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接客業ってそんな甘くないよ

世間では、パワハラにモラハラ、そんな言葉が繰り広げられている。
もちろんその行為を肯定するわけではないが、中にはその一言で人生がいい方向に変わったという人もいるのではないだろうか。

学生時代から接客業をしていたが、飲食店での勤務はここ5年ほど。
飲食店の一括りで表現できても、それぞれお店によって方針が異なる。
いくつか経験していくと、好きなスタイルや、向き不向きもわかってくる。
これまで勤務させてもらっていた店舗は、比較的お客さんとの距離が近いところが多い。
わたしにはこのスタイルが合っていて、すごくやりがいを感じている。

接客業ってそんな甘くないよ

新店舗オープン立ち上げ時の話だ。目の前にあること課題に必死で、余裕がなく毎日追われていた。楽しいと思える瞬間は、正直なかった。
そんな時上司から、「接客業ってそんな甘くないよ、向いてないし辞めたら?」と、言葉をかけられた。
今となってはその言葉の意味も理解できるし、実際にそうだよな、と思うこともある。
当時は、一生懸命やっていたし、正解もわからずに模索していたし、上手くいったことに対しての評価がなく、その言葉をかけられた意味も教えてもらえなかった。
ただただ酷評されたことに失望し、これってパワハラじゃないの?と思い、辞めたいと思った。

店舗スタッフは、いろいろなことを気にしてフォローしてくれたし、励ましもくれたけれど続けたいと思えなかった。ただわたしの性格を理解してくれていた同僚は、たった一言、「逃げる?」とだけ言った。
その一言で、ここで逃げたら終わりだな、認めてもらうまで、そして越えることまでやってみよう。そう決心して今のわたしがいる。

繁忙期後にある懇親会での一枚


伝える大切さ

現在のメイン業務は、店舗内スタッフの教育担当。その中で一人一人の性格を見て指導方針を変えていく。寄り添う方針も大事だが、本当に求められていることは?と考える瞬間も増えた。
寄り添ってうまくいかなかったときになんて声をかけたらいいのだろう、と難しさもある。ただその中でマイルールとして、指導する時には、できるようになったことを必ず評価するとした。
落ち込みだけではやる気をなくしてしまう。できることを評価すると頑張ってよかった、と思ってもらえたり、立ち止まった時に解決策を求めてくれるようになった。
教える側も教えられる側も受け身では、交わることができないが、互いに寄り添うことができたら、すごいスピード感で物事を進められると言うことを身をもって学んだ。

言葉に全ての感情を託すことはできないし、理解してもらうことも難しい。教育をしていく中で、うまくいくことの方が少なくてネガティブな気持ちにもなることもあるけれど、うまくいった時の達成感は一人では味わうことができない幸福感に満たされる。
言葉の選び方、伝え方の大切さを痛感している。

実務の指導中

負けず嫌いでよかった

いまとなってはその上司とも上手くやっているし、互いに尊重し合えるようになったが、当時は本当にこの人って人の心あるのかな、と思うこともあるほど苦手な存在だった。負けず嫌いと言う性格が故に、たった一言でわたしは自分の人生を変えることができた。当時の悔しさをバネにして、今は店舗一の接客力を身につけようと言う目標もできた。
接客業って甘くないのはもちろんわかっている。
ただ、その一言をかけてくれた上司がいて、言葉で導いてくれた同僚がいる。その一言のおかげで今がある。当時のわたしと同じように悩む人の支えや力になれるように、言葉一つの捉え方、伝え方を身につけて言葉や情報発信をし続けていきたいと思う。

店舗スタッフ

ただ、冒頭にも述べたように、パワハラやモラハラを肯定しているわけでない。
伝え方によっては、わたしのように背中を押されたと思う相手もいれば、深く傷つける場合があると念頭において伝えたい思いが相手に届くように。

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