取が続けた。中居はCDを買ってる子に声をかけたい、草なぎは一緒に歌って欲しい。木村は思いっきり叫んでと呼びかけた。稲垣は「Can't Stop」の後に好きな言葉を入れてみるといい、と言葉遊びを提案。
「Can't Stop Dreaming」「Can't Stop Sleeping」を例に挙げると、「吾郎、眠いのか?」木村がツッコミ。

「Can't Stop!!-LOVING-」は明るく前向きなラブソング。
先輩の光GENJIのデビュー曲「STAR LIGHT」と比較すると、随分と明るい曲調。18世紀のフランスで誕生したシャンソン「きらきら星」を取り入れたのも随分と思い切った選択だ。
歌詞の“洗いざらしのGジャン”に、90年代っぽさを感じつつも、ラストの一節、「君を幸せにする 僕はここにいるよ」この直球、ど真ん中ストレートはいまでも響く。改めて聴いてみると、やさしく包みこむような森の歌声がよく聞こえ、ボーカル面でも支えになっていたのだと気づかされた。
全員が10代だっただけに、とにかく声が若い。

「SMAP MEDLEY」の「SMAP」は森永SMAPのCFソングに起用された。
当時はまだスケボーが必須アイテムだった頃。ちなみに、CFのメイキングビデオ(非売品)が存在するという。これは観たい!

「SMAP No.5」
夏前だと「はじめての夏」、夏満喫!ソングが「SUMMER GATE」「 BANG! BANG! バカンス!」と、夏うたがいくつかあるが、「SMAP No.5」を改めて聞くとラテンテイストで、いかにもなリゾート感が心地いい。シングルカットしてもよさそうなくらい。
気分はすっかり常夏の海。海と太陽、騒ごうぜー!と言わんばかりの、非現実的な世界へ連れてってくれるのが上手いSMAP。なんだか「SMAP No.5」がハイブランドの香水に思えてきた。

■デビューイベント1991年9月8日
CD発売の前日、9月8日にファン1万5千人を集めて埼玉県所沢市・西武ゆうえんち(現・西武園ゆうえんち)にて、デビュー発表と握手会を行った。
台風15号接近で、早朝から強い雨。
午前9時すぎ コンサートスタート。
雨による音響トラブル、漏電を起こして中断するハプニング。当時の写真には水着にTシャツを着たファンの姿。
午前11時半、握手会スタート。
1万5千人との握手会、終了は午後4時。

■「Can't Stop!!-LOVING-」といえば…
デビュー曲は数え切れないほど歌う曲であり、デビュー曲の大切さは多方面書かれてきた。デビュー曲の持つパワーを感じたシーンはいくつかあるが、鮮明に覚えているのが、2014年7月26日(土)、27(日)にかけて放送された「武器はテレビ。SMAP×FNS 27時間テレビ」での生放送ライブでのこと。

総合司会はSMAP。番組開始から25時間が経過する2日目の夕方に行われた最後の山場が、27曲45分03秒ノンストップライブだった。
お台場の屋外特設会場は、直前まで雷雨にやられ開催が不安視されていたこと、ただでさえ過酷な27時間テレビ、放送時間帯だけでなく事前の打ち合わせも相当なものだっただろう。

ライブの途中、体調不良が心配された中居。4曲目あたりから水分補給、口で大きく呼吸を整えはじめたのが8曲目ごろ。9曲目「夜空ノムコウ」まではアップテンポの楽曲が続き、ダンスも激しさを増した。
それでも、木村と中居のツートップが並んだ12曲目「A Song For Your Love」。この二人が揃った時のオーラったら。直前までの危うさを消し去るような帝王感、無敵感……。
15曲目「世界に一つだけの花」。歌いだしは中居。息が上がってワンフレーズ歌わなかった(歌えなかった?)中居に代わって、歌声でつないだのが会場のファン。
その後も、舞台の端に座る中居に寄り添った稲垣、視線を誘導させるかのように、大きく手を叩いた木村、同様にしんつよも肩を組み歌った。
それぞれにShow Must Go Onの精神が宿っていることが伝わってきた。

一時的に舞台袖にはけた中居、空いた隙間をさりげなく埋めた草なぎが、ターンのついでに中居の方をさりげなく見やった香取(たぶんそうと思われる)。ついでに木村が香取に寄りかかるようにして歌ったモアイの愛。
汗を流して、歌い、踊る5人の奮闘ぶりに元気をもらったり、ファンのファインプレーに涙したり……。これぞ生放送という出来事がいくつも重なって迎えたラスト。
ライブの全てを包み込むように流れてきたのが「Can’t Stop! ‐LOVING‐」。

デビューイベントのずぶ濡れ衣装ではなく、ゴールドの装飾をあしらったホワイトのワントーン。エンブレムボタンやスタッズとごついアイテムと、腰からひらひらと舞うシフォン風素材をアクセントにしつつ、長め丈のジャケットによって全体が紳士的にまとまっていた。
後半はジャケットを脱いだが、それでもゴージャスなノースリーブのトップス。白い衣装に負けず劣らず、“映える”美肌をつたう汗が美しい。

デビュー当時は想像もしなかった状況と、華やかな衣装で歌ったデビュー曲。やりきった達成感と存在感、シチュエーションも相まって、歌詞に入っている“SMAP”が生き、ポップなきらきら星のメロディがエモーショナルな演出に。デビュー曲で締めくくり、27曲を歌い終えて肩を組んだ5人だけの時間。この姿はいまでも目に焼き付いている。

■デビューへの意気込み
「明星」(1991年10月号)では、九十九里浜でロケ撮影。
砂浜をバギーで走るのは中居、稲垣、草なぎ。稲垣と草なぎは二人乗り。
一方、木村、森、香取は砂浜で乗馬。なんというシチュエーション。

デビューの知らせはミュージカル「聖闘士星矢」のリハーサル中だったという。何も知らずにレコーディングしたらそれがデビュー曲で、取材だと思って挑んだ撮影がジャケ写だったと香取。もはやお家芸ともいえるサプライズもこの頃からとは。
草なぎ「とにかくまだまだ修行が足りないところがいっぱいある」頑張ると意気込んだ。稲垣は「あくまでもワンステップ」冷静さは当時から変わらない。森は「木村くん、中居くんの言うことシッカリ聞いて、ついていくしかない!」、木村は「オヤジにね、ひとこと言われた。“がんばれ”って」。
中居はまだマネージャーもつかず6人で移動したときのことを挙げた。
大混雑の地下鉄に乗り、降りたらドシャ降りの雨。「全員ズブ濡れになってスタジオ入りしたときに感じたよ。“この気取りなさがSMAPらしさ”だってね」。
88年の結成から3年でCDデビュー。ここから長い長い道のりが始まる。

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