献血をリタイアした話-前編
端的に言うと人に迷惑をかけた話です。すんません。
献血に興味ある人は役に立つかもしれません。
人混み、喧騒の中に、ビラを配っている若き男性。
親元を離れひとりとなって、当てもなく歩いている、さらに若いぼく。
ぼくは男性の献血募集の話に、歩み出した足を止めた。
ゆゆゆです。
私事ですが、ちょっと前まで自己肯定感がえぐい低い時期がありまして。
最近献血募集をしている男性が都市部でビラを配っていたんですね。自己肯定感の低いゆゆゆくん考えました。
「献血で人様の役に立てれば自己肯定感も上がるんじゃないか?」と。
ビラを手に取って、献血の予約を始めると、お兄さんは笑顔で対応してくれました。400ml吸えばいいらしい。なるほど。
その日は説明を聞いて予約するだけでした。なんと、予約した段階でお菓子がもらえました!(よく見たら全部苦手な味のお菓子だった)
予約も済んで、あとはその日を待つのみです。
やってきた当日。大学が思ったより忙しく、不器用なので睡眠時間を削って色々なことをやっていたのですが、献血には5~6時間の睡眠が必要だそう。
その日は課題を次の日に後回しして、しっかり寝て臨みました。
・・・
・・
・・・・・
献血行きたくねえ…
いやいや基準値とはいえちょっと血圧が低いし、予定と予定の間に詰め込んじゃったし、よくよく考えたら400mlも吸われる※ってヤバくね?ほぼカービィじゃん。
※献血は200mlか400mlを選べるが、最近は400mlがメイン!
と言うことでビビりながらも、お菓子をもらったことで引けなくなってしまったゆゆゆくんは、恐る恐る都会の献血カーのテント下にいたあの時のお兄さんに予約を伝えて、献血の手続きをしていくことに。
医者さん「ポビドンヨードって知ってますか?」
ゆゆ「ポビドンヨード?なんすかそれ」
医者さん「イソジンとかに使われてるやつですよ。」
ゆゆ(無知)「イソジン?なんすかそれ」
医者さん「えっと…うがい薬とかに使われたり、痛み止めとかに使われたり」
無知「ああ、あれか!血液検査前にやるやつ!」
医者さん「それはアルコール消毒ですね」
問診ではあまりの無知と世間離れっぷりを見せつけてしまったが、やっと献血カーの一歩手前だ。看護師さんとの面談?みたいなのするらしい。
看護師さん「では薬指の先に針刺しますね〜」
ゆゆ「???」
話が違う。献血って腕からやるもんじゃないの?
しまっておいた恐怖が少しの混乱で解き放たれてしまった。
ふといところに針を刺すのは100歩譲って飲み込めたが、ちっちゃいところに針刺すのは違う。
ゆゆ「え、指の先に刺すんですか?」
看護師さん「刺しますね」
ゆゆ「え、指の先に刺すんですか?」
看護師さん「刺しますね」
ゆゆ「え、指の先から400ml吸うんですか?」
看護師さん「それは無理ですね」
どうやら、ヘモグロビンの測定と献血対象者への精神的負担削減のために、指の先の血液を何滴か回収するそう。
最初に慣れとしての意味もあったのだろうが、ぼくは死ぬほど動揺してしまった。
ゆゆ「しょうがないですよね。やります。」(覚悟を決めた)
看護師さん「やめてもいいんですよ?」(にこやかに)
ゆゆ「いや、でもここまできたんで。やるしかないです。」(覚悟を決めている)
看護師さん「全然無理しないでいいんですよ?」(心配そうに)
ゆゆ「大丈夫です。やります。」
看護師さん「すごく手が震えていますが…」
えぐい震えてるやん!!
ええ!?
ぼくの手はスーパーマリオ3の最終ステージでクッパがヒップドロップした時の震えくらい震えていた。
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