ゆゆ
なんとなく抵抗があった 韓国アイドルが好きな10代がするのが 黒いマスク かっこつけているような そんなイメージ だけど オシャレで好きな芸能人が 黒いマスクをしているのを見て 何やら小顔効果もあるとかないとか マスクにオシャレも何もないとは思うけど 買ってしまった 付けてしまった 私だけが感じるドキドキ感 新しく買ってお気に入りの服で 鏡見た自分が今日は調子の良い日 …そんな時と同じドキドキ感 マスクなのに 変な時代
やっとのことで、一般病棟に 移動できたパパの様子が 分からぬままモヤモヤして 数日 突然、都内にいる姉に病院から連絡が来た 入れ歯とメガネの差し入れをして下さい、と。 まさかの面会のできた姉から 仕事中に連絡が来た 今ならパパと電話できるけど 少し仕事抜けれる？ 大興奮で職場の外に出た 聞こえたパパの声に 嗚咽するくらい号泣して 電話の向こうのパパも泣いていた 高齢だから何があってもおかしくない そんな心構えなんて脆いもんで 両親の生死を彷徨う
毎朝バナナとヨーグルトを 食べる習慣にした もう４ヶ月も続いてる 何かのテレビ番組で バナナとヨーグルトが免疫力を 高まる効果が一番あるとかないとか りんごダイエットが流行れば 翌日からりんごがスーパーから なくなった ように 私は簡単にテレビの情報に 乗っかって 乗っかり続けて４ヶ月 これが元々苦手な食べ物だったら きっと３日で辞めている 本当に重要なのは 免疫力はどうなったか …分からない でもバナナとヨーグルトは おいしい バナナ
パパは大動脈解離でギリギリのタイミングで 運ばれた すぐに緊急手術になり９時間もかかった 健康で楽天的なパパの突然の大事件に 家族は 娘の私は不安でしかなかった 無事に手術も終わり 長年の喫煙習慣で呼吸器がなかなかとれず 長時間の麻酔投与で意識もすぐに戻らず その現状は電話で教えてもらった 世間ではコロナ感染が騒がれている まだまだ減らない都内の感染状況 病院は院内感染の危険と隣り合わせで 面会は禁止だそうだ それは充分理解できる事だ 出産も家族の
ベランダに出るとすごい月が明るくて 外が明るいくらいの夜がある こんなにもライトが輝く世界になったのに 月あかりの眩しさで明るい夜があることを びっくりする そんな日
急だったし 第六感なんてものは全くなかった。 パパが救急搬送された 大動脈解離 あと１本遅ければ…のタイミングだった ９時間の大手術 一日経った今も意識は戻らない 今年はなんて年だ 何て日だ…まさに。 パパが大好きだ。生まれ変わったら 絶対結婚したい 当たり前に元気な人で まぁ、歳も歳だからそのうち パパの寿命が来るもの くらいの気でいたことの甘さに 心が張り裂けそうになる 気を紛らわせる手段に溢れた時代に こんなに助けられる日が来るなんて
いつも後悔ばかりだ いつもテレビに出ている人たちを自分自身に投影して妄想する あの時違う選択をしていたら
