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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん_ネタバレ感想


ネタバレなし

感想

個人的な感想を簡単に。
ちなみに筆者はフラテルニテや夏の鎖などが好きで偏った感想を述べる可能性があります。

暗いしまぁまぁ面白かった。
ただ個人的にはそこまで癖には刺さらなかったかなと。友達に読んでみてと言われたので友達にもシェアする試しそれぞれ良かった点や刺さらなかった点なども踏まえながらコメント残す。

ネタバレ感想の方に刺さりそうな人はどんな人かは書いとく。とりあえずここでは、暗めの話が好きなら、とだけ。

全体的なコメントとして1点だけ注意を残す。
物語全体、誰が話してるのか、何をしたいのかが分かりづらく頭が痛くなりがちだった。
文体は口語なので別に難しくはないのだけど主人公がずっとまわりくどいので。

ただこの作品の特徴であり個性であり最大の強みでもある。
→単純に体調悪かったのかも(?)

ネタバレあり

僕について

途中まで、僕が殺人鬼だと思っていたが最後に突然違う男が殺人鬼だったし、みーくんは殺人鬼のことであり僕はみーくんに勝手に成り代わっていただけだった。

「被害者が加害者に変わる」話と、「どんなに辛くても壊れられない僕」の話を複雑に描いたのは面白かった。
辛さを乗り越えられず壊れてしまう方がよほど幸せではないか、壊れない故に全てを忘れず生き続けなければいけない僕はまーちゃんが死ぬほど羨ましかったであろう。

ただ、彼は意外と精神がタフであの程度の出来事はいつか乗り越えられるくらいには完全に壊れられなかった普通の人間なんだなと感じた。
まぁ少しは壊れててまーちゃんと共依存気味ではあるが。起きた出来事にしたら大した後遺症ではないように感じる。

個人的には、誘拐犯の息子であり、父親も妹も猟奇的な嗜好をお持ちの人種であったので僕自身も初めから壊れた人間であって欲しかったなと思った。
僕が猟奇殺人の犯人であり最後はまーちゃんも殺してくれた方が血統を感じて好きだったかな。なんでまともなのか。

あと、僕がなぜまーちゃんを特別視するのかよく分からなかった。
考察すると下記のあたりを複雑に抱えた愛憎であり大嫌いで大好きで死んで欲しいけど守りたいのかなって思ってはいる。
みーくんまーちゃんの支え合う2人の絆が羨ましく自身にはそんな存在はおらずだったので憧れた、なのでみーくんになりたくなってしまった。
また、まーちゃんが可愛い女の子であったこと。自分を地獄から連れ出してくれた人であること。
自分ではなく親のせいだが事件に巻き込んで壊してしまった罪悪感。
最後に、彼女だけ幸せな世界に逃げた羨ましくも裏切りものへの憎悪。

監禁してた子供にも特別な絆を見て羨望してた表現あった気がするし。なんならそれで情を沸かせてた。
頭のおかしなふりをして変な喋り方をするが全くもってまともな思考をしていると私は感じる。
ただ傷つけられることに臆病なだけで。
頭のおかしなふりをするのはやめるんだ。

殺人鬼について

なぜ過去の事件でこいつは生き残れたのか、なぜ殺人を犯すのかがいまいち分からずだった。
あとなんで今なのかとか。
自分探しとか言ってたけど、要は被害者は加害の引き出しを持ってしまうからいつかはやられたことを他人にしてしまう、壊れてしまうという話を言いたかっただけ?
→また言うけどそれならみーくんが殺人鬼の方がエモサがあるんよ。まぁまともな人間も1人置いた構図にしたかったのも分かるんだけどね。

そもそも犯人まーちゃんをうざったくなって無視した後何もできない精神の弱さのくせして、趣味人殺しまでいけるのどういう感じ?過去の事件でも君が殺したわけじゃないのに。君が殺してたら分かるんだけどね。まーちゃんがやってくれたんじゃんね。甘くねこいつ?まだ余裕あるな(?)

