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窓サイズでカーテンが注文できない理由

働いてるお店はセルフ採寸のオーダーカーテンなのですが、リピーターさんやネットできちんと下調べしてくれる方(神!)を除くと、カーテンの測り方はあいまいな人が多く、サイズだけ後から連絡、というのが多いパターンです。
ついているレールにカーテン採寸専用メジャーを引っかかるだけで割と簡単に測れるので、ネットで検索するか、店頭でご相談ください!

しかし時々レールがついていない上に、取付を依頼される訳でもないのに
「だいたいこのサイズの窓に合わせてカーテン作ってください」
と言われて、えーとちょっと色々無理なんですけど、と途方に暮れる事があります。
その度に説明している、「窓サイズではなぜカーテンが注文できないか?」を、一度わかりやすく噛み砕いて説明してみたいと思います。

窓の幅=カーテンの幅ではない

今ついているカーテンレールを見てください。
だいたいカーテンレールは窓より少し長く付けられていることが多いです。
「じゃあその少し長い分足しといてよ」
と思われるかもしれませんが、この少しが難しい。
例えばトーソーのカーテンレールのつけ方には窓から10〜15センチ長くするのが良い、とされています。

TOSO WEBカタログ『知っておきたい窓辺の知識』


体感的には10〜15センチだとちょっと長過ぎるんじゃないかなぁ、5センチ出しくらいが多いです。それでもいつも5センチ出せるとも限りません。片側が壁とか、エアコンが隣に来てる、とかいろんな事情でレールの長さは変わります。あと、自分のお店では絶対やらないけど、大工さんがカットをめんどくさがったのか、170センチくらいの窓に200センチの機能レールがそのままついてたこともありましたね。お客様も「長すぎるなってずっと思ってました…」って言ってました。
さらに言うと200センチのレールに200センチのカーテンを吊るとぱつぱつ過ぎて真ん中に隙間が開くことがあります。レール幅×3〜5%のゆとりを足した寸法がゆったりと閉められるカーテンの幅です。
「面倒くさいなーとりあえず考えうる一番長い幅で作って」
うーん、それがよくある既成カーテンの幅ですね。一般的なサイズの窓ならだいたい200センチあればまぁだいたい大丈夫と言えます(先述の200センチのレールだとちょっと隙間開くかもしれませんけど)。ただし、実際のレールが180センチだったりすると20センチ生地がだぶつくことになります。それが気にならないならいいんですけど……

カーテンの長さは取付位置とレールの種類で決まる

次は長さの話です。
幅でも言いましたが、窓の幅=カーテンの幅ではありません。
同じく窓の高さ=カーテンの高さとも限りません。その理由を説明します。
まず、当たり前ですが、カーテンの高さはレールの付いている高さによって決まります。
このレールが付く高さがどこになるのか、それは建物の下地によります。

TOSO WEBカタログ『知っておきたい窓辺の知識』

カーテンレールの大手メーカーではこのように窓枠から10〜12センチ上に取り付けることを推奨していますが、実際にこの高さにつくかどうかはネジを打てるかどうか(下地が入っているかどうか)によります。
実際、カーテンの施工スタッフが採寸施工をしても、下地が5センチまでしか入ってないとか、下地が入ってないので窓枠にしか取り付けできないとか、そういったことは多々あります。あと、窓枠より上に付けたほうがいい、と言うのはカーテンに携わってる人間だけの感覚なのか、お客様が大工さんに取付けを任せたら下地があるのに窓枠に付けられてたって話も聞いたことがあります。
こういった理由で、見てもいない現場のカーテンレールが何センチ上につくのかがカーテン屋には分からないのです。
また、時々言われるのですが
「大工さんが枠上10センチくらいにレールつけてくれるって言ってるんで、それに合わせて作ってください」
これも長さを計算しにくい話です。
まず、カーテンの丈はカーテンレールのランナーと呼ばれる、コマだったりリングだったりの輪っかの下(カン下)の寸法で決まります。
大工さんの10センチくらい上につけるレールのカン下が分かるどうかですが、
まずレールの種類が何なのか?が問題です。

