ラルクファンにこそ読んでほしい、ラルクの魅力ってこうじゃない?
2024年3月31日の、関ジャム 完全燃SHOWにて「L'Arc~en~Ciel特集」が放送されました。
また「ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND」の、4月6日、7日のさいたまスーパーアリーナと、4月13日、14日の横浜アリーナをライブビューイングで参加しました。
その熱も少し落ち着いたタイミングで、音楽未経験者で、ボーカルとかベースとか音楽のなんたるかは語れない目線で、ラルクの良さについてお伝えしようと思っています。
ラルク知らない人のためじゃなくて、ファンのための考察ですね。
こうじゃない?
世間一般的な、よい曲ではない
私は、ラルクの曲はすごく良いと思っています。
しかし、世間一般的に言われるような、良い曲ではないというのは、感じています。
だからこそ、その魅力を語りづらく、また馴染みない人たち、例えば会社の飲み会などでのカラオケでは歌いにくいと、思っています。
世間一般で言う、良い曲とはなんでしょうか?
・歌詞がささる
・歌詞に共感できる
・テンションが上がる
・気持ちがハッピーになれる
なんとなく想像すると、誰もが知っているこうした曲ですね。
・世界に一つだけの花(SMAP)
・栄光への架け橋(ゆず)
・未来予想図II(DREAMS COME TRUE)
・TSUNAMI(サザンオールスターズ)
いわゆる名曲といわれる曲を想像すると、良い曲とは、「心を動かされるような曲」という感じがします。
歌詞も素晴らしいですし、気分が上がったり、心が温かくなったり、ポジティブになれるような曲ですね。
正直なことをいうと、ラルクの曲では、こうしたことは期待できません。
というより、確かにラルクの曲には、このような気分が上がったり、心が温かくなったり、ポジティブになれるような曲もあります。
しかし、ラルクの魅力とは、むしろこの逆だと私は思っています。
「ネガティブ」を受け入れる曲です。
「ネガティブ」を受け入れる曲とは?
それは、ネガティブになる曲ではありません。
ネガティブを受け入れる曲です。
誰でも、喜怒哀楽のなかで、嬉しかったり、楽しかったりするだけでなく、悲しかったり、怒ったりする時があります。
むしろ私は、この怒ったり、悲しかったり、不安だったり、緊張していたり、という時の方が多いかもしれません。
「ふつうだったら」、こうした感情は一刻も早く解消したいので、テンションを上げようと頑張ったり、楽しいことをしたりして、なんとかしたくなるところです。
しかし、そうじゃない人もいます。
ただ、怒ったり、悲しかったり、不安だったり、緊張していたり、といった感情のままでいたいような、そうじゃないような。
テンションを上げたいとか、嬉しくなりたいというわけでもない、感情といいましょうか。
こういう感情のときって、いわゆる世間で言う良い曲は、まぶしすぎます。
光が強すぎて、聞いていられない。
だからといって、このままの感情でいたいわけでもない。
単純だったら、簡単なんです。
テンション高い曲聞いて、イエーイでいいんですから。
でも、そうじゃなくて、自分でも分かっている面倒な感情。
ラルクは、こうした感情を受け入れてくれる曲が多いと思っています。
歌詞よりも音
いい曲を表現する時って、「歌詞がいい」って良くいうじゃないですか。
ただ、私は音楽って、音が好きな場合と、歌詞が好き場合と2パターンあると思っています。
そして、ラルクは音が良いと思っています。
だからこそ、魅力が語りづらいとも思っています。
それは、歌詞が悪いということではありません。
むしろ、音の世界観を壊さない、邪魔しない歌詞なので、音を優先する曲からしたら、歌詞はめちゃくちゃいいです。
しかし、音ありきの歌詞なので、感情を動かす歌詞になりにくいとも思っています。
なぜなら、感情を動かす歌詞だと、歌詞に注意がいってしまい、音の魅力が半減してしまうからです。
ラルクは、カラオケで歌うと、とても気持ちの良い曲が多いです。
それも、音を優先しているからだと思うのですが、メッセージ重視ではなく、音に合わせた歌詞だから、音に乗りやすい。
だから歌っていて気持ちはいいんだけど、メッセージ重視じゃないから、カラオケで歌詞が表示されると、なんだか恥ずかしくなってしまうことが多いのではないかと思っています。
ラルクはあくまでロック
ラルクを語る上で、ロックだということは外すことができません。
じゃあ、ロックとはなんなのか?
音楽がどうとかは語れないので、私はロックとは「かっこいい」かどうか、だと思っています。
じゃあ「かっこいい」とは、なんなのか?
