ストVメモ:相手の起き上がりに対するフレーム消費の考え方

本田のとあるセットプレイの話をする前提になる話で、わりと一般的なことなので説明のためにまとめました。ちなみにルシアを例に使ってますが、フレーム状況が説明にちょうどいいという理由により使っているだけでルシアのことは全然知りません。

起き上がりを攻める際のフレーム消費

格ゲーにありがちな行動として、相手の起き上がりにあわせて、事前に攻撃の空振りやダッシュなどでフレームを消費して、毎回一定のタイミングで攻撃をしかけることができるようにする、俗にいうフレーム消費というものがあります。

ストIVでは前後択など見えないセットプレイを構築するために使われがちだったフレーム消費ですが、ストVでは前後択がほぼなくなったためそういった用途で使われることは少なくなりました。

ストV発売後すぐのPS4環境では遅延がひどかったため、起き上がりの受け身を判別し正確に技を重ねることが難しく、フレーム消費で一定のタイミングを作り確実に技を重ねるために使われることが一般的でした。そのためストVでフレーム消費といえば技を上手く重ねるための行動という印象があります。攻撃判定持続の長い技による受け身両対応セットプレイなどはその代表といえます。

技を重ねるためのフレーム消費の問題点

しかし、現行ではゲーム自体の遅延も減り、さらにPC版への移行やモニター性能の向上など様々な要因により起き上がりに技を重ねるという行動自体はそれほど難しいものではなくなりました。

そうなると起き上がりに技を重ねるためだけにフレーム消費をするという行動の欠点が目立つようになります。

たとえば、ルシアのチェーンコンボのあと、ダッシュをすると通常受け身に対して6フレ有利の状態になるため、最速で中P(5フレ発生、持続3フレ)を出せば起き上がりに重なります。ただし、密着から6フレ有利の状況だと後ろに下がっても投げ間合いを外せないため、無敵技を警戒しガードを選択すると相手の遅らせグラに投げられてしまいます。遅らせグラに対抗する選択肢として、ガードからの遅らせ投げという手はありますが、攻めているにもかかわらずいまいち逆択に対して消極的な選択となってしまい面白くありません。

フレーム消費からの初手シミー

上記の欠点を改善した行動が起き上がりへの初手シミーを狙ったフレーム消費です。

フレーム消費で狙っていく有利フレームの基準を、技を重ねるためではなく、相手の起き上がりの状況から後ろに何フレーム下がれば投げを避けることができるかを基準にします。

たとえば先ほどのルシアのチェーンコンボ後の場合、2弱Kでフレーム消費をすれば9フレ有利を作ることができます。そこからであれば相手が起き上がりに通常受け身をとって最速で通常投げを出しても、後ろ下がりで間合いを外すことができます。

この行動のいいところはシミーをせずに打撃や投げを重ねたい場合は単に後ろに下がらなければいい(その場維持、もしくは前に歩く)だけなので、技を重ねるために行うフレーム消費より選択肢を手広く持てるところです。

起き上がり後の投げは遅らせグラップとして出されることがほとんどなので、おおよそ10フレ程度有利を作れば、平均的な移動速度のキャラの場合、密着からでも後ろに下がることで投げをかわすことが可能です。後ろ下がりを見て投げ抜けをしないように判断しようとしても、行動開始が起き上がり10フレ前からになるため見てから判断は難しく、強い選択肢になります。

フレーム消費からのバクステによる無敵技/遅らせグラップ対策

上記の応用として後ろ下がりのかわりにバクステにより、無敵技と遅らせグラップの対策をする方法もあります。

後ろに下がる場合は、10フレ程度の有利フレームが必要でしたが、バクステの場合、有利フレーム数問わず投げは確実にかわすことができ、無敵技によるリバサはバクステの性能とリバサで出した技の攻撃判定の広さにもよりますが、距離を利用してかわすので、フレーム要件が後ろ下がりより緩くなるところが利点です。

詳細なフレーム状況の一例としては、ルシアのチェーンコンボからダッシュをした場合、前述の通り6フレ有利の状況になります。その際相手が3フレ遅らせグラップを入れると投げの全体フレーム24フレと合わせて起き上がり後27フレが相手が無防備な状態になります。ルシアは6フレ有利な状況から全体フレーム21フレのバクステを出すので、相手が起き上がってからのルシア側のバクステの残りフレームは21-6=15フレとなります。つまり差し引き27-15=12フレとなるので、バクステ中に投げを出した相手に対し12フレより発生が早い攻撃を出せば相手に当てることができます。

ただし、無敵技の攻撃判定がバクステの下がりでかわしきれない場合はそもそも無敵技対策としては成立しない点と、相手が手を出していなかった場合は不利フレームを大幅に背負うことになる点には注意が必要です。

まとめ

長々と書きましたが簡単にまとめると次のようになります。

  • 起き攻めのフレーム消費で最速で技を出した場合に重ねやすいフレームを作りがちだけど、ストVではそれはそこまで強い行動ではない。

  • 起き上がり密着からの場合は、10フレ有利くらいの状況を作れると技を重ねるだけでなくシミーまで含めた選択肢が作れるので強い。(フレーム数は自キャラの後ろ歩きの早さ、相手キャラの投げ間合い、相手との距離により前後する)

  • バクステを使用することで投げをすかす場合の有利フレームの条件を緩くすることができる。ただし、相手が手を出していない場合は大きな不利フレームとなるので注意。

以上です。

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