おばけ平気な人

わたしは結構ホラーが苦手で、どのくらい苦手かというと、中学の頃、夜中にひとりで宿題をしているときに適当に流していたテレビでやりすぎ都市伝説が始まっただけでハラハラと泣いてしまったほどだ。
とにかく雰囲気の時点でもう怖いし、怖くなった時点で途方もないどうしようもなさを感じて泣いてしまう。
ちなみに、ひとりの場合は物音を立てるとおばけに気づかれる気がするからめちゃくちゃ静かに泣く。
(しかし、怖いもの見たさ的な興味はある)

そういうわけでホラーが苦手なので、平気な人に会うとどうして平気なのかが気になり「おばけがいたらどうするの?(エンタメとしてホラーが好きなのはわかるけど、実際におばけの類がいたらどうするのか?という意味)」と聞くのだが、ホラーが平気な人は大抵「だっていないじゃん」と答える。
まず、もしいたらどうするのかを聞いてるのだから、答えになっていないと思う。
わたしはこのやり取りをするたびに釈然としない気持ちになっていた。

先日、人と話しているときに、わたしは"意思疎通ができない"という状況に恐怖を感じ、ホラーにおいては"気持ちのでかさ"が怖いのだということに気づいた。
怨霊なんかは特に気持ちのでかさだけで存在を保っているようなもので、そんなものにわたしがいくら泣いて縋っても当然聞く耳は持ってもらえないだろう。

逆を言うと、おばけについて「だっていないじゃん」と答える人は、気持ちが怖くないのかもしれない。
ポルターガイスト的に襲ってきたら話は別なのかもしれないが、物理攻撃がない限り恐るるに足らずというかんじなのか。

わたしは昔から自分のフィジカルに自信がなく、物理的な問題にも疎く、かなり精神世界に生きていることを自覚しているので、だから過剰にホラーが怖いのかもしれない。

そういや数年前に地元の神社が放火されたのだが、そのときも「放火するにしてもわざわざ神社を狙うのは怖いもの知らず過ぎる」とビビってしまった。
それは誰でもビビるのか?

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