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インナーゲームの中で、不思議な本『インナーテニス』

インナーゲームの初版は『The Inner Game of Tennis』です。
しかし、『インナーテニス』という本をご存知ですか?
インナーゲームとインナーテニスは、別な本です。

私は、このインナーテニスが結構好きです。
インナーゲームの理論は、初版のインナーゲーム、今は新版になっていますが、こちらの方がより理論的で、インナーゲームを見つけた過程もあって、分かりやすいです。

インナーゲームはどんなもの?
インナーゲームを使ったらどうなるの?

という事を知りたいなら、インナーゲームを勧めますが、インナーゲームはどんな事に応用できるのか知りたいなら『インナーテニス』がお勧めです。

目次
プロローグ
インナー・ゲームとは?
 セルフ1とセルフ2
 努力こそ上達の障害
 静かな心の追求
 判断をしないこと
チャプター1
奇跡のボール注視法
 苦手意識って何だ?
 あなたも三枚目なのだ
 「はずんで、打って」練習法
 コーチ不要のタイミング効果
 上級者は耳でテニスを聞け
 出遅れドライバーの習性
 バウンド地点の確認実験
チャプター2
先入観をぶち壊せ
 キング夫人のケバケバ注視法
 ボールで絵を描いてみるか
 カボチャはカボチャなのか
 未知との遭遇・セックス応用術
 正直な万引き男の話
 球が大きく見えればしめたもの
 ボールに乗ってみよう
 スーハー方式の精神集中
 ボールの中にパワーがある
 狙わなければ勝てる
チャプター3
内側への意識の集中
 コンピュータを邪魔するな
 感覚と思考の違い
 ヨガのテニス
 「現実」から離れない練習法
 ランニングへの応用
 未成年読むべからず
 でぶっちょモリー
チャプター4
自然に上達するテニス
 だれがメアリーを教えたか
 内在する”知恵”を信じよう
 自分の癖はわからない?
 なぜ自然に上達してしまうのか
 “力み”の解消法
 筋肉痛も治療できる
 パワーの増大法
 カッコよくプレーする方法
チャプター5
真の自信の追求
 自分の能力をワクにはめるな
 プロの役を演じてみよう
 カラから飛び出せ
 三回でダメヨーの人
 飛ぶのが怖い?
 〔わい曲・その1〕無い穴を埋める
 〔わい曲・その2〕誇大妄想
 〔わい曲・その3〕本質と形
チャプター6
勝つ意志のコントロール
 なぜ「負けたい」のか
 ゲームの本質とは何か
 意志の鍛え方
 インナー・ゴール

著書インナーテニス

特にチャプター2とチャプター3はテニス以外にインナーゲームを活用しています。
スポーツでの瞑想、マラソン、ダイエット、しまいにはセックスと、キワモノ感は半端ないです。

しかし、それもテニスと同様、セルフ1の妨害がセルフ2の能力を妨げるというのに変わりありません。

ダイエットでは、インナーゲームで『はずんで、打って』でガルウェイからテニスを学んだ、でぶっちょモリーが、インナーゲームを使ってダイエットをします。

買い物に行く前に、どの食材を体が求めているか集中する。
セルフ1が口を出してきて、体が求める声セルフ2との聞き分けに苦労したみたいですが、その声に従って時にはキャベツばかり数週間食べたり、こんなに食べても良いのか?というセルフ1の声に晒されながら、セルフ2に従うだけで数キロ痩せてしまった。

食べる物を我慢して、毎日運動をして、というような努力するダイエットではありません。
むしろ努力しないのに、痩せてしまいました。

しかし痩せはしましたが、モリー自身が求める体重にもなれていません。
それは、自身が求める体重はセルフ1が決めたことで、セルフ2が求める体重と異なるからです。


インナーテニスの冒頭に、ガルウェイがこれは実践書だと言っています。
インナーゲームが教科書なら、インナーテニスは体験本です。

なので、インナーゲームは理論的な感じがしますか、インナーテニスはガルウェイがより自分を晒したような感じがします。
セックスに言及するのもそうです。
『前から知ってる女だ』、『いつもと同じセックスだ』、『飽き飽きした』というセルフ1があることで、セックスレスや男性器機能麻痺などが起こりやすいと書いています。

他のインナーゲームシリーズも、スキー、ゴルフ、音楽などの実践書ではありますが、やっぱり理論的な感じです。
このインナーテニスだけが、他の本と違い読んでいて面白いです。
ガルウェイが、インナーゲームってこんなことにも使えるんだよねって言ってくれている印象がします。

最後のチャプター6『インナー・ゴール』でも、

人は愛は他人から受ける者であり、喜びは外的な戦いを勝つことによって得られると思っている。が、そうではない。
すべての愛も、幸せも、それらは各人の内側に存在しているに違いない。

と書いており、スポーツの能力を伸ばしたり、力を発揮するインナーゲームから飛躍したことを書いたなと思いました。

書籍の売上を考えれば、インナーゲームの活用法を中心に書くべきで、愛や幸せについて言及してしまうと、スピリチュアル本とも捉えられかねません。
しかし、これはガルウェイ自身のセルフ2が書いた、本当に書きたいこと、という印象も受けます。

不思議なことに、洋書ではこれだけ電子書籍がありません。
インナーゲームは、全6冊(新版含めると8冊)ありますが、なぜかこれだけ電子化されていません。
やっぱり、ビジネス的な書籍とテイストが異なるからでしょうか?

ただ、私の考えも、このインナーテニスと同様です。
スポーツや仕事だけでなく、実生活にも活用できます。

使ってくださいというよりも、使った方が良いよねって感じです。
それは、『心』を扱った本だからです。

自分を褒めたり、ポジティブになったり、性格を変えたり、そういう方法ではなく、自分自身であるための方法だからです。
今の自分を否定して、理想的な自分になるための方法ではないからです。

今のままで良い。
本当に必要があるなら、そうなるように変化できる、という事を教えてくれている気がします。
自分を強制しないこと、頑張りすぎないこと。
自分を甘やかす方法ではなく、自分の能力を信じてそれにゆだねる、インナーゲームの本質だと思います。

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