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米国失業率から適正株価を計算してみた

新型コロナウイルス感染拡大により、5/8に発表された米国の雇用統計は過去最大級の悪化だった。

しかし過去最大の失業率悪化を記録するも、株価への影響は限定的だった

今回は

過去の経済危機時の株価と失業率の関係から見た、現在の米国株価の適正価格を検証する

※米国株価の指標として、S&P500を使用。

まずは雇用状況をおさらいしておく
・非農業部門雇用者数は前月比で
ー2053.7万人と1939年以来の減少幅
・失業率は14.7%と1948年1月以来最悪
・新規失業者保険申請件数は
3348.3万件で5人に1人が職を失っている(3/15〜5/2までの統計)
・平均時給は前月比+4.7%
平均賃金の低いレジャー・娯楽、小売の雇用者数が大幅に減少したことで平均賃金押上げ

リーマンショック時の株価と失業率
・リーマンショック発生(2008年9月)から
株価は下落し、失業率も上昇
・株価はリーマンショック前の水準
(07年10月/S&P500:1549.38ドル)から
最大41%下落(09年2月:735.09ドル)

失業率は5.6上昇
(07年5月の失業率4.4%〜09年10月の10%)
・その後リーマンショック前の株価水準に
回復するまで2年半費やした

オイルショック時の株価と失業率
・オイルショック発生(1973年10月)から
株価は下落し、数ヶ月後に失業率も上昇
・株価はオイルショック前の水準
(72年12月/S&P500:118.05ドル)から
最大37%下落(74年9月:63.54ドル)

失業率は4.4上昇
(73年10月の失業率4.6%〜75年5月の9%)
・その後オイルショック前の株価水準に
回復するまで約2年半費やした

現在の株価と失業率
・コロナ発生(20年2月)から
株価は下落し、数ヶ月後に失業率も上昇
・株価はコロナショック前の水準
(19年12月/S&P500:3230.78ドル)から
最大20%下落(20年3月:2584.59ドル)

失業率は11.2上昇
(20年2月失業率3.5%〜20年4月の14.7%)
・雇用環境に関しては、過去最悪の数字が続き
来月には更なる悪化が見込まれているが、特段株価への影響なし
・経済活動再開への期待感が相場を下支え?

来月以降の雇用統計見通し
・4月後半から一部の州、地域で経済活動再開に伴い、職場復帰の動き
・一方、従業員数は平時の25〜50%程度に
抑えるガイドラインにより緩やかな回復
・それ以上に経済活動の急激な収縮に伴う、
失業者の増加が見込まれる

・4月に急増した休業者が見込まれ、
失業率は20%以上に悪化か
・多くの州で年度内(20年8月)の学校閉鎖支持や勧告により、共働き家庭の完全な職場復帰は難しい。米国は両親どちらも不在の状態で、子どもを自宅に残しておくと児童虐待と見なされる可能性が高い
・約4割の世帯が18歳以下の子どもを養い、
そのうち6割が共働き世帯

雇用環境の回復は、悪化ペースに比べて緩慢になり、時間を要することが考えられる。
統計開始以来、

失業率の上昇幅は過去最大であるにも関わらず、株価の下落率は20%に留まる

これまでの経済危機の株価と失業率の推移を見ると、少なくとも

直近のS&P500の高値(19年12月:3230.78ドル)から40%下落した水準(約1930ドル)以上に下落する可能性がある

ことを念頭に置いておく必要があるのかもしれない。
今回は基本的に逆相関で動く、
失業率と株価の関係が気になったので、数字遊びをしてみました!
参考になったら幸いです

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