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「withコロナ」銘柄としての半導体

年初の株式市場は堅調なスタートを切ったが、
その後のコロナ拡大により、世界の市場で歴史的な大暴落を経験した。
現在は中央銀行の金融政策や各国の財政出動等の経済支援策により、マーケット環境は回復に向かっている。しかし実体経済のダメージや感染拡大第2波の懸念により、相場の不透明感は払拭しきれていない。

今回は

コロナ禍を経験した2020年の業種別動向と今後の注目業種を紹介

日米指数は3月末の暴落から回復
・足元各国の積極的な財政出動や中央銀行の流動性供給により、株価は堅調な回復を見せ、その中でもITハイテク関連銘柄の買いが寄与
・日米ともにITハイテク関連銘柄の成長は不変であろうとの見方が広がる。象徴的な動きとして5月にはGAFA+Mが東証一部の時価総額を上回った
・ハイテク関連として代表的なGAFA+Mとフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は、S&P500を上回る回復が見られた
・投資家はコロナ禍でも中長期的な成長が見込める銘柄群を選好し始めた中で、それら業種の根幹となる半導体銘柄に注目した

※ GAFAM(ガファム)とはIT企業の雄と言われる5社であるG(Google)A(Apple)F(Facebook)A(Amazon)M(Microsoft)の頭文字を取った呼び方。
※ フィラデルフィア半導体株指数は、「SOX指数」とも呼ばれ、アメリカ合衆国のNasdaq PHLX(旧・フィラデルフィア証券取引所)が算出・公表する、半導体の設計・製造・流通・販売を手掛ける企業の株式で構成される単純平均株価指数。1993年12月1日を基準値100として算出され、世界の半導体関連の代表的な指数。

日本の年初からの業種別株価動向
・TOPIXは3/13に底をつけ、回復が見られるが、業種別でパフォーマンスの違いが顕著(1月末から6月までの期間で算出)
・短期的な物色の「ワクチン関連」の医薬品や「巣ごもり・買いだめ関連」の小売のほか
中長期的な物色が期待できる「ITソフトウェア関連」の情報サービスその他や電気精密が上位
・日本でも中長期的な成長が期待できる業種に目が向けられている

半導体銘柄とITソフトウェア関連
・半導体関連銘柄とITソフトウェア関連銘柄の「情報サービスその他」や「電機精密」の関係性を検証
・フィラデルフィア半導体株指数にも組み入れられる東京エレクトロン、SUMCO、アドバンテストを日本の半導体指数として、過去約3年のITソフトウェア関連業種との株価推移を観察
各指数がプラスに推移する中でも、半導体指数は2業種を大きくアウトパフォームした
・フィラデルフィア半導体株指数構成銘柄の好調なパフォーマンスが見て取れたことから、
「withコロナ」の中長期的な成長が見込める業種であると考察

今後の動向
・引き続き経済見通しは不透明ではあるが、
コロナ禍の影響が続く中でも成長が見込まれる
「withコロナ」銘柄を選定していくことが今後の課題であり、GAFA+Mを中心とするITハイテク関連業種に注目
・それと同時に5G、FA需要による設備投資関連や電子部品関連の成長性も期待が持てる
・国内の動向に関しても、5G、自動化、省力化、それから波及する設備投資需要は不変のテーマだろう。コロナ禍の影響は受けるものの、一定の中長期的な設備投資需要がある
・コロナ禍の経済影響を受けて一時的な調整は考えられるものの、以上のトレンドからその根幹をなす「半導体業種」の需要は旺盛であり、中長期的なテーマになるだろう

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