暴力団3ない運動

地元の映画館は作品が始まる前に県警からの啓蒙映像が流れるので、行くたびに"暴力団3ない運動"について聞かされていた。

暴力団3ない運動とは、暴力団を社会から追放しようという旨の運動で、
1、暴力団を利用しない
2、暴力団を恐れない
3、暴力団に金を出さない
という3つの"ない"を掲げたものだ。

わたしは、これを見るたびに「1しか無理じゃない?」と思っていた。

暴力団を利用しないというのはわかる。いくらピンチに陥っても利用しないぞ!というブレーキを設ければ良い。
恐れないは無理じゃないか?
暴力団って…名前に暴力だけ掲げている団体なんて、そんなのあまりにも怖すぎる。具体的な活動は詳しくないけれど、想像だけでも恐ろしいから、なるべくエンカウントしないで生きていきたいと願うことしかできない。
金も、もしかしたら出すかもしれない。目の前まで詰められて脅されたらもう出すしかない。そこでエイヤ!とNOを突きつけるほどの度胸、今のわたしには無いと思う。

もしかしたらわたしのこの現状は既に暴力団3ない運動に反してしまっているのではないか。
ていうかこの運動、映画館で市民に啓蒙するにはハードルが高過ぎるんじゃないか。。

ある日、友だちと一緒に映画を見にいった際、その映像が流れたときに長年疑問だったそれをはじめて人に漏らした。
(暴力団3ない運動への疑問を感じるのはその映像を見たときだけで、そのあと映画が始まるから、終わった頃には大抵忘れている)
それを聞いた友だちは「考えたことがなかった」と言って大笑いしていた。
最終的に、わたしはなんでもかんでも当事者として考えてるね、という話になった。

たまたまその友だちの夫が警察関係の人で、友だちはこの話をしたそうだが、夫氏も「考えたことがなかった」とのことだった。

暴力団3ない運動、調べてみたらストレートに市民たちのその姿勢こそが暴力団をビビらせますという考えのもとに掲げているらしく、もしかしたらああいう映像を映画館というカジュアルな場でバンバン流していることこそが"ここの市民はこれが当たり前に刷り込まれているぞ"という暴力団への牽制なのかとも思ったが、大抵の市民はふつうに暴力団のことを恐れてると思うし、自分が暴力団だったら警察は怖いかもしれないけど市民なんかは屁でもねえと思うんじゃないか?

果たして暴力団3ない運動は効果をあげているのか。
警察の方、どうなんでしょうか?

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