画伯


今日はこどもたちと狂ったように絵を描いた。

1時間同じ場所に座って動かず、

裏紙を何十枚も使って
クレヨンで手を真っ黒にしながら描いた。


いま一緒に過ごしているクラスのこどもたちとは
2年目になるのだけど

去年、というか今年の春〜夏までは

マルをひとつ描いて
またはぐちゃぐちゃ〜となぐり描きをして

「これはでんしゃ」「これはあんぱんまん」

くらいしか言ってなかったのに、



なんなら

「やっぱりこれりんご!」

「いや、変わるんかい!」

みたいな感じだったのに、




急に

「これはキリンが高いところで草を食べてるところ」
「これはロボット、ここが操縦席でビヨーンって伸びる」

とか言いながら

顔や身体のパーツを描いて、
なんなら背景まで描きはじめちゃうもんだから



「え、ちょ、まっ、、、」

とこちらの気持ちが追いつかなかった。




「ねぇ、ペンギン描いて」とか
「〇〇くんの顔描いて」とか

言われて描いているうちに
わたしも本気モードになってきて

ガチで描き始める。

他の先生たちには申し訳ないが、
もはや自分の仕事を忘れて絵を描いていた。




そうすると、こどもたちも
謎に負けじと描き進める。

「え、これ上手くない?」とか
「うわぁ、そのアイデアいいね、やられた!」とか

「一緒に描こう!」とでっかい紙に描いて
「ここが違う」「もっとこうしたい」とか

やいのやいの言い合ってると
あっという間に時間が過ぎて、面白かったなぁ。



先生という立場から降りて
こどもと同じ場所で遊べた感じがして

というか、こどもたちの場所に
「おじゃましま〜す」って感じで、

入るのを許されたというのが
正しいのかもしれないが

嬉しかったなぁ。



最近わたしが求めていたのは
こういう時間だったかもしれないなぁ。





1時間も絵を描いてると
流石に疲れて「もうおわるー」と退席する子
お迎えが来て帰る子

ちょっとずつ人が少なくなってきて
もうそろそろ終わりかなぁ、寂しいなぁ、
なんて思ったりして。




最後に、バラを描いたら

隣に座ってる子が
「ん、、、?それなに、、?くもかいてるの?」

「えっと、バラだけど、、」

「、、、、、カワイイ!(苦)」

と言ってくれた。。
気を遣ってくれてアリガトウ。。



そしてお絵描きの会は自然と解散となった。

わたしの渾身の薔薇が、
解散の決定打になったのかもしれない。


ちなみに、そのバラはその子にあげた。

最後まで「、、、カワイイ!(苦)」と言ってくれた。





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