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「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問

サマリ

具体と抽象という概念について、この二つの言葉の行き来も含めて身につく本。個人的にはなぜ不毛な議論は無くならないのかのセクションが面白かった。人は自分のことは具体的に特別に考えるのに、他人に対しては前提条件や背景などを考慮することなく、抽象的な一般論を振りかざし、自己の正当化を図ることが得意だ。この対人コミュニケーションの差分を解消するにはどうすればいいのか?一つは自己の客観化、もう一つは他者のコンテクストの理解だ。

具体の学びを抽象的な学びへ

一つインプットできたことを言語化するとするならば、具体と抽象の行き来、往復の思考回路のことだろう。例えばAという学びを仕事の中で得た時に、これをAとは横並びではない、(具体の幅ではない)縦の動きであるA’に昇華させ(抽象化させ)、別の時にBの学びを得た時に、つまりこれはA’だと気づくことになる。ピラミッドで表すとA’が最も高いところにあり、その下にAとBがあることになる。もっというと、Aという具体の学びを得たときに、これはつまりA’ということだとメタ的な抽象度の高い学びを得て、勝手にBの学びを体得することである。その時には、なぜAという学びを得ることになったのだろうかと、裏側の背景やそのコンテクストを考えることで、A’を体得し、必然的にBの学びを得ることになる。このことは意識的ではないと、Aという具体の学び一つで終わることになり、勿体無い。

日常での思考回路のアップデート

それでこういうのは、読んだだけだと頭が良くなった気がするのだが、実際の生活の中でこの思考(学び)を、今回なら「あ俺抽象と具体を行き来したわ」的な瞬間を作っていかなきゃならんと思う。一つ思うことは、会話していること、目の前で起きている会話が、抽象度が最も高い状態を三角形の頂点として、具体のレベルが最も高く万人に理解できる状態を三角形のボトムとするならば、今私は(ひいては今私と会話している相手は)どのあたりの座標で会話しているのかを認識しなければならん。この座標の位置が二人して、あるいは皆んなしてずれたままで会話するので、フラストレーションが溜まるのだが、じゃあどうすればいいのかというと簡単にいうならば、私と複数人が同じポジショニングをしているのかを思考すれば良い。もしずれているならば目線合わせをすればいいし、一致しているのならば、そこでのコミュニケーションや依頼ごとは快適になること間違いなし!

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