戦隊モノのヒーローをご存知でしょうか?
私の世代では、レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクがいて、かっこいいとは、だいたい赤とか青です。
正義感があって、仲間思いで、強い。
で、緑、黄は、太っていたり、おっちょこちょいで、ピンクは女子。
だいたい、こんなイメージです。
しかし、途中でブラック、ホワイトが、現れます。
こいつらは、最初は敵なんです。
しかし、途中から仲間になります。
だけど、みんなと仲がいいわけではなく、わりと一匹狼。
自分の信念に従って動くけど、大事なところで助けてくれる。
私のなかで、一番カッコいいのは、ブラックです。
日の光は当たらないけど、ちゃんとみんなのことを思っているカッコ良さです。
で、ここでロックとは、に戻りますが、「かっこいい」とは、実は多種多様ということが言いたく、戦隊モノを例に出しました。
グリーン、イエロー、ピンクはかっこいいではないけど、レッド、ブルーはストレートなカッコよさ。
そして、ブラック、ホワイトは、好きな人からは熱狂的なカッコよさ。
だからロックを語るときは、あれはロックだよ、いやあれはロックじゃないよ。という議論が起こります。
レッド、ブルーみたいな、ストレートのカッコよさは、みんながロックだと言う。
でも、ブラックとか、ホワイトのような、最初は敵だったし、なんだかチームの場を乱すようなやつは、カッコよくないと思う人もいたり、いやあれこそが本当のカッコ良さだと思う人もいる。
そのカッコ良さの基準が違うから、ロックかどうかの議論が起こります。
しかし、ロックの根底にあるのは、「かっこいい」かどうか。
そして、ラルクはロックです。
それは、どの曲も共通していると、私は思っています。
なので、どの曲も「かっこいい」を基準に作られています。
ラルクの音楽の魅力があわさると?
このままだと、あまりラルクの「良さ」が伝わっていないので、ここからがラルクの曲の良さです。
これまで、ラルクの曲の特徴について説明しました。
・ネガティブを受け入れる曲
・歌詞よりも音
・ロック
私は、これらをまとめてラルクの曲とは、喜怒哀楽の、「怒」や「哀」のままでいいと思える、居場所を与えてくれる曲だと思っています。
あー!!もう!!
もう嫌!!
なんでいつもそうなるかな・・・
っていう、吐き出しづらい感情ってあるじゃないですか。
でも、そういう感情って、普段さらけ出すことって難しいですよね?
世間の目がありますから。
ラルクの曲って、この辺の感情っぽい曲が多いと思います。
感情っぽいというか、こういう感情に浸れる曲ですかね。
やっぱり音楽って売れるために、世間が求める曲を作る、というのがあると思います。
そうじゃなくて、やりたい音楽をやっている方もいますが、「売れる」を求めると、やっぱりどこかで、「世間が求める曲」というのが外せなくなります。
そうなると必然的に、良い曲を目指すことになり、「心を動かす曲」になっていきます。
ラルクの異常性
そういう意味で、ラルクは少し異常な部分があります。
同時発売された、下記の3曲。
・HONEY
・花葬
・浸食 -lose control-
HONEYは、ラルクの代表曲となっていますが、「花葬」、「浸食 -lose control-」あたりは、よくこれをメジャーで発売できたな…と思う曲です。
花葬は死を連想するような曲ですし、侵食は精神障害を連想するような曲です。lose controlで、自分をコントロールできないって感じの曲ですから。
私は、これらをメジャーで発売できたのは、hydeさんの作詞能力のおかげだと思っています。
私は、よくラルクを表現する時に、GLAYが愛をストレートに伝えるなら、ラルクは愛をストレートに伝えないバンドだと表現します。
愛を伝えているんだけど、愛していると伝えない魅力といいましょうか。
夏目漱石の言う、日本人なら愛していると言わずに、月が綺麗ですねと表現する、というような、オシャレなような、もどかしいような。
hydeさんには、こうしたシャレオツな、作詞能力を感じます。
その作詞ゆえ、花葬、侵食など、一般的には音楽として表現しづらい、表舞台に出しづらい曲を、hydeさんの歌詞でやわらかく表現することで、発表できていると思っています。
なぜラルクの曲をいいと感じるのか?
私は先ほど、ラルクの曲は、喜怒哀楽の、「怒」や「哀」のままでいいと思える、居場所を与えてくれる曲だと思う、と言いました。
それは、けっして気分が落ち込んでいる時や、やるせない気持ちの時に、気分を解消してくれる曲ではなく、今のままの気持ちでもよいと思わせてくれる魅力です。
なぜそう感じるのか?
