ベッドの上の食卓

その日、私はたまらなく疲れていた。
夕方。家に帰り、私はベッドに飛び込んだ。
スマートフォンをしばらくいじる。
私は横になると、つい眠くなってそのまま眠ってしまう。
いつもいつも「今日は大丈夫、スマホ触ってるから寝ない」と思いつつも、いつの間にかスマホを手放し寝てしまう。
そして、夕飯の時間になって、母親にいくら起こされてもぐっすり寝ていて起きない。そして、怒られる。
いつもそうだ。
しかし今日も、「今日は大丈夫だから」と自分に言い聞かせる。

私は家族とご飯を食べている。
今日は少しごちそうだ。
テーブルにいっぱいのオードブルを家族とつつく。
美味しい。楽しい。

「…早く起きて!ご飯できてるよ!?」
母の声が聞こえる。
気づけばベッドの上。
今の食卓は、夢だった。
なんだ、と今日は珍しく目がしっかりと覚めたため、二段ベッドの梯子を下りる。
今日の晩御飯は素麺だ。
いつも母が用意する素麺は具がたくさん乗っていて、食べ応えがある。
今日は父は仕事でいないので3人での食卓。
素麺を啜りながらテレビを眺めて、家族に今日会ったことを話す。
いつもの食卓。
美味しい。楽しい。

「…またあの子全然起きない…」
涎を垂らして眠る私。
いくら母や弟が起こしても起きる気配はない。
せっかく用意した夕飯。
「とりあえず冷蔵庫には入れるけど…はあ…。」
そう言って母はリビングに戻っていく。

「おいしい………」
歯ぎしりとともに聞こえてくる寝言。
私はベッドの上での食卓に浸っている。

そしてまた今夜も本物の食卓を逃すのだ。 


現在のゆずとものひとりごと

後のあとがきに書いてるんですけど実話なんですよね。
いやお前昔からこんなんやったんかい、しかもそれを晒してまうんかい、っていう。
いやあ我ながらだらしない。

でも抗えぬ眠りってありますよね。
例えば自分は中学生までは授業中居眠りとかしなかったんですけど、高校生になってから急に授業中居眠りするようになっちゃったんですよね。
いくら興味のある授業でさえも。
実は舞台の稽古の時にも急な睡魔が襲ってくることがあって。
お医者さんからは「睡眠の質の問題」って言われました。
マジでどうにかしたい。

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