床屋

路地裏の
床屋の老主人は
ソファに腰掛けて
うな垂れていた

まるでソファに
沈み込みそうなほど
深く頭をもたげ
うな垂れていた

疲れ果てたような
何とも悲しい姿だった
店の中も薄暗くて
どうにも悲しかった

天気の良い日だった
赤、青、白の
床屋の看板は忙しく
クルクルと回転していた

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