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詩 煌びやかな者達よ
かの中原中也も 悲しみに暮れていた。
僕は彼を模倣して黒のロングコートを羽織り、
同色の帽子を目深に被る。
悲しみが汚れているのかはわからない。
だけど、押し隠すような黒の色は
僕の心を密かに喪してくれるから、好きだ。
今夜は冷えるかな。
見上げた白霞すむ空に雪を想う。
僕はかじかむ両手を揉みながら、いつも通り、凍えた街へと向かっていく。
決して吐き出せない澱みを
沸沸、ぐつぐつと煮えたぎらせながら。
黒いマスクの下で噛んだ唇の血を音もなく、啜りながら。
いつの日か全てが真っ白に染まる時をただ、待ち望む。
メリークリスマス。
飾り付けられた光に色めき立つ雑踏達へ。
モノトーンの僕より 愛を込めて。
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