【.*子供に安心をプレゼント・小児救急の実際*.】
小児救急とは
救急といえば心臓マッサージをしたりたくさんの薬剤を使ったりというイメージがあるかと思いますが、それは「3次救急医療」という分野でありますが、わたしが小児救急で大事だと思っているのは「予防と準備」です。
「もう少し早く気づいていたら」
「もう少し何かできたら」
後悔する前に、その選択肢を増やしていきたいと思って日々勉強を重ね、活動しています。
.**予防**.
「もっとこうしていたらよかった」
を減らすために気を付けたいこと。
もちろん、予防接種は大事ですね。きっと私よりお母さんたちのほうが詳しいと思います(笑)
私が思う「予防」は、「予防接種」を含めた「リスク対策」です。
厚生労働省の調査により小児の死因の上位に「不慮の事故」が毎年上がっています。0歳では窒息、1歳以上は交通事故が多く上がっています。
先天性疾患によるものももちろん多いのですが、視点を変えると、防ぎえた死が多いといえます。
「どんな原因、どんな事故があったのか」
見聞きする機会があるだけで、その分防げる可能性が多くなります。
医療の世界では「インシデントレポ―ト」というものを書いて危険を共有し、先手で対策を打ち事故を未然に防いでいます。
ヒヤリハット:事故に至る前に気付いて未然に防いだもの
インシデント:間違いがあったが結果として患者に影響を及ぼすに至らなかったもの
アクシデント:直接患者に影響があった事故
ハインリッヒの法則といって、1つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300のインシデントが存在するという法則があります。なので、上記の分類に分けてレポートを提出し、対策を重ねています。
「何があったの?」
という言葉は、時に責められているように感じます。
「自分が悪いことくらいわかってる」「自分のせいだ」
そう意識があったからだったんだと今になって気づきました。
臨床時代はそんな感情に押し潰されそうになっていました。
でも今医療の世界を見れば「未来を救うために必要なこと」「情報・分析は未来への財産」だと思うのです。
世の中の子育てを頑張っているお母さんたち。
「自分のせいでケガをさせてしまった、させるところだった」
という声をきくことが多くあります。
一人で抱えないでください、自分を責めないでください。
一人では限界があるし、そもそも十分頑張っているから。
頑張るだけでは自分の経験の外の事故は防ぐのが難しいことが多くあると思います。みんなで少しずつ不安を共有しながら、明日起こるかもしれない事故を防ぐために考える場所を、作っていけたらいいなと思っています。
・・・・長くなってしまったので一旦この辺で(笑)