ハクティビズム

「さぁ……はじめちゃいましょうか」

彼女は手元にあるPCのキーをたたき始めた。
画面には綺麗なブロックのコードが構成されていく。

「ビンゴ……こいつね」

画面には重要な情報らしきものが映し出されていた。
意味ありげな文字列を彼女は読み解き始めていった。

そして解読し終えたのか彼女は手元のPCを閉じて
仲間に連絡を取った。

「はぁ……今回も外れだったし、拍子抜けなシステムだったわぁ……」

「そうですか……また振り出しに戻りましたね。」

仲間は彼女を慰めるような優しい口調の男から通信がきた。
今回の依頼は情報屋が有益だと流してきたもので、期待していた彼女らの落胆は大きかったのだろう。

「あの情報屋を始末しておきましょうか
あれだけの大ぼらを吹いたのですもの……相応の報いは受けてもらいましょう」

「わかりましった!!早速手配して始末しておきます」

次は元気が有り余っている女の子が通信に応じた。

彼女は足早に現場から立ち去っていく。
システムに侵入したということを気づかれない。
そんな手際の良さで。

彼女の名前は彩乃。
国際的な宗教組織のリーダーである。

彼女は部下に仕事を任せることはなく、
自分で危険地帯に踏み込み、任務を遂行していく。
実力は高く、今までの成功させた仕事は数えきれないほどである。

彼女が統括する宗教組織の構成メンバーはいまだ解明されておらず、世界各国にいるとも言われている。
自身もどこに潜伏していて、どのような顔があるのかも知られていない。
まさに謎の多い女である。

いや女であるかどうかも定かではない。
一説によれば女というだけであり、そのようなうわさが一人歩きしているだけである。

「あなた……少し語りすぎよ……?」

解説している画面が割れる音がし、そこには鮮血が垂れていた。




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