あー!!もう!!
もう嫌!!
なんでいつもそうなるかな・・・
っていう、吐き出しづらい感情って普段さらけ出すことが難しい。
それは、先ほどお伝えしたように、世間の目がありますし、なにより、その感情を誰かにぶつけたいわけでもない。
ラルクの曲のfateの制作について、過去にKenちゃんがこのように言っていました。
これを聞いた時に、これってその時感じた感情を、そのまま曲にしているんだな、という印象を持ちました。
音楽でこうしたいではなく、感じたままを表現する、アートだなと。
だからなのか、私はKenちゃんの作曲する曲が、好きなものが多いです。
音楽がストレートに、感情をゆさぶられる曲が多いなと。
楽しい気分になれるとか、感情を変えられる曲ではなく、あのときの感情を感じられる曲という感じでしょうか。
歌詞に共感するのと同じように、曲に共感する感じです。
歌詞がいい曲=なんでいい曲?
なんで歌詞に共感できる曲がいいと感じるのかって、自分のその感情を思い出して、分かる分かるって感じたいからなのではないでしょうか?
だから、失恋ソングとかの、ぶつけようのない感情を表現する歌詞に共感する方が多いように思っています。
自分の感情を、自分で「受け入れる」。それを、どこかで求めているところがあるのかもしれないですね。
で、なんで私は歌詞に共感できないのかって、歌詞ってあまりに表現がそのまま過ぎて、なんだか照れ臭いんですね。
世間で歌詞が良いっていう曲って、なんだか照れくさくって、素直に聞けない。
だから分かる分かるって、ならない。
ラルクの曲は何がいいのか?
じゃあ、ラルクの曲ってどうなのか?
・感じたままの感情を、音楽で表現
・愛していると言わずに、月が綺麗ですねと表現するような、あいまいさ
これは、感情の表現です。
普通なら、歌詞で表現して、そうそうこういう気持ち、あのときこう感じていたよね、って共感するところを、音で共感できる表現力ですかね。
そこに、
・ロックなカッコ良さ
このロックなカッコ良さが加わることで、この感情でいいじゃんって思える。
歌詞がささるという人たちの、この歌めっちゃ分かるんです!って受け入れられる素直さがない私には、この歌めっちゃカッコいいっていう受け皿がある。
恥ずかしくて、この歌詞めっちゃ共感できるんですよ、なんて言えませんよ。
でも、めっちゃカッコいい、なら言える。
不思議とラルクの音楽は、音に共感できる。
それがラルクの曲の魅力。
だから、めっちゃいい曲と「感じる」けど、なんでいい曲なのか伝えられない。
歌詞がいいとか、楽しい曲だよとかストレートに言える音楽じゃないから、伝えるの難しいよね。
しかし言ってしまえば、音楽って分かる人には分かるものだし、まぁまずは聞いてみたまえよ、と言いたくなる魅力があるんです。
ライブチケが取れなくなるので、あまりファンは増やしたくないけどさ。
もちろんラルクの曲の中には、テンションが上がる曲もありますし、いわゆるな良い曲もいっぱいあります。
でも、ラルクで熱狂できるのは、音楽に陽と陰があるなら、ラルクの陰の魅力が強烈だからだと思います。
太陽があたって眩しいような、誰もがいいと思うような曲ではなく、月の美しさ、妖しさ、を感じるような曲。
正直なところ、ラルクのなかでも、太陽に見えるようなアップテンポな曲も、陰の中の曲のようにも感じています。
やっぱり世間一般的な、良い曲と表現されるような曲とは、ちょっと違うよなと思うわけですよ。
歌詞をあらためて見ても、曲はHAPPYな感じなのに、せつない感じの歌詞になっていたりするんですよね。
だからなのか、なんか魅力的なんですよ。
なんとなく、何がいいのか結論もなく書き始めたけれど、ラルクの音楽を長く聞いてきて、自分なりに表現できたような気がしています。
音楽の良さって、ボーカルの〜がとか、ベースの〜がって、いう表現の仕方が一般的だけど、それだと、音楽を知っている人しか語れないのが、もどかしくて、音楽素人でも表現できなかと思って書き始めました。
ちなみに、今回の「ARENA TOUR 2024 UNDERGROUND」で一番感動したのは、『Cureless』だね。
『All Dead』も聞けたし、『Taste of love』とかも、めっちゃカッコいい!だったけど、人様にいい曲だから聞いてみて、とは勧められない曲だし、やっぱり人を選ぶ音楽だよね。
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