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【開幕延期を考える】祖父が遺してくれた「タニマチ論」

【本文の前に】
 この文章は、私が在籍する「文春野球学校」で昨夜4/10(金)に行われたオンライン講座(このご時世なので)の提出課題で書いたもの。
 個人情報に関わる内容以外はほとんど手直ししていない。
 昨夜の講座での文春オンライン・竹田編集長の講評で「(小久保さんは)独自の道を行ってください。」と言っていただけた。
 おほめの言葉なのか、それとも選挙報道の時にマスコミが泡沫候補に使用する「独自の戦い」と同じ意味なのかは図りかねているが、これからも他の文春野球学校の在校生の皆さんと同じように「独自の道・独自の戦い」を続けて書いていこうと考えている。

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題名:【開幕延期を考える】祖父が遺してくれた「タニマチ論」

コロナウイルスがもたらした日常生活の変化
 コロナウイルスが世界中を席巻して、人々の生活や精神状態を脅かしている。
 私は最初、コロナウイルスのことを軽く考えていた。しかし、自分なりに勉強をしていくうちに、「ヤツ(コロナウイルス)は一筋縄ではいかない。」と今までの考え方を改めた。そして、感染力の強さに恐怖を感じて主人や親しい人達のためにも、通院と近所への短時間の買い物以外は基本的に外出しないことに決めた。
 体調の割に今まで元気過ぎた。
 私は中学卒業までかなりの時間を小児病棟で過ごした。病棟のベットの上で本を読んだり、音楽やラジオを聴いたり、文章を書いたり、テレビを観たりする生活を送っていた。
 なので、家に閉じこもることは苦痛ではない。今はインターネットやDVDなどの娯楽も増えているので悲観することはない。
 私は大した取柄はないが、「どんなしんどい状況でも面白がることができる。」ことを複数の方にほめていただいている。
 年齢を重ねるに連れて、「しんどい状況を面白がることができる人間でよかった。」と自分自身に感謝するようになった。

三途の川を渡ろうとして祖父に追い返されるの巻 
 通院のため帰省していた18日の早朝に気管支喘息の重い発作を起こした。大学病院の予約はスケジュール上キャンセルできないので、気力で受診。調剤薬局で薬を貰ってから、小児病棟に入院していた時に研修医だった先生が開業されている内科・小児科・呼吸器科にタクシーで移動。
 実家で体調不良を起こした際は、いつも実家本宅近所の三代続く現在は幼なじみが院長を務める開業医に診ていただいている。しかし今、気管支喘息の症状で受診すると、顔見知りだらけの限界集落で個人情報保護の意識がなく他人の噂話が最大の娯楽という人達に、「Sちゃん(母)とこのユズちゃん(私。仮名。)がコロナにかかった。」と事実無根の噂を流されて両親が村八分になることは確実なので、実家本宅から離れた病院を受診。
 適切な処置を受け、酷い状態は脱した。
 しかし、それだけでは終わらない。
 1月に大学病院の婦人科で受けた血液検査の結果が酷すぎて主治医から、「日常生活を送れてるんですか!?」と驚かれた。実家に持ち帰った血液検査の結果の紙を見た父は絶句。
 医学的知識がある人達お墨付きの血液検査の結果の悪さを知って、私は文字通りがっくりきた。
 東京に戻ってから私の体調はどんどん悪化し、通院と検査をくり返す日々。
 重い気管支喘息の発作や不整脈が頻繁に起こり、息苦しさで睡眠もままならない。家事以外はほとんど臥せている。
 
 そんなある日。
 処方薬の力を借りて寝ていた時に、川を泳いで渡っている夢を見た。
 その時、「来るな!」という男性の声が。
 顔を上げると、14年前に他界した父方の祖父があっち行けという手ぶりを。
 そこで目が覚めた。
 徐々に夢の意味を理解。
 一人では気持ちの収拾がつかず、73歳の今も現役で臨床心理士として仕事をしている母に電話をかけて夢の内容を話した。
 「おじいさんが追い返してくれたのよ。あの人はいろいろあったけど、柚香(私)に愛情を注いでいたのはわかるから。そう言えば、おじいさんの命日が過ぎたばかりよね。」と言われた。
 祖父の命日は3月26日。
 母の言葉で、「祖父は私が三途の川を渡り切るのを止めてくれたんだ。」と再認識。

祖父のこと
 祖父は1919年に鹿児島県の奄美大島で生まれた。その後、男の子どもが居なかった和歌山県新宮市のK家の養子に。
 戦後にGHQの通訳を経て名古屋に流れて、興業関係、飲食店、貸しビル業、タクシー会社等の事業を一代で築いた。
 有名人のタニマチもしていた。
 祖父がタニマチに関して話していたことで印象に残っているのは、
「相手を自分を大きく見せるための道具にするな。あの人達は自分の才能や努力で地位を築いた。敬意を持って接して当然。仕事の邪魔をするな。相手を利用するのはなく、どの世界でも生きていけるように育てることが楽しみだ。道を踏み外さないように護る。だけど甘やかさない。責任を持って面倒を見ないといけない。」
 
 この祖父の言葉は、私の生き方や人間関係の形成に大きな影響を与えている。

無責任なタニマチもどき
 3月26日、阪神タイガースの藤浪晋太郎投手がPCR検査の結果、コロナウイルスに感染していることが判明。チームメイトの伊藤隼太選手と長坂拳弥捕手の感染も球団から公表された。
 週刊文春4月9日号によると、感染した3選手はいずれも3月14日に阪神の主力選手の太いタニマチの実業家に誘われて、食事会に参加。
 厳しいことを言うが、コロナウイルス対策に日本中が一生懸命になっている時期に、多数の人物が集う食事会に参加した選手達のプロ意識や自己管理能力を疑う。
 しかし、私が今回の一件で一番怒りを覚えているのは、選手を食事会に誘い出した太いタニマチの実業家だ。
 その実業家は祖父の言葉を借りると、「相手を利用した上、仕事の邪魔をした人。」だ。
 たぶんその太いタニマチの実業家は選手達の人生に責任を持たずに、選手を自分をよく見せるためのアクセサリーのように扱って、他の客人に自分の力を誇示したかったのだろう。
 このことはあくまで推測でしかないが、私が今まで生きてきた中でこの手のえげつない人間を何人も見ている。
 今回この様な大事になったことに関して、太いタニマチの実業家に猛省を促したい。

 「あなたはタニマチではない!タニマチもどきだ!」