見出し画像

詩 雪のように

冬を漂わす夜の匂いが、ビルの谷間に漂っている。
もう一月もすればこの場所に、煌びやかな光を纏う大きなクリスマスツリーが聳えます。遥か遠い地に去った貴方はきっともう、忘れたのでしょうね。
 
貴方と過ごした密な日々。霞がかった思い出の欠片を寄せ集めて、私はいつも西の空を見ています。落ちた陽は地平線の向こう側、もう二度と浮かび上がる事は無い。そんな事はとうに、わかっているのに。

元気ですか。身体は大丈夫ですか。

文字に出来る言葉はいつも、そんな差し障りのない言葉ばかり。本当に伝えたいのは、一言。

愛してます。

ただ、それだけなのに。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?