コーヒーカップが割れた

熱いものが好きです、そんな君のために確かコーヒーカップをプレゼントしたクリスマスはすごく遠い昔話のように感じている。
薄紅色の青春が香る今は、色褪せたように君を見てしまうよ。薄茶色の写真だ。焦げたフィルム。
「愛は永遠に続く」それはまやかしで、永遠は続かせる努力しないと意味をなさないのだ。
否、愛とはないのだ。哀なのだ。
藍色に染まるしかないとしか思えない。

ここまで私は語らせてもらったが、私は誰なんだって話しよね!コーヒーカップを彼氏にぶん投げて殺して殺人者になった、ただの女だ。そう。ただの、殺人者。
愛憎劇をしただけの、可哀想な悲しい哀しい女。
コーヒーカップで死んだ彼氏も可哀想だけど。
割れてしまった愛と同じく、コーヒーカップは粉々。粉々の愛、粉々。
虚しいね、愛は簡単に始まり終わる。
だから、私は後悔も反省もせず死刑なのか?
いいや反省も後悔もある。
きっと、やり直せたはずなのに意地を張ったのだ。

つまらない恋愛ほど疲れるものはない。
次は、失敗しないようにしないとと絞首台に上がるんだ。止める人も見る人もいない。
さようなら私の人生。

伸ばす手も差し伸べてくれる手もなかった。
粉々になったのは、コーヒーカップだけじゃなくて、人としてのモラルもだった。