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REITの次は!??インフラファンドの魅力

コロナ禍の影響により、各指標が大きく値を下げたことは言うまでもない。
その中でもREIT指数の下落は群を抜いていた。
高利回りを享受できていたREITだが、将来的に得られる賃料収入に不透明感が広がり、分配金の引き下げ懸念が浮き彫りになった

軟調なREITの代替先として、比較的定ボラティリティ・高インカムを維持するインフラファンドを紹介する

※REITとは
「不動産投資信託」と呼ばれる。
REIT(リート)とは、個人のみで不動産を保有するのではなく、投資家から集めた資金で不動産投資を行う。そこから生まれる賃貸料収入や不動産の売買益を原資に、投資家へ配当を行う。投資家はREITを通じて間接的に様々な不動産のオーナーになることができ、不動産のプロによる運用成果を享受することができる。

2019年までREIT市場は活況であり、
東証REIT指数は昨年年初1750.87ptから12/30に2145.49ptに上昇した。
その後コロナ禍により、
ボラティリティ(変動幅)が高まり、
今年の年初から1145.33ptと47.6%の大幅下落を記録した。

そこで、4/27より東証で新たに設定開始された
インフラファンド指数というものがある。

東証インフラファンド指数とは?

東証に上場するインフラファンド全銘柄(現状は7銘柄)を対象
・算出方法は浮動株時価総額加重平均型
・基準日、基準値は20年3月27日を1000pt
・算出、公表開始は4月27日から配当こみ指数あり(算出後まだ配当は出ていない)
・現在1072.64pt(5/21の値)

東証インフラファンド構成7銘柄と東証REIT指数の比較

・2/3からを基準値(100)とし、3/13〜3/23の間に各銘柄が最小値を記録
・2/3からのインフラファンド各銘柄の最大下落率は、-18.2〜-12.9%(平均-16.6%)に対し東証REIT指数は-47.8%と大幅下落
・コロナ禍で経済活動が制限される環境下で
賃料収入の不透明感から、配当原資の減少が想定され、それまで魅力とされていた高利回りを維持できるか疑問
インフラファンドの投資対象は、経済動向を受けにくい安定的資産(再生可能エネルギー発電装備等)である為、自然災害のリスクを除けば安定的に高利回りのインカムを享受できる魅力

インフラファンド7銘柄まとめ
タカラレーベン・インフラ投資法人
(保有物件32件、配当利回り6.31%)
いちごグリーンインフラ投資法人
(保有物件15件、配当利回り5.92%)
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
(保有物件46件、配当利回り6.53%)
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
(保有物件21件、配当利回り6.46%)
東京インフラ・エネルギー投資法人
(保有物件5件、配当利回り7.77%)
エネクス・インフラ投資法人
(保有物件6件、配当利回り6.73%)
ジャパン・インフラファンド投資法人
(保有物件15件、配当利回り6.04%)
・20年5月21日時点で、7銘柄の保有資産は
すべて太陽光発電設備である
・太陽光発電設備は、固定価格買取制度が適用される、再生可能エネルギー発電設備
・20年5月21日時点で、東証REIT利回りは4.4%、インフラファンドの利回りは5.92〜7.77%でありインカム面でも魅力的

固定価格買取制度(FIT)とは?

・再生可能エネルギーを利用した発電設備で
発電された電気を一定の期間、価格で電力会社が買い取ることを国が保証する制度
・対象は、太陽光、水力、地熱、風力、バイオマスの5つ
・発電業者の安定的な収益の裏付けに
・制度開始の背景は地球温暖化対策であり、
環境保護の為に再生可能エネルギーを普及させることを目的

FITの抜本的改革
・FIT法は期間制限があり、20年度末までに制度見直しを行う
・大規模事業用太陽光発電、風力発電等については、再エネプレミアム制度(FIP)と呼ばれる新制度へ移行
・FIT適用中の太陽光発電設備等は、FIP移行前に上場したインフラファンドは、FIP適用後の設備を拡充しない限り、FIPによる影響なし
・つまり、現状の銘柄はFIT適用による安定的なインカム享受
再エネプレミアム制度(FIP)
・FITが電力を一定価格で売電することを保証する制度であったのに対し、FIPは発電事業者が電力を卸電力市場において直接販売し、
市場価格+プレミアム(補助金)を受取る制度
海外で導入されているFIP
①プレミアム固定FIP:プレミアムを固定
②プレミアム固定FIP(上・下限あり):
市場価格+プレミアム(補助金)に上限・下限
③プレミアム変動型FIP:
市場価格+プレミアム(補助金)を常に一定額とする為にプレミアムを変動

今後の課題

・日本におけるFIPの具体的内容は不明。どのタイプのFIPを採用し、プレミアム価格、期間をどう設定するか
・太陽光発電設備等を用いた発電を新規に取り組む際に、現行制度よりも不利にならないような配慮が必要
・FIT制度化での売電価格を、FIP制度の売電価格が下回ると、後発のインフラファンド銘柄の配当利回り低下要因になり、指数自体の利回り低下の可能性。売電価格が安定しないことによる安定的なインカム享受が阻害されることを懸念

コロナ禍からのパフォーマンスの比較により、
差は広がり、回復幅にも開きがある。今後は景気動向に左右されず、安定的なインカムを確保できるインフラファンドがREITの代替役になるかに注目していきたい。

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