僕の親兄弟について
父があそこまで壊れる理由がよく分からない。元嫁に不倫でもされてでてかれた?それとも僕は托卵だった?
まぁ特に大きな理由などなくても頭のおかしな親はいると言いたいだけかもしれないけど。

兄のことだけを愛していたのならもう少し兄とうまくやればよかったのに、と思ってしまう。
あと後妻との間にできた妹がナチュラルにやばい遺伝子引き継いでてワロタ。速攻死んでたけど物語に暗躍させていいレベル。

後妻だけまともなのは草。後妻と父との子供が妹って父のクズ遺伝子強すぎだからやっぱ僕はまともすぎるので托卵確定じゃんと思ってしまう(最低でごめんな)
後妻が愛じゃなくても親だからって僕の命を守ってたのって、立派な愛だし、頭がおかしくなった旦那の連れ子をここまで庇えるのあまりにご立派すぎるから愛されたことないムーヴするのはやめた方がいいですね。
実は本当は親とかある?私なら自分の子供死んでこんなことに巻き込まれたら1人で逃げますけど。
きっと自分では手に負えず連れ子と言えど育ててた子供を巻き込んでしまうことがつらかったのだろうと思うとマジでいい人じゃない?

後のちに引き取られた家庭もやばいと思いきや普通に心配されて育ててもらえてるから感謝しよ?君の人生そこまでクソじゃないよ、と思ってしまう。
まぁ突然知らん女と高校生で同棲始めんのは絶対止めた方がいいけど。
この話って大人が監視してれば起こらない話が多くない?
殺人鬼はまともなフリしてたから仕方ないけども。

まーちゃん

壊れたまーちゃんのタイトル通り、そして思ったより壊れていて「まーちゃん」と呼べば全てをみーくんと認識する女だった。

壊れた世界で幸福に生きられるのはある種の救いなので良いのでは?とまーちゃんを見て思う。
→フラテルニテでも救いの話してたし。
ただ、個人的になんでここまで壊れてるやばい女が野放しで暮らしてるんだ、病院入れるか、後見人に監視させろよ、とは思った。

そもそもあんなに壊れてる状態で、子供を誘拐する理由もよく分からずじまいだった。
やはり被害者は加害者になる話が言いたいだけ?
正直世界にみーくんしかいないのであれば誘拐などできないと思うし。(みーくんが世界に現れる前だが)
虐待されてる子供が可哀想で本能的に匿った、けど、監禁しかされたことないから匿い方が分からなかったとか?とりあえず謎。

まぁとりあえず、この先何しても刑事責任問えなそうだから、一生病院に塩漬けにしてもろてと思いますね。
何するか分かんないので。。

まとめ

個人的には、悪しき出来事が以下のような要因で断ち切ることができず繰り返してしまう、というような話が好き。
風習、文化、血統、遺伝、洗脳など
→因習村とか王族の殺し合いとか好き。

犯罪被害者が加害者になる話も好きなはずではあるが微妙に癖がずれた展開で、わりと抜け出せてると感じた主人公にスポットが当たっていた点が個人的に刺さらなかった要因かなと思う。

逆に、地獄の輪廻に引きずられる人間を横目に抜け出そうとなんとか助けようと苦しみながらもがく人間が好きであればこの話は刺さると思う。
といいつつまぁ主人公は共依存気味ではある話なので地獄に一緒に落ちる話が好きな人も刺さるかもしれない。

これ読んでて、なぜ彼らはそうなるのかがそれなりに物語に撒かれていて人間のダメなところが煮詰められた話の方が好きなんだろな。最後に読んで地獄やって思わせてくれると好き。
最近だと少年のアビスとかドチャクソ癖。

いろいろ言ったけど、単純な自己分析なので、物語や最後の展開としては普通に面白かったので気になる人にオススメします。

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