よくあるレールの代表的なところで

TOSO エリート

このようなシンプルなレール(装飾のない機能重視なレールなので機能レールといいます)なのか、

TOSO ウッディ28

こういうリングランナーのついているレールなのか(デザイン性の高いインテリアとして魅せるレールなので装飾レールといいます)によって、10センチの基準が変わってくるのはなんとなくお分かりいただけると思います。
そして次に問題なのが、10センチ上とはどこの位置のことなのか?です。
詳しく見てみます。
機能レール(エリート)の場合

大工さんの10センチ上は取付金具の上端なのか、ビスを打つ位置なのかによって、カン下の計算が変わってきます。
取付金具の上端の場合、10センチー(3+2.6)センチ(黄色マーカー部)=4.4センチを窓枠上までの高さに足した数字がカーテンを注文するのに知りたいカン下寸法になります(展開図はミリ表記なので注意)。
ビスを打つ位置が10センチの場合、10センチー4.9センチ(赤マーカー部)=5.1センチを枠上に足した数字がカン下寸法です。
10センチ上と言っても枠上4.4〜5.1センチがカン下寸法として想定される寸法になります。多分。これでレール上端が10センチ上に来るように付けるつもりだったとか言われると想定外すぎるんですけど。

次に先ほどの装飾レール ウッディ28だった場合、

取付金具上端が枠上10センチの場合、10センチー(2.6+1.3)(黄色マーカー部)=6.1センチを窓枠上までの寸法に足した数字がカン下寸法、
ビス位置の場合10センチー1.3(赤マーカー部)=8.7センチを窓枠上までの寸法に足した数字がカン下寸法になります。
この装飾レールの場合枠上+6.1〜8.7センチがカン下想定寸法になります。先ほどの機能レールと合わせて比較すると、レール種類、10センチ上がどこか、によって4.4〜8.7センチも寸法が変わってくることが伝わったでしょうか?
しかもあくまでこの二つのレールに限っての話なので、レールの中でも違う種類になるとカン下寸法の数字はまた変わってきます。
逆にこれぐらいずれても気にならない腰窓なら枠の寸法+15〜20センチくらいにしておけば、まぁ足りないってことはないと思います。長すぎるのは気になるとか思うんだったらやめてくださいね。
問題は掃出窓と呼ばれる外に出入りのできる大きな窓の場合です。
下まである窓は数センチ違っただけで床に着いて引きずったり、短すぎると借り物を吊ってるようで非常に見た目が悪かったり、光や冷気が入ってきて機能的にも不十分なカーテンになってしまうので、掃出窓の長さを適当にすることは全くお勧めできません。

以上のような理由で窓のサイズだけではオーダーカーテンのサイズは分からない、としか言えないのです。
(たまにアジャスターフックで5センチくらい調整できるでしょ、と誤解してる人がいるんですが、それについてはまた後日)
逆にいうと、
「レールはエリート、レール長さは180センチで、ビス位置窓枠上10センチで取付します。床から窓枠上の寸法は195センチです」
ここまで言っていただけると、付いてないレールでもカーテンの丈を計算して出すことはできるんです。
こういうことをぐだぐだ言うと
「いやいや、大工さんだってカーテンのことちゃんとわかって言ってるでしょ。
10センチ高く付けるって言ってるんだから10センチ長く作ってくれればいいんだよ」
みたいなことを時々言われるんですけど……
カーテンのことはあんまり考えてない大工さんも多いけど。後のことは知らないですよ?(大工さんを蔑んでる意味ではないです、決して!)

以上、窓のサイズだけではカーテンが注文できない理由、でした。
これを
「窓サイズですか?それじゃサイズ分からないですね」
の一言で切り捨てられたら楽なんですけど、なぜ分からないか噛み砕いて説明するとこんなに長い………



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