オフィスビルへの入居とカルチャーショック
2001年、私たちはついにオフィスビルの1室へと引っ越しました。オフィスは受託団体の学会が借りてくれ、棚やオフィス家具などの設備も、私たちが身銭を切ることはありませんでした。何よりもありがたかったのは、自営業として活動した2年間、相方が給与等の必要経費以外の余剰金を残しておいてくれて、半分を私に渡してくれたのです。これは初期の経費にあてがうことが出来て、安月給の一主婦としては本当にありがたかったのです。
新しいオフィスビル、新しい家具、と浮かれていたのも束の間、ネットの工事は2週間以上前に予約したけれども、入居には間に合わなかったような・・・電話は構内電話の利用をお願いしていたのですぐに開通しました。どうやってネット環境を整えたのか、などは詳しくは覚えていませんが、たぶん学会関係者の先生方に助けていただいたのでしょう。いや、出入りのコピー機屋さんだったかな?(笑)
我々の会社としての設備投資は、ドメインをとること、ホームページを作成することでした。最初はホームページもなくて、E-mailアドレスを作ったぐらいではないでしょうか。半年ほどたってからようやくホームページを開設したように思います。初期のホームページのデザインも覚えていないなぁ、今思えば残しておけばよかった。
入居後はインキュベーション施設としてオフィスビルの担当者がちょくちょく様子を見に来てくれます。同じ施設内の会社や、年代の近いベンチャー会社の社長さんなどを仕事先として紹介してくれたりもしました。そこで、私はいきなり壁にぶち当たります。
「よく考えたら、まともな社会人生活をしたことが無い、企業に就職したことも無いやん。初対面の方との挨拶の仕方や名刺交換のやり方が判らないー!!!」
ちゃんとスーツを着た大企業出身の担当者のお兄さんは、それはそれはサラリーマンの鏡のような立ち振る舞い。相手に失礼のない話し方、絶妙な名刺交換のタイミング。あれ?名刺ってどっちから出すの?どちらが先に受け取るの?会議の席で座る場所に上座下座があるくらいはさすがに知っているけどさ、学生気分のままゆるーく生きてきた私、基本的なビジネスマナーって全く知りませんよ。些細な不安が、色々増幅していきます。
企業で働く方が眩しく見えます。周りにいる人がみんな成功者に見える。何も知らない井の中の蛙の私が、いったいここで何をするのだ!???
つづく
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