Po.noc.-音部隊side-
r.a.01_04 – Po. noc. –
原作・造形:マンタム
構成・演出:りくろあれ
9月17日、18日@悠日カフェにてりくろあれさんの公演に参加しました。今回は曲作りと、本番の卓につく二役。
まず、おとづくり部隊のことを話しましょう。
一番最初に話をいただいたのが2016年2月。シンの箱さんでの稽古真っ最中でした。音楽ものがやりたい、Jessicaの普通から外してくるところがいいと思ったと言っていただけ即決。実はりくろあれのおおしまさんは黒百合のリーディングの時から存じていて、舞台の世界観が大好きで大好きでいつか彼女の元で曲が書けたら、と思っていた。だから要である音楽要員として僕を選んでいただけたことが本当に嬉しくて、内心小躍り状態。昨年SUGAR BABYさんの舞台で共演して、今回二度目になる共同の作品づくり。
嬉しかったのと同時に不安も一気にでてきた。
栃木の演劇界から多くの方が集まり、都内からも参加していただく大ボスがいる。「音楽が街の要になっている」世界で、「人々を魅了する」歌。
演出からのリクエストである激しい曲調と、なんとなくぼんやりなっている音。
特に激しい曲調や電子音楽はあまり触れてこなかったから、正直戸惑いが大きかった。一度弱気になって曲作りを諦めそうにもなったけれど、僕を選んで貰った以上出来ることをやらないと、とどうにか意識を保ってキーボードに向かった。
そして新手の勉強しようと思いたって何人もの曲を聴くうちに「musicではないかもしれないけれどharmonyと言う意味では曲だ」と思えるようになっていた。これは苦手を克服できたので大きな収穫。
まずここまでで第一関門。次に曲づくりについて。
僕はいわゆるバンド編成の曲作りが得意ではない。僕が知っている楽器はオーケストラに使われる楽器群で、ドラムは16ビートがギリギリ叩けるくらいで、ギターはFが押さえられなくて諦めた。
ピアノや弦楽器で責め始めたもののどうも自分の打ち込みだけでは迫力が足りず、生っぽさもない。ここで壁にぶち当たる。
そこでお助けいただいたのが我らが戸室さん。長身のスーパーかっこいい戸室さんに僕のある程度できた音源を渡して、彼の音で演奏してもらう。この段階で戸室さんと音源を共有することははじめてだったのだが、思わぬ形でコラボすることになってここでも心小躍りしてた。(SNOWMANの時からファンでした)
おおしまさん経由でそのやりとりをして数日。音源がくる。
一発目聞いて、正直悲鳴がでた。カッコいい。
まるで僕の曲じゃないみたいに。僕がつくったのに?
でもかっこいい。くそう。
2回目を聞き直している最中に、涙が出てきた。誰かが手を加えることでこんなにも変わる音。僕の作ったものはなに?
あこがれている人にアレンジをしてもらってかっこいい曲になって、それが嬉しくて、でも悔しくて。
音楽にも得意不得意、好き嫌いはあるから作り手もそれぞれなのは分かる。だけれど、次に作る作品は、負けたくないと思った。誰も手を付けられないくらい、僕の音で。(もちろんこれを機にもっといろいろなコラボができたら、という野心はあります)
そうして、最後のミックス。
これも、おおしまさんの好みをご存じのAsohgiさんに依頼することに。
電子音響方面で活躍されている方で、次々にミックス案が生まれる。どんどん曲が出来上がってゆく。僕が自分で行う作業とは全然違くて、次元が違うのだろうなぁとしか想像が出来なかった。しかし整えられたものを聞いて、舞台に流れるのが楽しみになってくる。サントラとして早くお客さんに聞かせたくなる一方で、いつまでも秘密にしておきたいワクワク感。
最後の音のマジックって凄く不思議、でも素敵。
本番用、CD用、サントラ用、といくつも音源を用意してくださり、ありがとうございました。
こうして、Po.noc.の音楽は出来上がりました。上演後、いろいろな方から音楽が格好いいと言っていただけ、幸せです。それもこれもアレンジをしてくださった戸室さん、ミックスをしていただいたAsohgiさん、そして音楽をうむきっかけをくださったおおしまさんのおかげです。
おおしまさん、戸室さん、Asohgiさん、本当にありがとうございました。
Jessica
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